【警告!】
前もって言っておきますが、
特定の政党(特に与党2党)を無条件に妄信しているという方は、
ここから下はお読みにならないことをオススメします。
ちゃんと言いましたからね。
後で文句ゆってきても、知りませんからね。
【警告!おわり】
■ なぜ投票が大切か?
え~、今回は“投票したら”、あるいは
“投票しなかったら”どうなるかを考えていきましょう。
まず、国会内には政権を担当している「与党」と、
それ以外の「野党」があります。
2004年7月現在の与党は自民党と公明党です。
それ以外の政党は「野党」になります。
選挙では、現政権を支持する人は「与党」に投票し、
支持しないという人は「野党」に投票してください。
さて、最近の最大勢力である
「投票しない(棄権)」という行為に出た場合、どうなるでしょうか?
それは、「与党」を“追認”したことになります。
つまり、『いまの政権でOK!将来に不安は全くない!
年金も100年安心!倒産・リストラの不安もナシ!
構造改革が進んでいるから経済が回復しているんだ!
中国とかの外需増加による「結果オーライ」景気なんかじゃない!
自衛隊は「人道支援」にイラクに行ってるんだから、頑張れ!
それに反対するようなヤカラは「反日的分子」である!
北朝鮮がコワいから、日米同盟はやっぱり大事!
だって日本国民には「テロとの戦い」の“覚悟”はできてるもん!』
と、言っているのと同じことになっちゃうんですよ。
投票を棄権するってコトは。
別に『現政権マンセー!』という訳でもないのに、
今まで政治に関心もなく、なんとなく棄権していたというアナタ、
これからは悔い改めて投票してください。
「いや、投票しないということは、政治不信の現れであり、
棄権も一つの政治的意思表示として…(云々)…」
と、おっしゃる方がいらっしゃいますか?
馬鹿ですね。そんな事したって与党が有利になるだけですよ。
もう一度、言っておきますよ。
“ぶぁっか”ですね。そんな事したって与党が喜ぶだけですよ。
それでも「棄権は国民の権利」だとおっしゃる方は、
『政治不感症教』というカルト教団に洗脳されています。
一日も早い脱会をオススメしておきます。
さて、なぜ投票しないと与党に有利になるのでしょう?
その理由は、
選挙というのは、それでなくても“与党に有利”であり、
今の与党は“強力な支持基盤”に支えられているからです。
じゃ、次に行ってみましょう。
■ なぜ選挙が与党に有利か?
有権者というのは、まったく知らない人には投票しないものです。
(ま、中には投票所でテキトーに鉛筆転がして選んだ、
なんて人もいるかもしれませんが)
有権者は現職で国会中継に出ていたり、頻繁にニュースなどに
出ているセンセエの名前を書いちゃうものなんです。
だから、新人の候補者よりも現職が有利なんですね。
地方に行けば、議員経歴ウン十年のセンセエとかいますもんね。
それに与党内にいると「大臣職」などのポストにありつけるわけですよ。
だから選挙民は、野党でウロチョロしているセンセエよりも、
「おらが村のお大臣様」になってくれそうなセンセエを
つい選んじゃうんですねぇ。
ほかにも与党が有利な条件はありますよ。
「与党」というのは政権を担っているわけですから、
利益誘導、いわゆる“バラマキ”ができるんです。
税金を下げます、公共料金を安くします、
地元に公共事業をとってきます、商品券をバラマキま…などなど。
でも税金を下げるのに、どうやって公共事業費を増やすんでしょう?
やっぱり国債(借金)ですかね?
おやおや、現在進行形の選挙運動でも、与党は必死で
“バラマキ”公約や演説を連発していますね。
消費税率は上げないし、高速道路は値下げするし、
年金の受給額は下がらないそうです。
「だって46年後(2050年)には出生率が
上がっているんだもん(by公明党の幹部)」ですって。
でもこんな“バラマキ”ができるのも、与党の特権なんです。
仮に、野党の候補者がこんなことを言っても
「ふん、無責任にそんなことをほざきおって」
と鼻でアシラわれるだけです。
そう、政権を担当してこそ、地元に公共事業もひっぱってこれるし、
意味のない地域振興券でもバラマけるのです。
だから、選挙というのは
“大富豪”というカード・ゲームにも似ているんですよ。
「大富豪」、「富豪」になれば次に勝つことも容易ですが、
「平民」はいいカードがこない限り、ちと難しく、
「貧民」、「ド貧民」になると、這い上がるのはかなり困難ですね。
選挙では、与党は「富豪」、野党は「貧民」なんです。
そして今の日本の政治状況は、
大富豪 ……… 公明党
富豪 ………… 自民党
平民 ………… 民主党
貧民 ………… 共産党
ド貧民 ……… 社民党
と、いったところでしょうか。
ま、これは私の個人的な観測ですが。
■ 各政党の支持基盤って?
さて、今現在の国会の議席数からいくと
自民党>民主党>公明党>共産党>社民党
という順位になりますが、私は上の個人的観測で
公明党を「大富豪」にランキングさせました。
自民党のように「政権を維持する」ことが選挙の目標だったり、
民主党のように「政権を獲る」ことが(今のところ)目標だったりすると、
より多くの議席を獲得することが、選挙での“勝利”となります。
しかし、公明党のように
「単独で政権を獲ることは(今のところ)狙わないが、政権に関与する」
ことが目標の場合、キャスティング・ボードを握れるだけの議席が
確保できれば“勝ち”になります。
だから支持基盤が強固な公明党を「大富豪」にしたのです。
公明党の支持母胎は、言わずと知れた“宗教団体”である
「創価学会」です。
さすが公明党の支持者は、宗教に支えられているだけあって
雨が降ろうが、ヤリが降ろうが、必ず投票に行くのです。
しかし公明党以外の政党は、支持基盤がそれほど頑強ではありません。
自民党は、土木・建設・郵政・厚生・農業…その他モロモロの
業界や団体の支持を集めており、それが自民党の“強み”でした。
しかしそれらの団体も以前ほど強力に自民党を支援しなくなってきました。
ま、それらの業界自体が弱ってきたということもあるんですが…。
確かコイズミさんって、「自民党をぶっ壊す」と大言壮語してましたよね。
でも、その通りになると、これらの業界が大打撃を受けちゃうんですねぇ。
だから「抵抗勢力」なるものが存在し、
いつまでたっても「自民党がぶっ壊れ」ないんですけども。
支持基盤の話をすると、一番カワイソウなのは
“ド貧民”社民党なんですよ。
この政党は、昔は「社会党」と名乗っていて、
支持基盤には「総評」という強力な労働団体がついていました。
しかし、70年代あたりから脱工業化(工業を中心とした第二次産業から
サービス業を中心とした第三次産業が主流になること)がはじまったり、
80年代あたりからは産業の空洞化(国内の製造業が生産拠点を
海外に移すこと)がすすんだりして、
労組をつくる“労働者”自体が少なくなってきました。
さらに、労働組合に所属しない労働者の割合もどんどん増えてきました。
そんななか、それまでバラバラだった労働団体も
「こりゃー、団結せんとヤバイ?」と感じたのか、
89年に「総評」も含む労組が集まって「連合」が結成されました。
んで、社会党のほうも90年代は政界再編製なるもので
いろんな政党とくっついたり、離れたりしていたのですが、
気がつけば多くの議員が離れて行くわ、
労組「連合」も離れて行っちゃうわ、という状態になっちゃいました。
そして残ったのは、“親北朝鮮”という過去の負のイメージのみ。
それまで労組にオンブにダッコで、
市民政党として成長できなかったツケがここに出たのです。
では、「連合」の支持はどこに行ったか?
それは今の「民主党」です。
でも、昔の「社会党=総評」ほど強いつながりはないようですね。
一応、今回の選挙で連合は民主党の支持を表明していますが。
この民主党というのは、元々、自民党、社会党、民社党などにいた
議員が90年代にいろんな政党を作っては壊し、行っては戻り、した結果、
ようやくたどり着いた(?)政党です。
だから特定の利益集団を代表しているわけではないんですね。
んなモンだから、寄せ集めだの何だの言われちゃいますけど、
自民党だって元々はそうなんですよ。
選挙で横綱相撲をしていたころの自民党は
改憲派もいれば護憲派もいる、
官僚派もいれば党人派もいる、
親米派もいれば親中派もいる、
という多様性をもつ寛容な政党だったんですよ。
それがなくなってきているから、今の自民がジリ貧なんじゃないですかね。
だから、民主党が政権を獲るかどうかは、
ただの“烏合の衆”で終わるか、
これから寛容な政党に育つかにかかっているんじゃないでしょうか。
最後に、日本共産党ですが、え~っと、ん~っと、
“日本政界のシーラカンス”として
絶滅しないように頑張ってほしいものです。
■ 投票率が低いとどうなるか?
日本の有権者が1億人いたとします。
そして与党の固定票(雨が降っても、ヤリが降っても投票する層)が
2000万票とします。
(*前回の参院選・比例区での自民・公明の得票数が約3000万
だったので、その3分の2が固定票と勝手にシュミレーションしました)
もし、有権者のうち5000万人しか投票しなかった場合、
投票率は50%になります。
そして、そのうち与党の固定票が占める割合は40%になります。
しかし、8000万人が投票した場合(投票率80%)、
与党の固定票は25%まで下がります。
投票率が50%の場合、与党は
浮動票(支持政党が特にない人の票)を500万票ほど取れば
得票率50%になります。
500万票ならタレント候補などで簡単に稼げそうですね。
しかし、投票率が80%の場合、あと2000万票も浮動層から
取らなければなりません。
これは、現政権のアラが目立ってきた自民や、
宗教団体ということで支持者以外からはキラわれている公明には
かなりキビシい数字です。
これなんですよ。
岩手の選管が作ったポスターに与党がイチャモンつけた原因は。
かつて失言大王・森前首相は
「(無党派層は)寝ていてくれればいい」
とおっしゃいました。
有権者のみなさん、
不満があるのに、ダマって寝ててもいいんですか?
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