日本のみなさまこんにちは。お盆休みはいかがお過ごしでしょうか。拙ブログにいつもは職場や学校からアクセスされる方が多いのですが、ここのところ、自宅やネットカフェからご覧いただいている方が多いようです。あぁ、ウラヤマシイ。
韓国にもお盆はありますが、陰暦でやっているのでいまは平日モードで働いております。陰暦なんて、(太陽暦では)毎年日にちが異なるのでメンドくさいと思うのですが、なぜかこの国は(って中国もでしたっけ?)いまだに陰暦を太陽暦と併用しています。
え~っと、そんなんでいまフテクされているので、以前に翻訳しておいた(ストックはたくさんあるのよん)立教大学の李鍾元(イ・ジョンウォン)教授の文章を掲載いたします。こちらは北朝鮮のミサイル発射(7月5日)前の6月20日にハンギョレ新聞に掲載されたものです。
政治の季節を迎えた日本の政局と“北風”/李鍾元
先週末で日本の国会の前半会期が終わった。9月の与党自民党総裁の席を狙う本格的な選挙戦の始まりでもある。まだ正式に出馬宣言はされたいないが、次期総理総裁候補として注目されている政治家たちの行動がよりいっそう活発になっている。
小泉純一郎総理は定期国会の会期延長をしなかった。憲法改正のための国民投票法、テロ防止を目的とした共謀罪、“愛国心”を強調した教育基本法改正など自民党が推進した多くの懸案が残っているにも関わらず、会期延長要求を受け付けなかった。その理由をめぐって推測が激しく飛び交っている。後継者とみなされている安倍晋三官房長官に十分な選挙運動期間を与えるためだという解釈が支配的だ。しかし、一方では“小泉劇場”の“最後のサプライズ”として劇的な北朝鮮再訪問の準備に専念するための決定だという説も少なくない。5年という長期政権にも関わらず、郵政改革以外には具体的な業績が少ない小泉総理としては歴史に名前を残せるような道はやはり日朝関係の改善しかないという分析だ。時間的に切迫しており、状況的にも難しいことは事実だが、最後のサプライズをめぐる情報がその真偽を問わず絶えることがない。
昨日『朝日新聞』は福田康夫元官房長官に総裁選挙出馬を促す社説を載せた。「福田さん、決断のときです」がそのタイトルだ。靖国神社参拝問題で日本のアジア外交が漂流を続けている状況で、「日本の針路」をめぐる真摯な論議のために出馬が必要だという論旨であるが、事実上の福田支持宣言だと言っても過言ではない。選挙と関連し、候補についての具体的態度の表明をはばかる日本のメディアとしては異例のことだ。それほど“安倍政権”の行き先に対する不安感が大きいという証拠でもある。
最近の各種世論調査で安倍と福田両者の支持率の差は狭まっている。選挙が近づき、イメージよりも具体的な政策内容と“実力”に関心が集まっていることもその背景にある。安倍という人物に対する評価だけでなく、彼をとりまく若い世代の政治家たちの志向性と成熟度に対する不安感も少なくない。先日、有力経済週刊誌である『日経ビジネス』が読者を対象に行った調査では福田支持が安倍支持とほぼ同じ水準だった。企業家に対するほかの調査では福田優位と出た。しかし、自民党支持者だけを対象にしたときは安倍優位は変わらなかった。
総裁選挙に決定的な影響を与えうる二つの変数が残っている。その一つは小泉総理の“8月15日靖国参拝”だ。小泉総理の最後のサプライズとして、任期満了を前に自らの選挙公約を強行した場合、逆説的に事実上の後継者として注目されている“安倍総理”の実現は打撃を受けることになる。政治的計算よりも自身の “美学”を重視する小泉スタイルからすると十分にありうることだ。
もう一つは北朝鮮だ。今回は“探索的なデモンストレーション”にとどまると言ってもアメリカの中間選挙、日本の総裁選挙を目前にし、日米に対する期待を放棄した北朝鮮が“我慢戦略”の信号弾として“ミサイル発射実験”を強行した場合、“穏健派”福田政権の可能性は遠のいてしまう。日本の政局にもいくつかの形態の“北風”が変数として現れる兆候が見える。単純に次期政権を誰が担当するのかという問題ではなく、“日本の針路”を左右しかねない分岐点に差し掛かっている。
李鍾元立教大学教授・国際政治
小泉が8月15日に靖国参拝をして「“安倍総理”の実現に打撃」を与える前に、北朝鮮がミサイルを発射して「福田政権の可能性が遠のいて」しまいましたね。あぁ、残念。(…って、けっして福田政権を待望していたわけではありませんけどね)