白い雪原を駆け抜ける犬ゾリ
(ハンギョレ21 2008年01月31日 第696号)
大関嶺(デグァンリョン)で開かれた‘2008全国犬ゾリ大会’
▣平昌(ピョンチャン)=写真・文/リュ・ウジョン記者
△‘カリスマ’所属のチョン・ドンウォンさんが雪原を駆けている。この日は犬たちとのコミュニケーションがうまくいかず、完走できなかった。
犬ゾリ競争は1908年、アラスカで金を掘る鉱夫たちが、どの犬がより多くの荷を運べるかを競うのにお金を賭けたことに由来する。1925年、ノーム市で多くの人々がジフテリアに感染し、犠牲となった。そこで犬ゾリに20パウンドのジフテリアの血清を載せてアンカレッジの‘ネナナ’から‘ノーム’まで運搬することになった。20人の‘マッシャー’(ソリを操る人)が、100匹の犬と共に休む間のなく運びきった。飛行機がその役割を果たさなければならなかったが、極寒の零下40度の世界で飛行機は凍りつき、血清をすぐに輸送することはできなかった。
犬ゾリの活躍で血清の輸送に成功し、多くの人の命を救った。ソリ犬は5日間で1078.4kmを走った。その過程で多くのソリ犬が死んだ。今日の犬ゾリ大会は、そのときに犠牲となった犬たちを悼むために始まった。韓国では、2000年に同好会の行事として犬ゾリ大会が始まった。
△スレッドドッグ・クラブ所属のファン・ソングさんがスタートラインから力強く出発している。
寒さの厳しい天気が続き、全国各地で雪まつりが盛んに行われている。1月20日は‘2008全国犬ゾリ大会’が江原道平昌郡大関嶺面車項2里の特設コースで開かれ、マニアたちを熱狂させた。大韓ソリ犬連合が主催したこの大会は、犬1頭および2頭、3~4頭、5~6頭がそれぞれ400m、1km、3kmの雪原コースを走る方式で行われた。
チョ・ユンサンさんが片足で蹴って「行くぞ!」と叫ぶとソリが出発した。犬ゾリの速度は30~40kmだ。ソリに乗ると体感速度が加わり、しびれるようなスリル感が伝わってくるという
*。4回目の参加だというチェ・イニ(36)さんがこう話した。「スキーよりもスリルがあります。コーナーを曲がるとき・・・乗ったことのない人にはわからないでしょう。大好きな犬たちと競技に出るんですから、爽快ですよ。一緒に息を合わせるのも楽しいですしね。でも大型犬はよく盗まれるんです。私たちにとっては誘拐犯のようなものですね。図体が大きいので、補身湯(犬鍋)屋に売られるそうです」
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△ジェ・ヨンヒさんが出番を待っている犬に雪を舐めさせている。
△会員たちが‘ウェイトプル’(重い荷を引かせるレース)競技の準備をしている。
△大会前夜、到着した犬たちが休息をとっている。
△出場経験が少ない犬たちは走り出してもマッシャーの言うことを聞かず、勝手に行動しがちだ。だがこの日は一日中雪が降り、参加者たちは絶好のコンディションだったと口をそろえた。
△ベックは昨年‘ウェイトプル’競技で優勝した。アラスカン・マラミュート、4才。イ・ビョンウクさんの犬(左から)。
△大会が始まる前に臨時ケージで休息をとる犬。
△体重が45kg以上のシベリアン・ハスキーと飼い主がじゃれ合っている。
△ソリは既製品があるのではなく、各自が手作りしたものを使っている。これはスキー板を利用して制作した。
* 左上写真のハスキーがまだ若かりし頃(1、2才)、自転車を引かせたことがありますが、「単なるママチャリがこんな速度を出してはイカンだろう」と思ってしまうほどのスピードが出ました。危ないからマネしちゃダメよ。いや~、雪国だったら、絶対ソリ引かせていたけどなぁ。
** 今日は久しぶりにお気楽な犬記事で・・・と思っていたが、こんなオチがあったとは。「だから韓国は野蛮だ、
キイキイ」ってな人が出てくるのかしら。でもヨソの国の断片的な情報だけに飛びついて文句を言う前に、日本で虐待されたり大量に“処分”されている犬やネコや色んな動物のことを考えてみるのはどうかな。