エアシャカール(ウマ娘)とは (エアシャカールとは) [単語記事]

「はッ！そンなのナンセンスだし、まったくロジカルじゃねェ！」

エアシャカール(ウマ娘)とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘プリティーダービー』の登場キャラクター。

概要

誕生日：2月26日　身長：168 cm　体重：計測不可能　スリーサイズ：B77・W56・H85

アナーキーなデータ至上主義者。頭も性格もキレキレで、アバウトな勝利ではなく、ロジックによる絶対的な勝利を追い求める。何度計算しても、三冠獲得には7cm足りないと出ており、自分の計算に対する自信と絶望を抱きながら一縷の可能性を探し続ける。

_{エアシャカール｜ウマ娘プリティーダービー公式ポータルサイトより}

気難しく発言が突飛なエキセントリックウマ娘。納得出来ないことはしない主義で、トレーナーに対しても反抗的。
実はかなり頭がよく、特技はハッキング。常に脳内でレースのシミュレーションを繰り返し、勝利を掴むため日々思案を巡らせている。

_{リニューアル前}

見た目も中身もガラが悪く怒りっぽい性格だが、実は論理とデータを信じる頭脳派。口癖（？）は「ロジカルじゃねェ」。ロジカルではないのでお化けは苦手。頭部に亀裂が走ったようなギザギザの生え際が特徴的。

データを扱うために普段からノートPCを持ち歩いている様子が見られるが、アプリを自作する心得まである……どころか、なんと入学した頃にOSから自作したという、本職顔負けの天才ぶりを発揮している。
このマシンで運用されている、自身の未来のレース結果すら詳細に予測するプログラム群は「Parcae（パルカイ）」と呼ばれる。育成シナリオEDで登場する「Moirai（モイライ）」共々、運命の女神からとられている。前者はローマ神話、後者はギリシャ神話で、後者を前者が引用している関係で事実上同じ存在。

また、音楽好き（特にヒップホップ）で、分析の息抜き・気晴らしとしてトラックメイカーをやっており、ひっそりと「!monad（モナド）」という名義でインターネット上に公開している。特段バズってはいないものの、たまに制作依頼が来たりファンが付いている程度に評価はされている。このあたりは割といきなり生えてきた設定だが、後述の通り名前ネタにあたる。

父は数学者、母は元バーの歌姫。父についてはそれ以上のことは不明だが、母は良くも悪くも平凡な人物なようで、幼少期から奇抜だった娘を「理解」することが叶わず、娘からは親として完全に見限られてしまっている。

原案勝負服の形状はほぼ陸上ウェアであり、走りづらそうな勝負服も多い中で随一の合理的なデザイン。背中に伸びた手綱を思わせる革のベルトなど、競走馬のモチーフも入っている。
ゲームでは大きく変更され、白基調から黒基調になり、ゲーム以降掘り下げられた彼女の趣味を感じさせるエキセントリックな雰囲気に。とはいえ機能性は高そうであり、劇中で語られるところによるとレースのために拘り抜いたデザインだという。

アニメでの活躍

Blu-ray第4コーナー収録の新規エピソード「BNWの誓い」に登場。皐月賞馬がモチーフのウマ娘（シャカール含め二冠馬モチーフが多い）で構成された「チームN」の一員として、ファン感謝祭の目玉である「BNW 駅伝」に出走した。

感謝祭の後日は大阪杯に出走するが、ゲート内でゴールドシップと小競り合いをした挙句に彼女にあわや襲い掛かられ、二人揃って出遅れを喫してしまった。

尺の都合もあってか論理派な面はあまり描かれず、狂暴な性格が目立っている。

ゲームでの扱い

育成ウマ娘：unsigned

ステータス(☆3)
スピード	スタミナ		パワー		根性		賢さ
99	85		95		69		102
バ場適性
芝				ダート
Ａ				Ｇ
距離適性
短距離		マイル		中距離		長距離
Ｇ		Ｅ		Ａ		Ａ
脚質適性
逃げ		先行		差し		追込
Ｇ		Ｃ		Ａ		Ａ
成長率
賢さ＋30%
固有スキル『trigger:BEAT』
最終コーナー以降に中団の内ラチ側にいると勝利への道筋を見出して最終直線で速度が上がりコース取りがうまくなる
ウマ娘テンプレートボックス

概要

2022年 7月11日に実装。

さすがと言うべきか、初の賢さ+30%の成長率を持つ。
固有スキルの内ラチ側という（菊花賞をイメージしたものであろう）条件は「内弁慶」と同様と思われ、緩めの判定。効果が同期の変態勇者と同じなのは何の因果か

育成シナリオは、今までも散々使ってはいたがより詳細に存在が明かされた「Parcae」がキーとなり、デビュー前から「想定される『最高のルート』＝『2冠、その後1勝もできず』」という予測を突きつけられているところから、しつこく自分につきまとうトレーナーを不確定要素として取り入れ、「7cm」の壁、そしてその先に待ち受ける絶望を覆す戦いを始める……と、やはり全編を通して「史実への反抗」が軸となる。
if要素はシャカール自身のみで他は史実に準じ、史実では全休となった4歳秋のオペラオー王朝末期に割り込むのがクライマックスになる。
史実にてその評価を決定付けた3歳時のジャパンカップは「出走」で、1戦限りのデバフスキルを追加されたうえ、クラシック級でステ平均600弱・有効レアスキル2種持ちのオペドトウと戦わされるという形になっており、完璧に仕上げなければ勝ち負けに持ち込むこともままならない。

なお、（「7cm」が強調され続けていることからも注目された）アグネスフライトにあたる立場はモブウマ娘としても登場しない形となり、逆に「そこに相当する人物がいない」ことを意識させる台詞がいくつか見られる。

固有二つ名「壁を超えた天才」の条件は「皐月賞・日本ダービー・菊花賞、シニア級の天皇賞（春）・宝塚記念・天皇賞（秋）・有馬記念を勝利、賢さ1200以上」と、目標レースのほとんどに勝利し、史実を遥かに超えなければならない内容。

育成実装以前

レースライバルとしての登場はしばらくなく、育成シナリオ中でスポットライトが当たることもなかったが、同室にして対戦経験もあるメイショウドトウの育成シナリオにおいて、レース出走こそないが主要登場人物の一角を担った。史実時系列ならシニア級のジャパンカップで対戦するのだが、話がこじれるためかスルーされた。

そしてファインモーションの育成シナリオでは、デビュー前からファインの行動に深く関わっている絶対的な主要人物であるのに加え、史実から1年分後ろ倒しされたシニア級有馬記念でついにレースにも登場した。ただし、勝負服はまだ未実装となっている。
この有馬記念は4つの分岐目標の1つという扱いではあるものの、「目標に選んだ場合」「選ばなかったが出走した場合」「選ばず出走もしなかった場合」のイベントがあるというひときわ重要な扱いになっている。

この頃から、シャカールがデータから割り出す「答え」は基本的に「史実通りの結末」である、という役回りは明確であった。

サポートカード

SSR［7センチの先へ］

サービス開始当初から実装されている数少ない賢さSSR サポートカードの1枚。
友情トレーニング性能が低い（賢さサポート共通の回復量アップこそあるが、友情ボーナス倍率が低く、得意率アップも持たない）反面、ヒントLvアップとヒント発生率アップが高く、しかも所持するスキルが3つと非常に少ない。これは、限りあるスキルptを有効に使いたいこのゲームのバランスにおいてはむしろ利点。特にヒントLv4まで育てば所持スキルのヒント回収は僅か3回で完了、さらにヒントを重ねて賢さを稼ぎに行くプランを主にすることも可能で、全サポートでも希少な特徴となっている。
加えて、やる気効果アップへの固有ボーナス、トレーニング効果アップ、スキルptボーナスを持つため得意率アップなしを欠点としない「どこに出ても嬉しい」サポートと言える。

……だが、

肝心のスキルが、3つ中2つは追込用、1つは長距離用。長距離はまだしも、追込は得意な育成ウマ娘がダントツで少なく（初期時点では適性Aがゴールドシップただ1人、適性Bもハルウララと全戦術に対応できるマヤノトップガンの2人だけだった）しかもその追込用のスキル2つが、発動チャンスの少ない「冷静」、視野という影響のわかりにくい部分を強化する「策士」と重要度は高くない。（残る長距離用の「追い上げ」は条件が緩くチームレース適性はある）
やる気・トレーニング効果アップは他サポートと比べた時に強みになるほどの倍率には成長せず、スキルptボーナスも1回につき1ptと恩恵はささやかなもの。
カード固有イベントで貰えるレアスキルは「勝利への執念」。確定入手であることは評価できるが、中距離限定かつ「最終コーナーで追い抜かれる」という条件なので追込・長距離の所持スキルとは全く噛み合っていない。効果自体は前で競り合うことの多い逃げ・先行ウマ向けで活かしどころはある方。
イベントで発生するその他の効果も、マイナス要素はないので弱いとまではいかないが平凡。体力最大値+4がある程度。
2つ目の育成シナリオ「アオハル杯」ではシステム上ヒントイベントを追いにくい＆追うメリットが減少し、強みがさらに活かしにくくなっている。
また、アオハル杯のレースパートのシステムはサポカでの所持スキルが反映される仕様、つまり原則的に所持スキルが多いほど有利なので、所持スキルを絞るデザインが裏目に出ている。挙げ句に、ここで設定されたシャカールの適性は差しA追込Bであり、自動編成のままだと差しになる＝数少ないスキルの2/3が死ぬ（適正戦術がバラけていて死にスキルが出るケースなどは多々あるが）。そもそも前述の通り優秀なスキルでもないため、追込に設定し直す＋脚質適性を1段階落とすことに見合うかもわからない。せめて長距離には置いてやりたい。
3つ目の育成シナリオ「クライマックス」ではレースボーナスが何よりも優先されるので、レースボーナスがないこのカードはその時点で絶大な不利を被る。
4つ目の育成シナリオ「グランドライブ」もシステム上友情トレーニングを繰り返す事が求められるので、得意率がなく友情トレーニングをしにくいこのカードの特徴がそのまま致命的な弱みになっている。ただ、初期絆ゲージが実は高い、ヒントイベはともかく後述の調整後連続イベントの有用なヒントに助けられやすいといった噛み合う部分も多少はある。

……と気性難を表すが如く難点の数が多い。史実では「今日のエアシャカール担当」をくじ引きで決めるほど扱いづらかったとされるが、ウマ娘においてもSSR サポートカード確定チケットが配布された時にツイッターで「エアシャカール」がトレンドに乗ってしまうほど。

一方でヒントLv活用の1点において最適化の1例と独自の強みを示している点では、周囲にどう言われようと導き出した理論は曲げずに成果をあげるシャカールのロジカルを感じさせる節もあり、妙なところで「らしさ」が出ているカードである。

その評価からサポカのバランス調整候補の槍玉に挙げられがちであったが、1周年のバランス調整にて他多数のカードと共に連続イベントの効果が上方修正。
1回目では追込用デバフの「まなざし」、そして2回目では現状追込の命運を左右するスキルとして扱われる「直線一気」のヒントが貰えるようになった。まあ、上記した欠点自体は調整が行われていないので、採用の如何はこの一点をどれだけ高く買うかとなるが……

SSR［mag!c number］

2022年 3月末開始のストーリーイベント「今宵、リーニュ・ドロワットで」のイベント報酬。スピードタイプ。
華麗な舞踏会イベントの前情報の中に混じって発表されたDJ シャカールが混乱を巻き起こした。

ここ最近お決まりの展開として所持スキルが一新。全5種類と普通の数になり、共通するのは「冷静」だけで、「直線一気」がこっちに追加されたりして追込用4種、実用性の面でも十分なラインナップとなった。ヒントボーナスは一応あるがLvは+1（Lv2）固定。
連続イベントでも1回目選択では同時登場した新スキル「前のめり」、2回目は「追込直線○」と追込向けのスキルを拾える。
ただレアスキルは「冷静」の上位である「冷静沈着」で、追込用として統一感はあるが優秀とは言い難い。

サポート効果も一転、イベント産として妥当な範囲で手堅くまとまっている。固有ボーナスが「絆ゲージ80以上の時スピードボーナス（2相当）」で、スピード+2・パワー+1と固定値が多いのが長所。

楽曲

Air Race: 作詞：中村彼方　作曲：小高光太郎・UiNA　編曲：小高光太郎・藤井亮太; CD「STARTING GATE 12」収録。

史実

河内の夢か！？豊の意地か！？どっちだァ～！？
※2000年日本ダービーフジテレビ三宅正治の実況より

2000年の皐月賞と菊花賞を制したクラシック二冠馬。三冠2戦目の日本ダービーを僅か7cmの差で敗れたことから、最も三冠に近づいた二冠馬、準三冠馬とも呼ばれる。

1997年生まれの牡馬。父サンデーサイレンス、母アイドリームドアドリーム、母父 Well Decorated。デビュー前から素質を評価されていたが、同時に激しすぎる気性で恐れられた。調教では誰も乗りたがらないためくじ引きで担当者を決めていたと言われ、主戦騎手を務めた全盛期の武豊をして「頭の中を見てみたい」と言わしめている。
「シャカール(Shakur)」の由来はヒップホップアーティスト「2パック」ことトゥパック・アマル・シャクールから。
また、実は馬名を登録後に変更しており、最初は「エアスクデット」だった。「スクデット(scudetto)」はイタリア語で「小さな盾」だが、セリエAの優勝クラブの証の通称として有名であり、ウマ娘ゲームでのヒミツ2「イタリアのプロサッカー中継を見ている」はこれが元ネタだろう。

2歳時は未勝利戦とホープフルステークス（現:G1と同一条件だが前身ではない）で2勝を挙げ、クラシック候補に名乗りを上げる。G2弥生賞は2着に敗れるものの、皐月賞ではダイタクリーヴァに競り勝ちG1初勝利。

しかし、二冠目の東京優駿（日本ダービー）では直線で抜け出したところでアグネスフライトの強襲を受け、前人未到のダービー三連覇を狙う鞍上の武豊の『意地』と、アグネスフライトの母仔三代クラシック制覇と自身のダービー初制覇を賭けた兄弟子・河内洋の『夢』が激突した壮絶な叩き合いを繰り広げた末に僅か7cmのハナ差の2着に敗れるが、日本ダービー屈指の名勝負として強烈な印象を残した。

次戦はイギリスのG1 キングジョージVI世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに挑戦するも、モンジューの5着に完敗。帰国後初戦のG2神戸新聞杯では右にヨレる悪癖が出て3着に敗れるが、菊花賞はエアシャカールの癖を読み切って内を突く武豊会心の騎乗で制しクラシック二冠を達成する。

しかし、続くジャパンカップではテイエムオペラオーを筆頭とする古馬との対戦が注目されたが、海外遠征の疲れが出たか14着と大敗。さらに13着アグネスフライト、15着イーグルカフェ、16着シルクプリマドンナと、同世代のGI 馬4頭で下位を独占してしまったため、一気に世代のレベルそのものを疑われることになった。
そして4歳以降は、G2産経大阪杯でテイエムオペラオーに競り勝ちながらトーホウドリームに差されるなど好走はするものの勝利に見放され、5歳時にはG1 馬のいない手薄な陣容の宝塚記念も4着と逸するなど、見せ場のないまま同年の有馬記念を最後に引退。
古馬となってからは乗り替わりが激しく（9戦で武を含めて6人。武はこの時期海外遠征していた）、主戦を固定できていればもしかしたら……と言われることもある。

クラシックで戴冠しても古馬としては振るわない馬自体は枚挙に暇がないが、この世代は自身だけでなくアグネスフライトなどのクラシックを争ったライバルも軒並み不振で（※）、そんな中での「準三冠馬」の肩書きはかえって不名誉な代名詞となってしまった。
（※一方でアグネスデジタルやタップダンスシチーなど、（外国産馬なのもあって）クラシックに関わらずに大成した馬はいる）