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有機野菜の再生産可能価格を聞いてみた。んでどれくらいなら買いますか?

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Byほんたべ

gazou 047
実際には野菜の価格は産地の場所、たとえば一年中栽培できる地域と、
半年しかできない地域ではちょびっと違うし、畑を使う長さ(栽培期間)によっても違うしで
一律これだけ、って数字ではないのですが、現状一般の野菜は「相場」で動いています。
いやはや。大変なことですよね。


【質問】オーガニックの野菜の価格がどれぐらいなら買いますか?
次のなかから選んでください。


1.一般の野菜の1.2倍  2.1.5倍  3.2倍

こういう質問、よくあるでしょう。ほとんどの人が1か2と答えるに違いない。
とくに根拠なく「有機だもん、それぐらいが妥当よね」って感じだ。
しかし実際にスーパーで1.5倍で売っていたらどうだろう

フツーの小松菜が100円のとき150円の有機小松菜なら買うかもしれないけど、
相場が高くて小松菜が200円のときは1.5倍は300円だ。その場合はどうかな?
小松菜に300円? んーってな感じで200円の小松菜を選ぶのではなかろうか。

つまり、「有機野菜の価格」には許容できる幅がある、ということだ。

農水省のアンケートでよく聞かれる「どれぐらいなら買いますか?」は
1.2倍とかのあいまい表現ではなく金額にすべきではないかと思うわたくし。

なにしろフツーの野菜の価格は固定ではなく相場で動いているのだ。
高いときもあれば安いときもある。
ベースがふらふらしていたら参考にならないではないか。

ということで、金額的にどれぐらいならOKとこのブログの読者の方が思っているか
お聞きしたいと思いまして、有機農家に再生産可能な価格を聞いてみました。
再生産可能価格とは、その金額なら農業を続けていける持続可能な価格とも言えます。
それが以下の通りです。

有機小松菜・ほうれん草・水菜・チンゲンサイ・リーフ系レタス=180円 
人参500g・じゃがいも500g・大根1本・かぶ3~5玉=180円 
トマト300g・なす3本・きゅうり3本・ピーマン200g=180円
キャベツ・玉レタス・ブロッコリー・カリフラワー=200円 
※葉物は1P、その他規格が記載されていないものは一個

「有機なのに安いじゃん」って気がするのは卸値だからだ。
小売の際にはここに粗利が乗るため、もっと高くなる。

ちなみにスーパーの場合。
目玉商品になる野菜の粗利は15から20%くらいではないかと思うので、
スーパーと相対(間に卸が入らない場合)で取引をした場合はこんな感じかな。

上記の価格 180円→225円 200円→250円
具体的なイメージは、180円は菜っ葉、200円はキャベツでどうぞ。

gazou 038
わりとまき直しがきく大根とか小松菜とかのアブラナ科や葉物は
単価が安く、栽培期間が一年とか一年半とかのネギは高いとか、
作物によっていろいろなので、再生産可能価格も変わります、。



直売所の場合。粗利は15%。というか直売所が売上の15%を受け取るしくみだが、
直売所はジジババの小遣い稼ぎ的なところが多いため、基本的に値引き合戦となり
価格設定がチョー安め。なのでとくに比較しなくていいか。

有機野菜を売る自然食品店・八百屋の場合、農家と直接取引をしている場合は
スーパーと同じぐらいの価格になるが、間に卸業者が入っている場合は
そこで15%~20%程度よぶんに取られるため、おおむね30%程度粗利が乗っかる。

つーことで、180→257円、200円→285円。
実際にはも少し高くなるかも。でもま、ざっくりだからこれでいいか。

粗利が乗ると価格がどんどん高くなることがおわかりでしょうか。
一般の野菜の場合は卸業者が間に複数入ったりするため、
売値の50%強くらいが農家手取りとも言える。

大根1本100円で売ってたら農家手取りは50円くらいってことでしょう。
安くてビックリではありませんか?

農家から直接野菜を送ってもらう産地直送であれば粗利は乗らず
上記希望価格のままのため購入しやすい。農家も再生産可能価格で売れてうれしい。
しかし送料が800円ほどかかる。

送料分プラスして割り算するとお得感はなくなるが、
直送・農家限定・鮮度が抜群、そのへんで売ってないレアな商品が入るなどの
プライスレスなおまけがついてくる(いや、プライスレスじゃないか。。。。)

小売店によって粗利が違うし中間業者が増えればどんどん価格は高くなるため、
農家手取りは同じでも最終価格が180円→350円、200円→380円とかになることもある。
つまり、野菜の価格が高いからと言って農家手取りが増えているわけではない
場合がある、というところがミソ。そこを忘れてはいけないのだった。

小売業者も金の亡者ではないし、決して暴利を貪っているわけではなく
必要分しかのせていない(たぶん)ってことも忘れてはいけない。

スーパーの野菜の粗利が低いのは、加工品の粗利が高く設定されているから
というような「全体の利益」で計算されているという事情があるため
スーパーの粗利が低くてエライ! わけではないことも忘れてはいけない。

gazou 011
有機レタスの自分的適正価格は300円から320円くらいの間かしら。
有機でなかなか売ってないものには多めに支払うってところもあるかもね。
その場合は農水省の1.2倍とかのほうがよくて金額ではダメかも。



というような野菜販売の事情のなか、有機農家が再生産可能価格で卸しても
小売の粗利で最終価格が変わってしまうので、有機野菜がどれぐらいの価格で?
という質問はわりとむずかしいのだ。だからあの1.2倍という数字は実は
受け止める人によってベースとなる数字がぜんぜん違うと言ってもいいだろう。

しかし、有機野菜が安く感じることもある。

だいたいにおいて生協や宅配会社の場合、農家とは契約栽培であり
固定価格で取引されていることが多いため、相場が高くなると安く感じる。
世間に野菜がないときは有機野菜はさらになかったりするのだが、
ふだんたいして売れない野菜が飛ぶように売れ始めだいたい欠品になる。

ということは、野菜に出せる金額はここまで、という上限があるのかも。
それはいくらぐらい? という質問をしたほうがいいのかもしれない。

ということで、参考までにみなさまにお聞きしたいのです。
コメントとかで教えてください。

有機キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・レタス一個をわたしは
300円~350円までなら買う
250円~300円まで
250円以下

有機小松菜・ほうれん草・水菜・チンゲンサイ・リーフ系レタス、
人参500g・じゃがいも500g・大根・かぶ3~5玉
トマト300g・なす3本・きゅうり3本・ピーマン200gをわたしは

300円~350円までなら買う
250円~300円まで
250円以下

つーことで、よろしくお願いいたします。


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Comments 12

Tomy Yang  

有機野菜の上限金額

・有機キャベツ・レタス
 250円~300円まで、
 (場合によっては350円まで。家計に余裕があるときとか)
 
  
・ブロッコリー・カリフラワー
 250円以下
 
 
・有機小松菜・ほうれん草・水菜・チンゲンサイ
 250円以下
 
 
・リーフ系レタス
 ほとんど食べないので、たぶん買わない 
 
 
・人参500g・じゃがいも500g
 300円~350円まで
 
 
・大根
 250円~300円まで
 (葉つきで葉が立派なら、350円でもOK)
 
 
・かぶ3~5玉
 250円以下 
 
 
・トマト300g
 300円~350円まで
 (有機のトマトが300gで350円なら安い部類かも…)
 
 
・なす3本・きゅうり3本
 300円~350円までなら買う
 
 
・ピーマン200g
 250円~300円まで
 
 
と言う感じでしょうか。
1人暮らしで月の食費はだいたい4~5万円くらいです。
よく食べる野菜はいい物を買いたいと思います。

2017/10/25 (Wed) 11:42 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 有機野菜の上限金額

Tomy Yangさん、コメントありがとうございます!!
すごくうれしいです!!

数字はすべて価格を聞いた農家に伝えました。
今後とも宜しくお願い致します。

2017/10/25 (Wed) 12:20 | EDIT | REPLY |   

さっしー  

No title

大きさとかにもよるのですが、ざっくり言いますと・・・

有機キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・レタス一個をわたしは
300円~350円までなら買う

有機小松菜・ほうれん草・水菜・チンゲンサイ・リーフ系レタス、
250円~300円まで

人参500g・じゃがいも500g・大根・かぶ3~5玉
250円~300円まで

トマト300g・なす3本・きゅうり3本・ピーマン200gをわたしは
250円~300円まで

てな感じです〜

2017/10/25 (Wed) 20:29 | EDIT | REPLY |   

H2  

金額とて絶対的なものではないかなと

自分は有機栽培農産物を買うことはありますが(やっぱり1.2倍くらいまでの感覚です)、特別そこにこだわってはいないので、ちょっと別の視点から。

慣行栽培のものでも天候不順などにより1年のうちで何倍もの価格差がありますが、現実には買うか買わないかではなく、
・価格を気にせずに欲しいだけ買う価格
・少し高いので買う頻度や量を減らす価格(他のもので補う)
・かなり高いので買わなくなる価格(他のもので代替する)
という違いがあると思います。しかも時季によってその判断をする価格は違ってて。
どうしてもそれを食べないと死んでしまうということはないので、まぁ旬でリーズナブルなものを買うようにしています。基本的に国産で、できるだけ近くで生産されるものを。

また昨今は、割高だけど使い切り量のものもよく売れてますよね。自分も少量でいいものは割高でもそっちを選びますし、逆に夏場のきゅうりなんかは未選別でいいから箱買いで割安に買いたい、と思っちゃいます。大葉の例では、以前は綺麗に揃えたものしか売ってなかったのでそれを買っていましたが、ある頃から袋にふんわり詰め込んだ割安なものが売られるようになったのでそっちを買っています。逆に生姜は大袋で割安に売られていても使い切れないので、割高な少量パックを買っています。

あとブロッコリーとカリフラワー。もちろん味も食感も別物ですが、似たもの野菜として。ブロッコリーの方が安いわけですけど、たまーにカリフラワーが食べたくなって、1.8倍くらいならたまに買います。頻繁には買いません。

とまぁ金額とて絶対的なものではないなと思う次第です。

2017/10/26 (Thu) 09:22 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: No title

さっしーさん、コメントありがとうございます!

> 大きさとかにもよるのですが、ざっくり言いますと・・・
>
> 有機キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・レタス一個をわたしは
> 300円~350円までなら買う
>
> 有機小松菜・ほうれん草・水菜・チンゲンサイ・リーフ系レタス、
> 250円~300円まで
>
> 人参500g・じゃがいも500g・大根・かぶ3~5玉
> 250円~300円まで
>
> トマト300g・なす3本・きゅうり3本・ピーマン200gをわたしは
> 250円~300円まで
>
> てな感じです〜



ありがとうございましたー。
農家に伝えておきます!!

2017/10/27 (Fri) 10:36 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 金額とて絶対的なものではないかなと

H2さん、いろいろと詳細にわたってコメントありがとうございます。
いろんな考え方があることがわかると、参考になりますよね。
農家さんに伝えますねー。

2017/10/27 (Fri) 10:57 | EDIT | REPLY |   

エンゲル係数80でOK  

No title

自分では通販以外妻任せですが、どれも一度は買ってたべてみます。食べてみておいしいものは、次も買っています。有機、無農薬でも美味しくないものは次はないです。実は心の中で無肥料自然栽培は、安くて当たり前と思っています。牛乳も草だけなら経費かからないし安くていいよね、しかも栄養ないし、又普通の牛乳も現場見たら飲みたくなくなるし、やっぱ安くていいよねと心の奥底にあります。
売っている野菜の成分表(残留農薬も)がついているといいのにと思っています。
答えになっていなくてすみません。成分がわかって美味しければもう少し高くても買います。

2017/10/27 (Fri) 21:08 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: No title

コメントありがとうございます。

Facebookでもいろいろとコメントをいただいているのですが、やはり価値をどこに見出すのか、
ってことが軸にないと、ただ価格を聞かれても、ってことがあるようです。

っつか、そうですよね。

その価値をどこにおいているか、ということを聞いたほうが良かったかなといまさら考えてます。

> 実は心の中で無肥料自然栽培は、安くて当たり前と思っています。


おお、言いにくいことをズバリと!
実際には収量が少ないので、一反あたりの収入をできた作物で割ると高くなる&
草取りなどの手間&その他もろもろの手間が乗ってるのではと思います。

牛乳の栄養価についてはデータを知らないのでなんとも言えませんが、
やっぱり収量の問題でしょう。取れる量が少ないので割高になります。

グラスフェッドの肉も、くさだけ食ってんだから安いでしょ、と言われるそうですが、
装置管理やらなんやらで結局手間がかかって同じ、とおっしゃってました。


> 答えになっていなくてすみません。成分がわかって美味しければもう少し高くても買います。

残留農薬や成分分析はむずかしいでしょうね。
ともあれ、ご意見をありがとうございました。
農家に伝えます!

2017/10/28 (Sat) 09:26 | EDIT | REPLY |   

H2  

生産者の値段の決め方

ふと思ったんですが、逆に(自分で価格を決める)生産者の値段の決め方はどんな方法が多いんでしょうか。再生産可能価格とはいっても、単一品目だけの生産でない限りは個別に原価を算出するのは難しい。また、作業や段取りの上手い下手や資機材や環境の違いで生産効率も違うし、実際には市場の相場を全く無視というわけにもいかないでしょうし。

自分が読んでいるあるブログの生産者(有機栽培、無農薬、無化学肥料、個人宅配とスーパーの直売コーナー・直売所などで販売)の方は、各品目・品種についてあらかじめ100gあたりの基準価格を決めておいて、できたものの大きさやスーパーでの慣行栽培品も含めた相場を勘案して、あまり大きく外れない価格を付けておられるようです。

難しいなと思うのは、機械化が進んでいて大規模に生産される品目とはコストが違いすぎることと、野菜ボックスの場合は定番品目はその環境で作りにくくてもある程度揃えないといけないことですかね。

2017/10/29 (Sun) 14:16 | EDIT | REPLY |   

畑のもぐら  

有機野菜の値段

購入する有機野菜の値段は1.5倍くらいかな。完全無農薬だったら2倍まで出します。無肥料、自然栽培は無農薬のことが多いので、防除や緑肥などの手間を考えると3倍でもいいかな。ただしどれも美味しくなければ二度と買いません。最近の有機無農薬栽培の農家は勉強家が多いので、肥料や品種の吟味、収穫後の取り扱い方法の改善などがされていて美味しいことが多いです。
普通の市販の野菜だけだとなかなか美味しい野菜の味を知る事ができないような気がします。例えば、カリフラワーは真冬のとりたてがとても美味しいです。カリフラワー嫌いと言う人でも1球完食でした。美味しい野菜の味を知るチャンスを増やすとみなさん意見が変わるのではないでしょうか。肉や魚、米に比べると野菜の味はわかりにくいですね。
市民農園の週末作業で野菜を作って15年くらいになりますが、現在は9割くらいの野菜を無農薬、有機で自給してます。コスト考えたらキャベツ1こ市販の3倍くらいにつくでしょうね。このブログでモグラ堆肥を知って使うようになったのでもっとコストかかっているかもしれません。自分でやるので職業とはいえ有機無農薬栽培農家や自然栽培農家は尊敬します。

2017/11/02 (Thu) 08:42 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 生産者の値段の決め方

H2さん、こんにちは。

> ふと思ったんですが、逆に(自分で価格を決める)生産者の値段の決め方はどんな方法が多いんでしょうか。


いろいろだと思いますねえ。
これ、といったやり方はないのでは。


> 難しいなと思うのは、機械化が進んでいて大規模に生産される品目とはコストが違いすぎることと、野菜ボックスの場合は定番品目はその環境で作りにくくてもある程度揃えないといけないことですかね。


野菜ボックスの場合は手間がかかるので、店売りの価格とは値付けが違うそうです。
わたしは仕入れサイドからの値付けしか経験ないので、よくわからないです、

2017/11/06 (Mon) 10:32 | EDIT | REPLY |   

ほんたべ  

Re: 有機野菜の値段

畑のもぐらさん、コメントありがとうございます。

> 購入する有機野菜の値段は1.5倍くらいかな。完全無農薬だったら2倍まで出します。無肥料、自然栽培は無農薬のことが多いので、防除や緑肥などの手間を考えると3倍でもいいかな。ただしどれも美味しくなければ二度と買いません。


やっぱりおいしいことが条件ですよね。
それはわたしも同じです。



> 普通の市販の野菜だけだとなかなか美味しい野菜の味を知る事ができないような気がします。例えば、カリフラワーは真冬のとりたてがとても美味しいです。カリフラワー嫌いと言う人でも1球完食でした。美味しい野菜の味を知るチャンスを増やすとみなさん意見が変わるのではないでしょうか。肉や魚、米に比べると野菜の味はわかりにくいですね。



誰にでも明確にわかるのは人参のみ、ってのは大地を守る会時代の経験です。
それ以外でわたしが経験したのはレタスでびっくりしてる人がいるぐらいでした。
カリフラワーでもわかるんですかねー。


> 市民農園の週末作業で野菜を作って15年くらいになりますが、現在は9割くらいの野菜を無農薬、有機で自給してます。コスト考えたらキャベツ1こ市販の3倍くらいにつくでしょうね。このブログでモグラ堆肥を知って使うようになったのでもっとコストかかっているかもしれません。自分でやるので職業とはいえ有機無農薬栽培農家や自然栽培農家は尊敬します。


おお、いいですね。自給。

キャベツなどの大型野菜は地面がないとできないのでうらやましいです。

わたしの区民農園は15平米ですから、冬季は菜っ葉だけになりますが、
春先の豆を楽しみにしています。

取れるものは自分なら絶対に仕入れないよね、という見た目の悪いものばかりなので、
プロ農家はすごいよなーといつも思います。

2017/11/06 (Mon) 10:37 | EDIT | REPLY |   

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