「食糧」による世界征服「モンサントの不自然な食べもの」
「タネを支配すること=世界の食料を支配すること」。
ひたひたと、誰も気づかないうちに、世界征服の静かな足音が近づいています。
昭和の時代、いくつか悪の組織があったよね。
例えばショッカー。
この人たちは、大変経費がかかっているだろう怪人を次々に送り出し、
仮面ライダーに毎回やっつけられながら、世界征服を目指していた。
鉄人28号の悪の組織PX団は、鉄人との戦いで
都市を破壊していたが、征服後には修理しなくてはならないのだから、
建物を壊さない配慮が必要だったのではと思ったりする。
どの組織も世界征服後のビジョンは一度も紹介されなかった。
ビジョンなき世界征服。
世界には資源が豊富にあり、豊かな未来が待っているという
そんな妄想の上に、世界征服と言う野望は成り立っていた。
21世紀の現在では、そんなに単純でないことがわかる。
山積しているエネルギー問題や、宗教、地球温暖化、
東西および南北問題等々、征服と同時に
解決すべき事項がものすごくたくさんある。
全体主義など、この情報社会では無理な話だ。
ショッカーもPX団も、テロに悩まされることになるだろう。
世界征服なんてリスキーで、今ではできるはずもない。
しかし現在、この世界で着々とそれを実現している組織がある。
世界で一番売れている除草剤「ラウンドアップ」を開発し、
GM作物の種を販売しているモンサント社である。
マリー=モニク・ロバン監督の映画
「モンサントの不自然な食べもの」を見て来た。
ここで描かれているモンサント社は、
都合の悪い研究発表をした科学者をことごとく解雇に追いやり、
データを改ざんし、政府・FDA(アメリカ食品医薬品局)を取り込み
種を支配することで、農民たちの自由を奪い、
「食糧」で世界を支配しようとしている。
「1ドルの儲けも無駄にしてはいけない」という哲学のなか、
安全性や人々の健康、農民の収入などはおかまいなしで、
ただひたすらに利益を追求している。
米国では、遺伝子組み換え食品の表示の必要はない。
表示の意思を示しても握りつぶされる。
米国の消費者は、遺伝子組み換え技術で作られた牛成長ホルモンを
与えられた乳牛の乳を飲み、GM作物を食べねばならない。
農民は、タネに知的所有権を主張され、契約書を書かされ、
実質モンサントで種と農薬を買わねば農業ができなくなっている。
しくみさえ作れば、あとは利益がざくざく入って来る。
そのしくみは完璧だ。
インドでは綿農家の自殺が増え、
メキシコのトウモロコシはGMトウモロコシの花粉で汚染され、
「実質的同等性」という根拠のない安全性のもと、
さまざまな国にGM作物が輸出され、新たなGM野菜が生まれているが
誰も止められない。それは「食べもの」だからだ。
食糧を誰かに依存することは、支配されることだ。
日本ではすでにGMトウモロコシ・ダイズをアメリカに依存しており、
GM作物なくしては、国民の食糧をまかなうことはできない。
実質支配されているのと同じことだが、まだ日本には希望がある。
日本では、遺伝子組み換え作物の商業生産は行われていない。
EUと比較すると足りないが、表示はきちんと行われている。
このふたつの障壁がなくなったら、日本もモンサント社に支配される。
ショッカーの弱っちい怪人よりも恐ろしい、
不自然な食べものに支配されることになるのだ。
「GM食品は安全だ」という科学者その他の意見は、
原子力産業の欺瞞を痛感したわたしたちには、もう通じないはずだ。
おそらく、同じことが起きている。遺伝子組み換え作物についても。
でもね、今できるのは、
遺伝子組み換え作物を日本で作らせないことだけなの。
何しろ今では日本人はGMコーンでできているのだからね。
だけど、最後の砦を守ることは、ものすごく大事なのよね。
だからがんばりましょう、農民、および、消費者のみなさま。
『モンサントの不自然な食べもの』
2012年9月上旬から渋谷アップリンク他で公開予定。
問い合わせ先・アップリンク [email protected]
※観る前に「フードインク」「ありあまるごちそう」「キングコーン」の
3作を見ておくことをお勧めします。よりわかりやすくなります。
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