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12月、CMEのビットコイン先物取引の開始によって、市場はどう動くのか。
これを報じたCNBCの記事のタイトルは「Attention bitcoin bears」。
つまり、「ビットコインのベア(弱気相場)に注意!」と言っているのです。


(※この記事は、メルマガ第231号のダイジェストです。全文はメルマガでお読みください)

12月のビットコイン先物取引の開始は、果たして莫大な資金を呼び込むのか

毎年この時期になると、「2018 MARKET PREDICTION」のように、欧米の主流メディアや経済雑誌が、翌年の相場の予想を出します。

・・・かねてから「ビットコイン先物」をローンチすると言われていたシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が先物取引の開始日程を発表しました。

CMEの会長兼最高経営責任者(CEO)のテリー・ダフィー(Terry Duffy)は、CNBCの看板番組「パワーランチ(Power Lunch)」で、「今年12月の第2週までには、ビットコイン先物取引を開始する」と述べました。

これを報じたCNBCの記事のタイトルは「Attention bitcoin bears」。
つまり、「ビットコインの弱気相場に注意!」と言っているのです。

・・・ビットコインを“ガチでホールド”している信者(HODL)たちは、ビットコイン先物が開始されることによって、世界中の資金が仮想通貨市場になだれ込んで、一気に時価総額を増やしてくれると大歓迎です。

・・・ちなみに、中国では、ビットコインのマイニング企業に対して電力を供給している水力発電所が、マイニングを続けるのであれば、電力を停止すると脅しまでかけています。

ビットコインの高値が維持されているのは、ハッシュパワーの半分以上を占める中国勢が、大量の電力消費をものともせず、果敢にマイニングを行っているからで、これをストップすると大混乱に陥ること必至です。

しかし、中国政府は、ブロックチェーン先進国ですから、強制的に電力を止めることは、今のところ考えづらいでしょう。

なぜなら、中国はブロックチェーンによって人民元の国際化を一気に進めようとしているからです。

ビットコイン先物取引によって、仮想通貨市場は底上げされるのか

・・・当然、ビットコインの現物取引を行っている仮想通貨投資家たちも、ビットコイン先物の値動きを横目にしながら投資を行うようになります。

どちらかというと、先物は、投資家心理を利用して値を下げる方向(先物の仕掛け売り)に働きやすいので、過熱し過ぎた市場を冷やす役割を果たすと同時に、両建ての売買によって現物の暴落や暴騰のリスクをヘッジする機能を持っています。

また、先物には値幅制限が設定されていて、その日の値動きが、あまりにも激しいと、いわゆるサーキット・ブレーカーが発動することがあります。

CEMグループのウェブサイトには、ビットコイン先物のトレードに当たって、他の商品先物と同じように、上下20%の値幅制限が設けられている旨が記されています。

ビットコインの値動きが、あまりにも激しく乱高下する場合は、高速ロジック機能(velocity logic functionality)が自動的に発動され、ビットコイン市場を1時間停止させる場合もあるということです。

CMEのダフィーCEOは、「ビットコインのボラティリティを抑えるつもりはない」と前置きしながら、「私がやりたいことは、他の投資家に、ビットコインの持つリスクを明らかにする場を提供することだ」とメディアに語っています。

・・・日本のマネックス・グループも、CMEのビットコイン先物取引に合わせて、サービスを開始することになっています。

CMEのビットコイン先物のローンチを目前にして、米国の大手仮想通貨取引所、コインベースの口座開設者が1日に10万人も増加したことが分かりました。

ビットコインは、ハイパーインフレで値付かずの高値になる?

・・・ジンバブエのインフレは、2000年前から始まり、独裁政権によって、ハイパーインプレに突入。
2008年には、なんと5000億%のインフレ率を記録しました。

日本円換算では、2015年6月の時点で、1円=300兆ジンバブエドルのレートになります。

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・・・資産の減価を防ぐもっともよい方法・・・ビットコインであれば、ジンバブエドルでビットコインを買ったときの購買力を維持できるだけでなく、持ち運びに苦慮することもありません。

ジンバブエの仮想通貨取引所では、今年9月26日の時点で、7200ドル(81万円)前後で取引されていました。
この時点における日本の仮想通貨取引所のビットコインの価格は約43万円でしたから、なんと85%ものプレミアムがついて取引されていたのです。

・・・彼らにとっては、損した、得したより、明日の命のほうが問題なのです。

ヒットコインは、過度のインフレになると、フィアット通貨のくびきから解かれて、異常な値上がりを示すようになることが証明されたのです。

富豪を顧客とするゴールドマン・サックスがビットコイン・サービスを検討している理由

<省略>

トランプラリーの株高は、ヘッジファンドによって演出されたドレッシング相場

さて、米国に何が起ころうとしているのでしょう?
私たちは、もっと敏感になる必要があります。

ドナルド・トランプが大統領に就任して以来、米国の株式市場の時価総額は、およそ5兆ドル以上上昇しました。

・・・世界金融支配層が、世界経済を計画的に倒産させる目的は、米国を社会主義の国から共産主義の国家に質的に改変させることです。

米国が社会主義の国であったのは、数十年前までのことで、今にいたっては、共産主義国と言い換えるべきなのです。
でなければ、社会主義者を自ら標榜するバーニー・サンダースが民主党の大統領候補としてヒラリーに勝つはずがないのです。

つまり、不正選挙が行われなければ、バーニー・サンダースがヒラリーに圧勝していたはずだと、米国の多くの有権者が考えているということです。

震源はイタリアの銀行? それともドイツ銀行のデリバティブ破綻?

マイクロ・ソフトのビル・ゲイツ、アマゾンのジェフ・ベゾス、そして、もっとも成功した投資家、ウォーレン・バフェットの3人が保有している富は、米国の50%の人口(中間層が破壊されて、貧困層に分類されている)が保有している富より多いのです。
これは、政策研究機関「IPS」の報告によって明らかになりました。

・・・「経済格差を是正しろ」、あるいは、「子育て支援を充実させて教育費の無償化を!」と主張する人々を社会主義者だ!とレッテルを貼る人たちがいます。

それでは、経済格差が開きすぎた米国社会で何が起こっているのでしょう?
もっとも、日本のメディアは、米国の真実をまったく報道しないので、国民は知る由もないわけですが。

・・・つまり、経済格差が開きすぎると、言論の自由が奪われて民主主義が破壊されてしまうのです!
これは、米国や日本だけの社会現象ではなく、ヨーロッパでも深刻化しています。

つい最近も、ジム・ロジャーズが「ヨーロッパ最大のドイツ銀行のデリバティブ破綻が迫っている」と警告を出しました。

同時に、実質的に破綻状態のイタリアの大手3銀行が、ヨーロッパに金融危機を引き起こそうとしています。

大きな経済災害を正確に予測することで知られている“経済予測士”、マーチン・アームストロング(Martin Armstrong)は、自身のブログに中で、「ヨーロッパの銀行の危機」と題して、来年はイタリアの銀行の破綻が迫っていると警告しています。

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「欧州の銀行の間には、不良債権に対する厳しい新規則に抵抗しようとする大きなうねりが見られる。
これは、イタリアの銀行を打ち崩してしまうだろうし、さらに二つ以上の銀行を連打するだろう。

イタリアの来年の選挙を迎えるに当たって、新しい銀行のルールは、破滅への最後の決定打となるかもしれない。

・・・ユーロ圏の不良債権総額は約8,440億ユーロに上っている。この数字の約25%はイタリアの銀行に集中している。
(来年は)ヨーロッパの銀行には、厳しい風が吹きそうだ」・・・

アームストロングは、ヨーロッパの銀行の連鎖的破綻は、イタリアの銀行から始まる可能性があることを示唆しています。

彼によれば、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、イタリアの銀行の損失隠しに一役買っているようです。

英国がブレグジットにさらに踏み込むと、再びポンドの暴落を招くかも知れません。

いや、本当の震源地は、おそらく、ジム・ロジャーズが言うようにドイツ銀行のデリバティブ破綻でしょう。

この順番か? 債権の流動性枯渇→不動産バブル破裂と同時に→株式市場の大崩壊

・・・なんと、次の日経平均の暴落までのカウントダウンを表示するAI予想サイトまで現れました。

そのサウジアラビアとイランとの間で、戦争の勃発を懸念する声が日に日に高まっています。
実際に、米国の主流メディアは、「サウジは、イランとの戦争に突き進んでいる」と報じています。

・・・一方、2018年後半には、中国のバブル崩壊が起こり、中国こそが世界同時不況のトリガーになるとの分析もあります。
また、ウォールストリート・ジャーナルは、早くも「中国の巨大不動産バブルの崩壊が始まった可能性がある」と報じています。

しかし、これは、ウォール街が大好きなポジショントークの一種であると考えなければなりません。

とはいえ、ロンドンの不動産価格は下落し、特にオフィス賃貸はかなりの割安になっています。

カナダのバンクーバーやトロントなどの不動産価格も大暴落
やがて、これは他の都市へも波及するだろう、とブルームバーグが予想しています。

米国では、サブプライムローン破綻から何も学習しなかったかのように、低金利の住宅ローンによって、都市部の住宅の過大評価が、次の住宅バブル崩壊の呼び水になっています。

特に、デンバー、ヒューストン、マイアミ、ワシントンD.C.都市部の住宅価格はバブルの様相を呈しており、サンフランシスコやニューヨークなどの大都市圏では、不動産市場の冷え込みが顕著に現れています。

地方都市では、ローン破綻した住宅や、2008年のリーマンショック後、中国人富裕層が投資のために買い漁った住宅が、寒風吹きすさぶ中に放置されたままになっています。

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(画像のソース:MARK RALSTON/AFP/Getty Images)

日本でも、都心のマンションでは徐々に在庫が積み上がってきており、少子高齢化で東京都の空き家率は、ますます上昇しています。
最近では、とうとう、不動産バブル2019年問題を言い出す経済評論家が少なからず出てきました。

2019年は、東京オリンピックを当て込んだ中国人の富裕層が、投資のために東京23区内や湾岸エリアの高層マンションを買い始めてから5年目に当たる年です。

・・・おそらく、東京の住宅価格は、2018年から下落トレンドに入るでしょう。

(※メルマガ第184号パート1「買ってはいけない!迫る住宅バブル破裂と東京五輪後の無残(日本編/その1)」、パート2「買ってはいけない!迫る住宅バブル破裂と東京五輪後の無残(日本編/その2)」にて詳述)

現政権は、面子を保つために、2020年まではバブルを崩壊させないように、どんな手でも打とうとするでしょう。

来年は、いよいよ国債の引き受け手が不在となり、国家予算の編成もままならなくなっているはずですから、現政権は、禁じ手の財政ファイナンス(いわゆる、ヘリコプター・マネー)に踏み出すべく通常国会の議題に乗せるかもしれません。

それは、日本国の破綻に繋がることが分かっている野党の猛反対にあい、結局、いつものように閣議決定で強行されるでしょう。

そのとき、国民の多くは、反対するどころか、それを歓迎するかも知れません。
なぜなら、財政ファイナンスは日本株を押し上げて、投資家たちに利益をもたらすからです。

独裁政権が、ハイパーインフレを誘発することは、ジンバブエでもまた証明されたのです。

ビットコインは護符

・・・ロシア・ゲート・スキャンダルをでっち上げたのは、旧ブッシュ陣営であることが分かっていますが、さらに、共和党内部の反トランプ陣営のフリーダム・フォーカスにも用心しなければならないのです。

この勢力は、トランプが出すさまざまな法案を、片っ端から潰し、弾劾に追い込もうとしている人々です。トランプの本当の敵は、実は共和党内にいるのです。

すでに、副大統領のマイク・ペンスは、トランプの後を引き継ぐ準備をととのえていると言われています。

・・・マイク・ペンスが大統領になれば、一転して米国はTPPを批准するでしょうから、「TPP断固反対」を掲げて圧倒的勝利をおさめた安倍政権は、再び国民の非難の的となるでしょう。

2018年から、世界は怒濤のように動き始めます。
進路を間違えた日本は、自ら、その激動の荒波の中に引き込まれていくでしょう。

だからって、ビットコイン?

それは、単なるデータに過ぎません。
それは、宗教的性質に基づく価値を持っています。

トランザクションの慢性的な目詰まりに悩まされているビットコインの通貨としての機能は劣っています。

それでも、信者たちよってビットコインが宗教であり続ける限り、高値更新を続けていくでしょう。

ビットコインの値を吊り上げるだけ吊り上げて、その頂点で・・・まー、そのー、いわゆるヘッジファンドがドカンッ!と仕掛けて来るでしょう。

「90万円突破!」。HODLは歓喜しています。
まともな人間が、こんな高値づかみすると思いますか? まともではない人間が買い上げているということ。その筋。

こうなると、ビットコインは、サトシ・ナカモトが目指している理想の通貨はどこへやら、さりとて投資でもなく、毎日、ネットで値上がりする数字をにんまり眺めながらほくそ笑む信者たちの電脳教祖になっています。

そう、ビットコインは、将来のインフレに備えてホルダーを守ってくれる(と彼らが妄信している)護符のようなものに過ぎず、通貨としての使命は、とっくに終わっているのです。

ビットコインに何かを求めるとすれば、「それは金(ゴールド)に勝る価値の保存手段」としての機能であり、世界規模の経済崩壊に耐えうるということです。

投資銀行やヘッジファンドは、ビットコイン先物市場を通じて、一般投資家が懐に大切に抱えているビットコインを根こそぎ奪おうとしている、ということです。

それは、数百兆円、数千兆円の価値をサイバー空間のコールド・ウォレットに保存するでしょう。

つまり、ビットコイン自体に価値があろうとなかろうと、それが問題の本質ではなく、世界金融の支配者たちにとって、ビットコインをいかにして富の収奪の道具として機能させるかが問題なのです。

最終的には、ビットコインは、世界金融の支配者が、いったいいくらの富を持っているか、世界市民に知らしめるためにブロックチェーンに記述する新しい預金通帳の役割を果たすことになる、ということです。

(※本稿はビットコインを肯定も否定もしません。また、この記事を投資の参考になさらないようにしてください)

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