「左翼」教科書を修正へ=保守政権の意向反映-韓国
(10月30日17時45分配信 時事通信)
この短いニュース記事を見ながら、「日本語ニュースの“レッテル貼り”ってすごいな~」とシミジミ。今の韓国では日帝や米帝をマンセーしなかったら“アカ”だの“サヨ”だのといったレッテル貼られちゃうんだけど、そういった空気みたいなのはぜんぜん伝わってないんだよな~とまたシミジミ。
〔社説〕日本の極右派にさえ劣るこの政権の教育観
政府が結局、検認定近現代史の教科書に対する修正勧告案を発表した。言葉では「勧告」だが、事実上は「指示」だ。採択権を握っている政府、大統領から教育科学技術部長官、与党にいたるまで「必ず変える」と公言していたが、それがどうすれば勧告だと言えるのだろうか。検認定体制の根幹を破壊したという非難が憂慮されるのならば、そのようなことをしなければいいことなのに、実に面の皮が厚いとしか言いようがない。
修正要求の内容は、予想していたものと別段違う点はない。指摘能力の貧困によるものなのか、はたまた自閉的な視覚によるものなのか。日章旗がかかっていた場所に太極旗ではなく星条旗がかけられたことが、なぜ民族史の不幸ではないのか。自力で光復に至っていれば、当然、我々が望む方向で国家建設を行うことができていたのではないか。親日派の清算が行われなかったため、現代史が歪曲されたことも事実ではないのか。事実を事実として認められないのか、些少な観点の違いまで許容しなかった。さらに修正案は、執筆者に「すぐに」を削除しろ、「いわゆる」を入れろなどとコメディのような指示もあった。文章の添削までも政府が管掌しようというのだ。
内容よりもさらに重大な問題は、その手続きだ。勧告と説得を繰り返し強調したことも、政府が直接検認定教科書の修正を強制したという指摘を避けるためのものだった。国内はもちろん、国際的にも不名誉なことだからだ。この政権が発足と同時に、嗜好に合わない内容を自分たちが望む方向に修正しろと要求し、頭ごなしに押さえつけたことは幼い子供でも知っている。結局、政府が修正案をつくって通報した。これで国定体制への回帰を宣言したようなものだ。
国定体制は、朴正煕政権や北朝鮮のような全体主義国家で試行された。国定体制下で学生たちは政府が許容する事実、観点、解釈だけを読み、丸暗記しなければならない。思考力や創意力、問題解決能力はもちろん、各自の能力を開発することもできなくなるのは当然のことだ。そのような理由で、自由世界ではすでに20世紀初頭から、多様な教材をつかって多様な経験や思考をできるように教科書制度を発展させてきた。検認定体制はその結果物の一つだ。最近では検認定でも物足りないのか、自由発行に準ずる方向に発展している。
しかし政府は歴史に続いて経済、社会、倫理の教科書にまで手を伸ばしつつある。それほど全体主義が懐かしいのか。歴史の歪曲に熱心な日本の極右派も、検認定の精神を毀損しようとはしなかったのに。
『ハンギョレ』 2008年10月30日 社説