画像は、この動画からキャプチャーしたもの。
もちろん、ここに写っている人たちが、復興を邪魔している人ということではありません。
「青山繁晴のインサイドSHOCK」
(毎日放送:8月8日放送分)
この動画には、いくつかのヒントがあります。
重要ポイントは、太字の部分。
【青山繁晴】インサイドSHOCK 原発是非の前に決めること 2012.8.8
司会:
原発の今後について。
野田総理大臣は、国会前でデモをしている原発反対派の人たちの代表と話し合うと言っていたんですが、それをキャンセルしたんだそうですね。
青山:
キャンセルというか延期だそうだ。
ただ、最初から志が低いのは、菅さんが要求したから(野田が原発反対派の代表と話し合うことを)考え直すことになった。
菅さんは、反原発の新党を視野に入れていて、もう一度総理になれると思っている人だから、菅さんや鳩山さんが離党してしまうと、窮地に追い込まれるため、(デモ運動の代表と会うなという)要求に従うというのが本当の理由なので、こんなのはもともと話ならない。
今日は、おととい(8月6日)、東京電力が福島第一原発のときのビデオを公開したときの問題についてて、お話ししたい。
このビデオ、ピーという音を入れたり、部分部分を東京電力が勝手に編集して、「公開」と称したり、あるいは、メディアに150時間分だけは見せるけれども、いわゆる「持ち出すな」に等しい。
こんな馬鹿な話があるのか、と思っている国民の人は多い。
こうしたこと(東電側で勝手に編集したり、それを「公開」と称したり)もおかしいことだが、本当におかしいのは、なぜ、いくつかの事故調査委員会の報告が出てから、こうしたビデオが出てくるのか、ということ。
本来は、事故調査委員会の調べの中で、150時間分限りとか、そうしたことでなく、全部を調べた上で、各調査委員会(国会事故調査委員会、政府事故調査委員会)は報告しなければならないはず。
特に問題があると思うのは、国会の事故調査委員会だ。
国会事故調査委員会は、私たち国民から国勢調査権という、強制的に調べる権限を有しているのに、「部分的に見た」と国会事故調査委員の人が言っている。
それならそれで、その「部分」が、どこを指すのかもさっぱり分らないし、いったん事故調の委員を引き受けた以上は、万難を排して、それを全部見て、その上で報告書を書かなければならないはす。
去年の4月に、福島第一原発に入ったときに、テレビ会議をつなぐモニターの前で、当時の吉田昌郎所長から直接、説明を受けた。
そのときに見たのは、東京電力内部の動きをつなぐテレビモニター会議だけではなくて、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室であったり、そこと常時つながっている、ということ。
したがって、東電の動きだけでなく、この事故のときの全体の対応が、ここに映し出されるものであって、常識的に言えば、ハードディスクがある限りは、そこに録音も録画もされるはずのものであるから、これ以上、貴重な調査資料はない。
ところが、一番大事なものがメディアにおいても置き去りにされている。
なぜ事故調で、これを調べなかったのか。
おととい、実は福島に行った。
そのときが、ちょうどこの東電のビデオが公開されたときで、それを地元福島のテレビ局で観た。
ここで、福島県民に向けたローカルの報道番組をやるというので、それでこの生番組に参加した。
そのテレビ番組の趣旨は、野田政権が提示している「3つの選択肢-原発0%、15%、最大25%」を2030年のプランとして国民、あるいは福島県民も含めて提示するというもの。
福島市内でも、意見聴取会をやっていて、そこで議論が戦わされたことになっている。しかし、この番組の生放送で私が言ったのは、「3つの選択肢の設定自体に真っ向から反対です」と言うことだった。
なぜ反対かというと、福島県民、日本国民にとっても、この3つの選択肢というのは、今、眼の前のもっとも重大な問題から目をそらせるものだからだ。
「騙している」、「騙されている」とまでは言わないが、福島県民と日本国民全体にとって、いちばん眼の前の重大なここというのは、福島第一原発が、実は安定していない、ということです。
野田総理は、福島第一原発の構内に一度も入らないまま、冷温停止停止だと言っているが、これは真っ赤なウソである。
冷却システムは、未だ仮のものであって、その一部には雑草すら食い込むことができる。
そこに同じように震源地で地震が起きて、似たような津波が来たとき、この冷却システムが持つと思っている専門家は、私の知る限り誰もいない。
そのことから国民の目をそらしている上に、実は原子力発電の今後を考えるなら、選択肢を根拠もなく並べる前にやらなければならないことが横たわっています。
それは、この福島の事故で出た未曾有の質と量の放射性廃棄物、それに加えて、これまでの原発が作り出してきた放射性廃棄物の最終処分場をどこに造るか。
これが、もし造れないのであれば、すでに「3つの選択肢」もへったくれもない。
私自身の意見は、廃棄物や廃炉の技術力の維持のため、あるいは核抑止力のために原子力技術は必要だ、という立場だが、しかし、そんなことも吹き飛ばして最終処分場が造れなかったら、もう原子力はすべて動かすことも技術を維持することもできない。
そのことから(国民の)目をそらしているということに気づくべきだし、メディアが「3つの選択肢」が、本物の選択肢であるかのように扱っていること自体が、いちばん国民をミスリードするものだと思う。
その上で、これはいずれにしても今の政局を見ていると、総選挙が近いとも思われるので、総選挙のときに争点にすべきであって、たとえば自民党は総選挙を急げというなら、この「3つの選択肢」ではない本物の争点を示すべきだと思う。
(ここで終り)
管理人:
太字の箇所についての説明
①そのときに見たのは、東京電力内部の動きをつなぐテレビモニター会議だけではなくて、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室であったり、そこと常時つながっている、ということ。
-----------------------------------------------------------
東電が8月6日に「公開」したビデオはがこれです。(クリックで関連記事へ)
メディアに「公開」されたのは150時間分ですが、youtubeなどで公開されていて、私たちが見ることができるのが1時間半程度のものです。
・福島オフサイトセンター
・福島第二原発の対策室
・福島第一原発の対策室
・東京の東電本店非常災害対策室
・柏崎刈羽の免震重要棟内
公開された動画は、以上の5ヶ所の動きが同時に記録されたものです。
しかし、昨年4月、吉田前所長から「真実を世間に知らせて欲しい」と頼まれて福島第一内に入った青山繁晴氏が、吉田氏のモニター見ながら説明されたのは、このほかに、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室と常時つながっているモニターだった。
当然、原子力安全・保安院にもつながっていて、このようにリアルタイムで、関係者なら誰でも、時々刻々と変化する様子を見ることができたはずです。
このビデオは、国側と民間側で境界線を引いて、国側の部分は編集時に落としてしまったのです。
東電が国側と示し合わせて、彼らにとって都合が悪い部分をカットしたのです。
倒産寸前で、電力会社からのわずかな広告料を当てにして原発推進(ときに捏造)報道を続ける原子力利益共同体メディア、産経新聞のタイトルは毎度のことながら滑稽です。
「(首相は)説明すると、さんざんギャーギャー言う」…東電公開映像 現場の様子克明に
産経のこの記事は、東電から出てきた会議の模様を録画したビデオについてなのに、菅直人元首相の現場への介入が事故を破滅的事態に導いた、と書いているのです。
菅直人を持ち上げる気はさらさらありませんが、国民を誤った方向に誘導するのは犯罪的的と言っていいでしょう。
産経新聞が事実をゆがめ、国民に不純物だらけの情報を垂れ流すのはなぜか?
いよいよ産経新聞倒産秒読なのか。
菅直人のことなどより、
・なぜ、今頃になってこんなビデオが出てきたのか、
・なぜ、国会事故調は甘いのか、
・なぜ、あからさまな東電の証拠隠滅工作を罪に問わないのか、
そして、何より、そのことを報道しない新聞の腐敗と癒着にメスを入れなければならないはずなのです。
産経新聞は、朝刊で、たったの160万部。最盛期の週刊ポストよりやや多い程度と、今では大新聞の中では「ミニコミ」までスケールダウン。この傾向は止まらないでしょう。
世の中の人々、そして新聞社の連中は、新聞の影響力を過大評価しすぎ。
今や、個人の有力ジャーナリストのほうが、アクセス数においても情報のリーチ度においても、産経新聞などよりその影響力は大きいでしょう。
ここまで部数が落ち込むと、自力経営は不可能。
フジサンケイ・メディア・コングロマリットに、がっちり組み込んで、メディア・ミックスの1コミュニケーション・ツールとしての生き残りを模作するしかないでしょう。
産経新聞でも、フジサンケイの、例の気味の悪い目玉マークを1986年から採用しています。
つまり、日枝久(フジ・メディア・ホールディングス代表取締役会長)のメディアになったわけです。
日枝久とは、政治屋としての才覚で“手腕”を発揮、のし上がってきた人間ですから、彼のことをマスコミ人と思っている人は少ないでしょう。
野田佳彦をディナーに誘って、「次期総理もあなたに決まりだ、再選は確実」と、まるで世間に知らしめるかのように、私物化した自分の新聞でわざわざ流すような男です。
要するに、「野田は、ワシが動かしている」と言いたいのです。ここまでくると、日枝久という人間は、病的な自己顕示欲の持ち主に違いありません。
一刻も早く、この有害新聞の購読を止めるようお勧めします。
ゆがめられた記事ばかり読まされていると本当に精神を害します。
②「3つの選択肢の設定自体に真っ向から反対です」。今、眼の前のもっとも重大な問題から目をそらせるものだ。
福島第一原発が、実は安定していない。
-----------------------------------------------------------
金子勝慶応大学教授が、7月14日のNHKスペシャルで、数人の識者とこの問題を討論したとき、
「2010年の26%から、どうやって減らすかっていう議論をしているんですけれど、私たちは現在、2012年のこの瞬間に、2基の原発を安全性を無視して、ルールを無視して動かしただけで、じゃ、どれだけ動かせるんだろうか、という議論を真面目にやっただろうか。
老朽原発もたくさんあるし、さらに言えば、事故を起こした福島原発と同じマークⅠ型の原発もある。活断層の上にある原発もある。三連動地震もある。
というふうに考えたときに、勝手に全部、老朽原発を動かすことを前提にして数字を作ってみても、ほとんど意味がない」
と言っていましたが、まさにそのとおり。
動画の13:40~ 金子教授の発言。
隣の精神科医・香山リカも、珍しく正論を説いています。
日本総研の寺島実郎は、相変わらず原発推進に必死のようです。彼の知識の浅薄さが露呈されてしまって、見ていて痛々しい。
国民のストレスは、政府のように気の狂った連中が何をやらかすか分かったものではないので、常に監視していないと気が気でないということです。
この「2030年 3つの選択」を国民的議論に(民主党は、この言葉が好きだ)、と座長を務めている古川元久は、真面目そうだが結局何も理解していないのです。時期選挙で落選ターゲット入り確定です。
③野田総理は、福島第一原発の構内に一度も入らないまま、冷温停止停止だと言っているが、これは真っ赤なウソである。
-----------------------------------------------------------
それより以前に問題がありそうです。
野田という男は、カラオケで歌うように嘘がつける男ですから、どうも隠された精神的な、あるいは情緒的な障害があると考えたほうがいいでしょう。
でなけれは、彼の挙動不審は説明がつかない。
④冷却システムは、未だ仮のものであって、その一部には雑草すら食い込むことができる。
そこに同じように震源地で地震が起きて、似たような津波が来たとき、この冷却システムが持つと思っている専門家は、私の知る限り誰もいない。
画像は、海側に設置された通称「世間堤」。
吉田前所長が東電本店に呼ばれて幹部が顔をそろえた会議に出席したときに、「一刻も早く、沖に高い防潮堤を建設しなければ次の地震が起これば、今度こそ本当に壊滅してしまう」と訴えたところ、「予算がないから防潮堤は建設しない」という答えが東電経営幹部から返ってきました。
「この分からず屋」とテーブルをこぶしで叩いて激怒した吉田氏でしたが、幹部は、どこ吹く風。
これがマスコミで大々的に報じられたことから、東電本店は、土嚢でお茶を濁したのです。
だから、「世間堤」と言われているのです。
こんなものは、津波で一瞬で流されるでしょう。これこそ金の無駄遣い。
でも東電幹部(東京の本店の連中)というのは、これで世間体を取り繕えていると思うのですから、彼らの見識は恐ろしいものです。
原子炉を冷却したときに出た高濃度汚染水は、まだ原発敷地内にこのように保管されたまま。それも野ざらし状態で。
循環冷却システムといったところで、ホースや配管は仮設の一時しのぎのもの。
外に露出したホースに固い雑草が穴を開けてしまうという有様。
次の大きな地震が来れば、これらは簡単に破壊されるでしょう。
つまり、原子炉と使用済み燃料プールの循環冷却システムがダウンしなくても、汚染水のホースや配管が次々と外れて、敷地内を広い範囲で汚染するでしょう。
そうすれば、ほとんど作業ができなくなります。
⑤核抑止力のために原子力技術は必要だ、という立場。
自民党が、核抑止力のために日本の原発でプルトニウムを作り続けてきたことは事実です。
-----------------------------------------------------------
しかし、肝心のアメリカは、日本には原子力発電は許すが核弾頭を持つことは絶対に許さないと決めているのです。
日本が核武装するときは、日米安保条約を破棄するときです。
そのときこそ、アメリカは中国を使嗾するでしょう。
自民党と一部の民主党議員は、それを知っているのに、なぜ「核抑止力のために原子力を続けなければならない」と思っているのか謎です。
答えは、戦後史の正体(孫崎 享著)に書かれてあります。
⑥そのことから(国民の)目をそらしているということに気づくべきだし、メディアが「3つの選択肢」が、本物の選択肢であるかのように扱っていることは国民のミスリードを誘う。
この福島の事故で出た未曾有の質と量の放射性廃棄物、それに加えて、これまでの原発が作り出してきた放射性廃棄物の最終処分場をどこに造るか。
これが、もし造れないのであれば、すでに「3つの選択肢」もへったくれもない。
-----------------------------------------------------------
国民の目を福島第一原発の現状からそらすために、「3つの選択」を政府が出してきた、というより、そもそも、こんなナンセンスなことを、なぜ国民的議論などと言うのか、その理由を政府と野田佳彦に説明させるよう圧力をかけるべきです。
その一点だけでもいいので、ここを突いていけば彼らはうつむいてしまうでしょう。
⑦自民党は総選挙を急げというなら、この「3つの選択肢」ではない本物の争点を示すべき。
「本物の争点を出すべき」と言うなら、「50年の長きにわたる東電と自民党の蜜月」について、自民党の若手議員自らが明らかにして、国民の前に示すことです。
それによって、元科学技術庁長官だった谷垣禎一や、原発事故の元凶は自民党と東電との「ただならぬ関係」にあるのに、「反省しても仕方がない」と言い放った細田博之(元経済産業省)などの老害議員を、若手の自民党議員が放り出すことをしなければ、国民は自民党など信用しないでしょう。
谷垣が、そろそろ3党合意になかった「野田政権への不信任案」を言い出したのは、消費税増税法案が決まったとたん、こんどは野田側から、自民党と原子力ムラの闇を暴かれないように、すぐに衆院解散に持ち込んで、口封じしたいからです。
ただし、野田は、「何があっても東電は守る」と、去年の4月頃には東電幹部に約束してしまったのですから、野田というより、野田の背後に付こうと思っている人々でしょう。
鳩山由紀夫は、遠巻きに野田にブラフをかけているのですが、それは彼ではありません。
今後は、脱原発政党の立ち上げを考えている菅直人の動向に注目です。彼の人望次第です。
脱原発をマニフェストに掲げれば圧勝でしょう。
今度こそ自民党の悪事が暴かれて壊滅させられるかも知れません。
原発ゼロに向けて、原発利益共同体のどこを突くか
●原発を再稼動させるためには、核廃棄物を、少なくとも安全に数千年の間、保管する場所の確保が必要です。
それが再稼動に賛成した自治体の責任としてのしかかってこなければならないのです。
野田佳彦に、まずは核廃棄物の処理場についてどんな対策を行っているのか説明せよ、と強く迫るべきです。
マスコミが正常に機能していれば、本来はジャーナリストたちが世論喚起に動いてしかるべきなのです。
しかし、日本の大マスコミは、ほんの一部を除いて、逆に有害にさえなっているのです。
ときには捏造まがいのことまで行って原発推進記事を掲載し続ける産経新聞など、国民の不買運動によって倒産させることなど十分可能でしょう。
部数はたかだか160万部と、大新聞としては、すでにミニコミですから。
この運動を盛り上げるべきだと思います。
●もうひとつは、医師の放射性に対する無知と不勉強を責めるべきです。
ドイツが脱原発に成功した大きな要因の一つは、医師たちが放射線被曝の危険性を独自に勉強し始めたからなのです。
そして、それが市民レベルで広がっていったからです。
それに引き換え、「ガンになる原因は、放射能を心配をしすぎることが原因だ」と論文に書いている医師が何人もいる日本の異常さを、海外の人々は薄気味悪がっているのです。
医師たちの、医師による、医師のための、ここにも原子力ムラならぬ、医療ムラがあるのです。
きちんと診療できない医師は、そのときの状況をネット上で公表すべきです。
ただし、医師の病院名と名前は勘弁してあげよう。
●放射能の内部被曝を警告する医師たちを、もっとマスメディアは取り上げなければならないのですが、NHKでさえ、あたかもタブー視しているかのようです。
であれば、そうしたメディアは不要です。
だから、そうしたテレビ番組には抗議のメールを送るべきです。(これは効果があります)
新聞は定期購読を中止するか別の新聞に切り替えるべきです。
これこそが、もっともストレートに脱原発運動に直接的につながることだと思います。そして、誰でも簡単にできるし、しかもその効果はマスメディアの経営者の首を鷲づかみにするほどでしょう。そして、効き目は長続きするのです。
国民が不利益を被るような方向に誘導する新聞は有害なのですから、国民の手で倒産させるのです。
「新聞は社会の公器」と言うのであれば、その在るべき姿に戻してあげるのも国民の手で、ということになるからです。
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(毎日放送:8月8日放送分)
この動画には、いくつかのヒントがあります。
重要ポイントは、太字の部分。
【青山繁晴】インサイドSHOCK 原発是非の前に決めること 2012.8.8
司会:
原発の今後について。
野田総理大臣は、国会前でデモをしている原発反対派の人たちの代表と話し合うと言っていたんですが、それをキャンセルしたんだそうですね。
青山:
キャンセルというか延期だそうだ。
ただ、最初から志が低いのは、菅さんが要求したから(野田が原発反対派の代表と話し合うことを)考え直すことになった。
菅さんは、反原発の新党を視野に入れていて、もう一度総理になれると思っている人だから、菅さんや鳩山さんが離党してしまうと、窮地に追い込まれるため、(デモ運動の代表と会うなという)要求に従うというのが本当の理由なので、こんなのはもともと話ならない。
今日は、おととい(8月6日)、東京電力が福島第一原発のときのビデオを公開したときの問題についてて、お話ししたい。
このビデオ、ピーという音を入れたり、部分部分を東京電力が勝手に編集して、「公開」と称したり、あるいは、メディアに150時間分だけは見せるけれども、いわゆる「持ち出すな」に等しい。
こんな馬鹿な話があるのか、と思っている国民の人は多い。
こうしたこと(東電側で勝手に編集したり、それを「公開」と称したり)もおかしいことだが、本当におかしいのは、なぜ、いくつかの事故調査委員会の報告が出てから、こうしたビデオが出てくるのか、ということ。
本来は、事故調査委員会の調べの中で、150時間分限りとか、そうしたことでなく、全部を調べた上で、各調査委員会(国会事故調査委員会、政府事故調査委員会)は報告しなければならないはず。
特に問題があると思うのは、国会の事故調査委員会だ。
国会事故調査委員会は、私たち国民から国勢調査権という、強制的に調べる権限を有しているのに、「部分的に見た」と国会事故調査委員の人が言っている。
それならそれで、その「部分」が、どこを指すのかもさっぱり分らないし、いったん事故調の委員を引き受けた以上は、万難を排して、それを全部見て、その上で報告書を書かなければならないはす。
去年の4月に、福島第一原発に入ったときに、テレビ会議をつなぐモニターの前で、当時の吉田昌郎所長から直接、説明を受けた。
そのときに見たのは、東京電力内部の動きをつなぐテレビモニター会議だけではなくて、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室であったり、そこと常時つながっている、ということ。
したがって、東電の動きだけでなく、この事故のときの全体の対応が、ここに映し出されるものであって、常識的に言えば、ハードディスクがある限りは、そこに録音も録画もされるはずのものであるから、これ以上、貴重な調査資料はない。
ところが、一番大事なものがメディアにおいても置き去りにされている。
なぜ事故調で、これを調べなかったのか。
おととい、実は福島に行った。
そのときが、ちょうどこの東電のビデオが公開されたときで、それを地元福島のテレビ局で観た。
ここで、福島県民に向けたローカルの報道番組をやるというので、それでこの生番組に参加した。
そのテレビ番組の趣旨は、野田政権が提示している「3つの選択肢-原発0%、15%、最大25%」を2030年のプランとして国民、あるいは福島県民も含めて提示するというもの。
福島市内でも、意見聴取会をやっていて、そこで議論が戦わされたことになっている。しかし、この番組の生放送で私が言ったのは、「3つの選択肢の設定自体に真っ向から反対です」と言うことだった。
なぜ反対かというと、福島県民、日本国民にとっても、この3つの選択肢というのは、今、眼の前のもっとも重大な問題から目をそらせるものだからだ。
「騙している」、「騙されている」とまでは言わないが、福島県民と日本国民全体にとって、いちばん眼の前の重大なここというのは、福島第一原発が、実は安定していない、ということです。
野田総理は、福島第一原発の構内に一度も入らないまま、冷温停止停止だと言っているが、これは真っ赤なウソである。
冷却システムは、未だ仮のものであって、その一部には雑草すら食い込むことができる。
そこに同じように震源地で地震が起きて、似たような津波が来たとき、この冷却システムが持つと思っている専門家は、私の知る限り誰もいない。
そのことから国民の目をそらしている上に、実は原子力発電の今後を考えるなら、選択肢を根拠もなく並べる前にやらなければならないことが横たわっています。
それは、この福島の事故で出た未曾有の質と量の放射性廃棄物、それに加えて、これまでの原発が作り出してきた放射性廃棄物の最終処分場をどこに造るか。
これが、もし造れないのであれば、すでに「3つの選択肢」もへったくれもない。
私自身の意見は、廃棄物や廃炉の技術力の維持のため、あるいは核抑止力のために原子力技術は必要だ、という立場だが、しかし、そんなことも吹き飛ばして最終処分場が造れなかったら、もう原子力はすべて動かすことも技術を維持することもできない。
そのことから(国民の)目をそらしているということに気づくべきだし、メディアが「3つの選択肢」が、本物の選択肢であるかのように扱っていること自体が、いちばん国民をミスリードするものだと思う。
その上で、これはいずれにしても今の政局を見ていると、総選挙が近いとも思われるので、総選挙のときに争点にすべきであって、たとえば自民党は総選挙を急げというなら、この「3つの選択肢」ではない本物の争点を示すべきだと思う。
(ここで終り)
管理人:
太字の箇所についての説明
①そのときに見たのは、東京電力内部の動きをつなぐテレビモニター会議だけではなくて、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室であったり、そこと常時つながっている、ということ。
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東電が8月6日に「公開」したビデオはがこれです。(クリックで関連記事へ)
メディアに「公開」されたのは150時間分ですが、youtubeなどで公開されていて、私たちが見ることができるのが1時間半程度のものです。
・福島オフサイトセンター
・福島第二原発の対策室
・福島第一原発の対策室
・東京の東電本店非常災害対策室
・柏崎刈羽の免震重要棟内
公開された動画は、以上の5ヶ所の動きが同時に記録されたものです。
しかし、昨年4月、吉田前所長から「真実を世間に知らせて欲しい」と頼まれて福島第一内に入った青山繁晴氏が、吉田氏のモニター見ながら説明されたのは、このほかに、官邸であったり、経済産業省内部の緊急対策室と常時つながっているモニターだった。
当然、原子力安全・保安院にもつながっていて、このようにリアルタイムで、関係者なら誰でも、時々刻々と変化する様子を見ることができたはずです。
このビデオは、国側と民間側で境界線を引いて、国側の部分は編集時に落としてしまったのです。
東電が国側と示し合わせて、彼らにとって都合が悪い部分をカットしたのです。
倒産寸前で、電力会社からのわずかな広告料を当てにして原発推進(ときに捏造)報道を続ける原子力利益共同体メディア、産経新聞のタイトルは毎度のことながら滑稽です。
「(首相は)説明すると、さんざんギャーギャー言う」…東電公開映像 現場の様子克明に
産経のこの記事は、東電から出てきた会議の模様を録画したビデオについてなのに、菅直人元首相の現場への介入が事故を破滅的事態に導いた、と書いているのです。
菅直人を持ち上げる気はさらさらありませんが、国民を誤った方向に誘導するのは犯罪的的と言っていいでしょう。
産経新聞が事実をゆがめ、国民に不純物だらけの情報を垂れ流すのはなぜか?
いよいよ産経新聞倒産秒読なのか。
菅直人のことなどより、
・なぜ、今頃になってこんなビデオが出てきたのか、
・なぜ、国会事故調は甘いのか、
・なぜ、あからさまな東電の証拠隠滅工作を罪に問わないのか、
そして、何より、そのことを報道しない新聞の腐敗と癒着にメスを入れなければならないはずなのです。
産経新聞は、朝刊で、たったの160万部。最盛期の週刊ポストよりやや多い程度と、今では大新聞の中では「ミニコミ」までスケールダウン。この傾向は止まらないでしょう。
世の中の人々、そして新聞社の連中は、新聞の影響力を過大評価しすぎ。
今や、個人の有力ジャーナリストのほうが、アクセス数においても情報のリーチ度においても、産経新聞などよりその影響力は大きいでしょう。
ここまで部数が落ち込むと、自力経営は不可能。
フジサンケイ・メディア・コングロマリットに、がっちり組み込んで、メディア・ミックスの1コミュニケーション・ツールとしての生き残りを模作するしかないでしょう。
産経新聞でも、フジサンケイの、例の気味の悪い目玉マークを1986年から採用しています。
つまり、日枝久(フジ・メディア・ホールディングス代表取締役会長)のメディアになったわけです。
日枝久とは、政治屋としての才覚で“手腕”を発揮、のし上がってきた人間ですから、彼のことをマスコミ人と思っている人は少ないでしょう。
野田佳彦をディナーに誘って、「次期総理もあなたに決まりだ、再選は確実」と、まるで世間に知らしめるかのように、私物化した自分の新聞でわざわざ流すような男です。
要するに、「野田は、ワシが動かしている」と言いたいのです。ここまでくると、日枝久という人間は、病的な自己顕示欲の持ち主に違いありません。
一刻も早く、この有害新聞の購読を止めるようお勧めします。
ゆがめられた記事ばかり読まされていると本当に精神を害します。
②「3つの選択肢の設定自体に真っ向から反対です」。今、眼の前のもっとも重大な問題から目をそらせるものだ。
福島第一原発が、実は安定していない。
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金子勝慶応大学教授が、7月14日のNHKスペシャルで、数人の識者とこの問題を討論したとき、
「2010年の26%から、どうやって減らすかっていう議論をしているんですけれど、私たちは現在、2012年のこの瞬間に、2基の原発を安全性を無視して、ルールを無視して動かしただけで、じゃ、どれだけ動かせるんだろうか、という議論を真面目にやっただろうか。
老朽原発もたくさんあるし、さらに言えば、事故を起こした福島原発と同じマークⅠ型の原発もある。活断層の上にある原発もある。三連動地震もある。
というふうに考えたときに、勝手に全部、老朽原発を動かすことを前提にして数字を作ってみても、ほとんど意味がない」
と言っていましたが、まさにそのとおり。
動画の13:40~ 金子教授の発言。
隣の精神科医・香山リカも、珍しく正論を説いています。
日本総研の寺島実郎は、相変わらず原発推進に必死のようです。彼の知識の浅薄さが露呈されてしまって、見ていて痛々しい。
国民のストレスは、政府のように気の狂った連中が何をやらかすか分かったものではないので、常に監視していないと気が気でないということです。
この「2030年 3つの選択」を国民的議論に(民主党は、この言葉が好きだ)、と座長を務めている古川元久は、真面目そうだが結局何も理解していないのです。時期選挙で落選ターゲット入り確定です。
③野田総理は、福島第一原発の構内に一度も入らないまま、冷温停止停止だと言っているが、これは真っ赤なウソである。
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それより以前に問題がありそうです。
野田という男は、カラオケで歌うように嘘がつける男ですから、どうも隠された精神的な、あるいは情緒的な障害があると考えたほうがいいでしょう。
でなけれは、彼の挙動不審は説明がつかない。
④冷却システムは、未だ仮のものであって、その一部には雑草すら食い込むことができる。
そこに同じように震源地で地震が起きて、似たような津波が来たとき、この冷却システムが持つと思っている専門家は、私の知る限り誰もいない。
画像は、海側に設置された通称「世間堤」。
吉田前所長が東電本店に呼ばれて幹部が顔をそろえた会議に出席したときに、「一刻も早く、沖に高い防潮堤を建設しなければ次の地震が起これば、今度こそ本当に壊滅してしまう」と訴えたところ、「予算がないから防潮堤は建設しない」という答えが東電経営幹部から返ってきました。
「この分からず屋」とテーブルをこぶしで叩いて激怒した吉田氏でしたが、幹部は、どこ吹く風。
これがマスコミで大々的に報じられたことから、東電本店は、土嚢でお茶を濁したのです。
だから、「世間堤」と言われているのです。
こんなものは、津波で一瞬で流されるでしょう。これこそ金の無駄遣い。
でも東電幹部(東京の本店の連中)というのは、これで世間体を取り繕えていると思うのですから、彼らの見識は恐ろしいものです。
原子炉を冷却したときに出た高濃度汚染水は、まだ原発敷地内にこのように保管されたまま。それも野ざらし状態で。
循環冷却システムといったところで、ホースや配管は仮設の一時しのぎのもの。
外に露出したホースに固い雑草が穴を開けてしまうという有様。
次の大きな地震が来れば、これらは簡単に破壊されるでしょう。
つまり、原子炉と使用済み燃料プールの循環冷却システムがダウンしなくても、汚染水のホースや配管が次々と外れて、敷地内を広い範囲で汚染するでしょう。
そうすれば、ほとんど作業ができなくなります。
⑤核抑止力のために原子力技術は必要だ、という立場。
自民党が、核抑止力のために日本の原発でプルトニウムを作り続けてきたことは事実です。
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しかし、肝心のアメリカは、日本には原子力発電は許すが核弾頭を持つことは絶対に許さないと決めているのです。
日本が核武装するときは、日米安保条約を破棄するときです。
そのときこそ、アメリカは中国を使嗾するでしょう。
自民党と一部の民主党議員は、それを知っているのに、なぜ「核抑止力のために原子力を続けなければならない」と思っているのか謎です。
答えは、戦後史の正体(孫崎 享著)に書かれてあります。
⑥そのことから(国民の)目をそらしているということに気づくべきだし、メディアが「3つの選択肢」が、本物の選択肢であるかのように扱っていることは国民のミスリードを誘う。
この福島の事故で出た未曾有の質と量の放射性廃棄物、それに加えて、これまでの原発が作り出してきた放射性廃棄物の最終処分場をどこに造るか。
これが、もし造れないのであれば、すでに「3つの選択肢」もへったくれもない。
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国民の目を福島第一原発の現状からそらすために、「3つの選択」を政府が出してきた、というより、そもそも、こんなナンセンスなことを、なぜ国民的議論などと言うのか、その理由を政府と野田佳彦に説明させるよう圧力をかけるべきです。
その一点だけでもいいので、ここを突いていけば彼らはうつむいてしまうでしょう。
⑦自民党は総選挙を急げというなら、この「3つの選択肢」ではない本物の争点を示すべき。
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「本物の争点を出すべき」と言うなら、「50年の長きにわたる東電と自民党の蜜月」について、自民党の若手議員自らが明らかにして、国民の前に示すことです。
それによって、元科学技術庁長官だった谷垣禎一や、原発事故の元凶は自民党と東電との「ただならぬ関係」にあるのに、「反省しても仕方がない」と言い放った細田博之(元経済産業省)などの老害議員を、若手の自民党議員が放り出すことをしなければ、国民は自民党など信用しないでしょう。
谷垣が、そろそろ3党合意になかった「野田政権への不信任案」を言い出したのは、消費税増税法案が決まったとたん、こんどは野田側から、自民党と原子力ムラの闇を暴かれないように、すぐに衆院解散に持ち込んで、口封じしたいからです。
ただし、野田は、「何があっても東電は守る」と、去年の4月頃には東電幹部に約束してしまったのですから、野田というより、野田の背後に付こうと思っている人々でしょう。
鳩山由紀夫は、遠巻きに野田にブラフをかけているのですが、それは彼ではありません。
今後は、脱原発政党の立ち上げを考えている菅直人の動向に注目です。彼の人望次第です。
脱原発をマニフェストに掲げれば圧勝でしょう。
今度こそ自民党の悪事が暴かれて壊滅させられるかも知れません。
原発ゼロに向けて、原発利益共同体のどこを突くか
●原発を再稼動させるためには、核廃棄物を、少なくとも安全に数千年の間、保管する場所の確保が必要です。
それが再稼動に賛成した自治体の責任としてのしかかってこなければならないのです。
野田佳彦に、まずは核廃棄物の処理場についてどんな対策を行っているのか説明せよ、と強く迫るべきです。
マスコミが正常に機能していれば、本来はジャーナリストたちが世論喚起に動いてしかるべきなのです。
しかし、日本の大マスコミは、ほんの一部を除いて、逆に有害にさえなっているのです。
ときには捏造まがいのことまで行って原発推進記事を掲載し続ける産経新聞など、国民の不買運動によって倒産させることなど十分可能でしょう。
部数はたかだか160万部と、大新聞としては、すでにミニコミですから。
この運動を盛り上げるべきだと思います。
●もうひとつは、医師の放射性に対する無知と不勉強を責めるべきです。
ドイツが脱原発に成功した大きな要因の一つは、医師たちが放射線被曝の危険性を独自に勉強し始めたからなのです。
そして、それが市民レベルで広がっていったからです。
それに引き換え、「ガンになる原因は、放射能を心配をしすぎることが原因だ」と論文に書いている医師が何人もいる日本の異常さを、海外の人々は薄気味悪がっているのです。
医師たちの、医師による、医師のための、ここにも原子力ムラならぬ、医療ムラがあるのです。
きちんと診療できない医師は、そのときの状況をネット上で公表すべきです。
ただし、医師の病院名と名前は勘弁してあげよう。
●放射能の内部被曝を警告する医師たちを、もっとマスメディアは取り上げなければならないのですが、NHKでさえ、あたかもタブー視しているかのようです。
であれば、そうしたメディアは不要です。
だから、そうしたテレビ番組には抗議のメールを送るべきです。(これは効果があります)
新聞は定期購読を中止するか別の新聞に切り替えるべきです。
これこそが、もっともストレートに脱原発運動に直接的につながることだと思います。そして、誰でも簡単にできるし、しかもその効果はマスメディアの経営者の首を鷲づかみにするほどでしょう。そして、効き目は長続きするのです。
国民が不利益を被るような方向に誘導する新聞は有害なのですから、国民の手で倒産させるのです。
「新聞は社会の公器」と言うのであれば、その在るべき姿に戻してあげるのも国民の手で、ということになるからです。
どこがいいかな…。
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