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ビル・ゲイツや世界銀行などが注目している衛星利用ベンチャー。このビッグデータ解析ベンチャーによって、中国国家統計局はGDPを改竄できなくなる。

(この記事は、メルマガ第251号のダイジェストです。全文はメルマガでお読みください)

中国国家統計局は、常に公式データを捏造している

中国の新しい経済指標が発表されるたびに、どの国のエコノミストも意見が真っ二つに分かれます。

・・・「またまた2017年第4四半期のGDP成長率は、前年同期比で6.8%の増加だ。
今後、中国経済がどんどん悪化していっても、われわれ中国人には、常に国家統計局がついているのだから安心だ・・・」

中国国内で7億人、全世界では12億人の利用者を抱える中国のチャット、WeChat(西側ではウィーチャット、中国では「微信」ウェイシン:weixin)で、半ば、恒常化している中国の金融当局の捏造体質を皮肉るような、こんなメッセージが拡がっています。

「第4四半期6・8%増」というのは、2015年から続いています。
中国
国家統計局は、「6.8%」という数字が好きです。

<以下省略>


中国政府は人民元の流出を食い止めるためには何でもやる覚悟

中国市場爆上げの本当の原因を突き止めるのは、比較的容易です。

下は、中国の外貨準備高の推移です。

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中国株が底をつけた2014年6月の外貨準備高は、過去最高の3.99兆ドルでした。

しかし、ここから2015年12月まで、約4兆ドルから3兆3000億ドルまで「ありえないスピード」で一気に減少していったのです。

それでも外貨の流出は止まらず、2017年1月末には、2.998兆ドルと、とうとう3兆ドルを切ってしまいました。

<中間省略>

・・・確かに、中国の最大の貿易相手国・米国のドルと人民元の為替は、2016年12月31日に反転して人民元高に振れています。

にもかかわらず、中国が2017年にICOを全面禁止し、その後、仮想通貨取引のすべてを禁止したのは、とにかく、なりふり構わず人民元の国外流出を防ぐためには、あらゆる手段を講じることも辞さないという強い意思表示なのです。

戦車が通れるように、新鴨緑江大橋の未着工部分の工事再開か

<前半省略>

・・・これまで中国は、中朝国境の新鴨緑江大橋の建設を急ピッチで進めてきましたが、ほぼ完成の段になって北朝鮮領内の連結道路が未着工のまま放置されている理由は、こんなところにあるのです。

これは、北朝鮮から難民が中国国内に押し寄せるのを防ぐためで、中国が動くとすれば、人民解放軍の面子にかけても、ピョンヤンに米軍が居座ることを阻止したい場合です。

今、新鴨緑江大橋の未着工部分は、再び工事が進められているとのこと。
もちろん、最悪の事態を想定して、人民解放軍の戦車が渡れるようにするためです。

人工衛星とAIによって中国市場が暴かれる!

<前半省略>

・・・テクノロジーの進歩は、衛星画像や人工知能の助けを借りて、中国の実体経済の秘密をくまなく暴こうとしています。

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(イメージ:SPECTRUM)

・・・オービタル・インサイトの「衛星利用ベンチャー」には、早くからビル・ゲイツや世界銀行などが注目しており、同社は、シリコンバレーで、今もっとも注目されているビッグデータ解析ベンチャー企業のひとつとされています。

現在のところ、機械学習による画像解析アルゴリズムを使用しているとのことですが、すぐにAIによるディープラーニングに拡張されていくはずです。

・・・しかし、オービタル・インサイトの画像解析によって導き出されたマクロ経済のデータが、中国国家統計局が発表するデータに取って代わるのは、ずっと先のことでしょう。

中国国家統計局が、いくらデータの捏造や改竄が得意だからといって、国家レベルで人や企業から詳細な情報を手に入れる権限を持っている以上、オービタル・インサイトが提供する情報がオーソライズされることはないのです。

とはいえ、どちらが、より実体経済を反映しているかを市場が決める日が遠からずやってくるはずです。

そのとき、中国国家統計局は形骸化していることでしょう。

衛星による製造業の成長の追跡

<省略>

スペース・ノウの「中国人工衛星製造業指数(SMI)」

いっぽうで、2016年以来、サンフランシスコに拠点を置いて活動している米国企業「スペース・ノウ(SpaceKnow)」は、異なるアプローチによって「中国
人工衛星製造業指数(SMI)」を算定しています。

・・・スペース・ノウが市場に投じた「中国人工衛星製造業指数(SMI)」は、一般に「中国SMI」と呼ばれており、複数の商業衛星が撮影した数千枚の写真の分析に基づいています。

ロイターなどの大手海外メディが、中国政府に忖度して、中国国家統計局の公的PMIを「公式」とするケースが多いのに対して、中国メディアは、容赦なく、スペース・ノウの「中国人工衛星製造業指数(SMI)」や「財新・中国製造業PMI」の数字を併せて紹介して、素顔の景況感を伝えようとしています。

スペース・ノウの「中国人工衛星製造業指数(SMI)」は、中国の製造業がどれほどうまくいっているかを数値化するため、中国の領土50万平方キロメートルに及ぶ6,000以上の工業地域から抽出された22億の衛星スナップショットを分析することによって算出されています。

<後半省略>

オーストラリアの港から中国の大気汚染対策を知る

<省略>

AIによる宇宙からの暴きによって、国家が市場に飲み込まれる日

原油市場における不透明性ゆえに、石油の価格は大きく変動しています。

世界最大の石油輸送ハブの1つであるロッテルダムでは、高度に透明性が確保されているため、どのくらいの量の石油が貯蔵されているのかを誰でも知ることができます。

しかし、他の石油備蓄基地では、その備蓄在庫や生産能力が正確に報告されていないため、突発的に市場が大きく揺れることが起こります。

北京は、国家戦略の一環として戦略石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve:SPR)を行っている最大の政府の一つです。

米国は、SPRデータを定期的に報告しており、メディアも、これを伝えています。

・・・前述したオービタル・インサイトは、衛星画像を使用して、地上の中国の石油タンクを分析します。

中国でも石油備蓄タンクには、蒸発を最小限に抑えるために浮遊式の蓋がオイル貯留の浮力によって浮くタイプのフローティング・ルーフ・タンクが使われています。

したがって、石油備蓄タンクの壁面の影の形状を一つ一つ分析していけば、フローティング・ルーフの沈み込みによって、どれくらいの石油が備蓄されていてるか、かなり正確に知ることができるのです。

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上の衛星画像のように、タンクがいっぱいになると、その影は最小になります。
反対に空のときの影は大きくなります。

・・・オービタル・インサイトは、宇宙から撮影可能なすべてのフローティング・ルーフ・タンクを、こうした分析の対象としています。
それには、国家備蓄用のタンクと商業用のタンクすべてが含まれています。

新華社は、商業用タンクの石油備蓄量の増減を報告しているだけで、国家の戦略的備蓄量を中国政府は決して発表しません。

商業衛星から、くまなく地上に設置されているフローティング・ルーフ・タンクの画像を取得すれば、中国は、石油の戦略的備蓄量を誤魔化すことができなくなります。

・・・テクノロジーによって、中国国家統計局の公的PMIより財新PMIのほうに信を置く人々が増えているように、宇宙からの目線とAIの進歩によって、国家が市場に飲み込まれそうになっているのです。

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