宝塚歌劇団とは、兵庫県宝塚市を本拠地に、未婚の女性だけで構成されている日本の歌劇団。
阪急電鉄株式会社の直轄組織となっており、同社の社内部署「創遊事業本部歌劇事業部」が事業運営を行っている。
2024年1月時点の理事長は村上浩爾で、宝塚音楽学校の理事長を兼務。
1914年に初の公演を行って以来、今日も人気を集める女性歌劇(少女歌劇)の劇団。第1回の演目は意外にも桃太郎を題材とした「ドンブラコ」で、一時男子部もあった時期がある。
第二次大戦下で劇場閉鎖に追い込まれたり1970年代には半分以上が空席という窮地に追い込まれるも、「ベルサイユのばら」という現在も名高い名作が全国的なブームとなった結果人気が再燃。現在ではチケットの入手が非常に困難な劇団として絶大な人気を誇る。
「宝塚」「ヅカ」などと略して呼ばれることも多く、劇団員(「生徒」と呼ばれる)は「タカラジェンヌ」と呼ばれ親しまれている。
劇団が運営する宝塚大劇場(通称ムラ、兵庫県宝塚市)と東京宝塚劇場(東京都千代田区)を中心に公演を行っている。また、大劇場に併設された中劇場の宝塚バウホール(宝塚市)も所有しており、こちらではトップ候補生たちが中心の公演を主に行っている。
2001年より、劇場中継や公演案内を中心とした専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」(通称スカステ)の東経110度CS放送が行われていて、そちらでは舞台で見せる美しい姿のほか、オリジナルのバラエティ番組内で普段の公演では見られないタカラジェンヌの一面を見ることができる。放送は朝7時から翌3時まで。
また昔からWOWOWとの関係が深く、作品に出演者である元生徒の副音声を付けたり独自番組の制作も行われている。その他BSプレミアム、TOKYO MXなどでも作品放送やタカラジェンヌの素顔が垣間見られる番組が放送されている。
女性だけの劇団であるため男性役も女性が演じる。なおかつ演じるのは少女漫画で描かれるような理想の男性であり、それも宝塚歌劇の人気の要因となっている。
一方女性役も昔ながらの楚々として可憐で麗しい女性像が多く、そんな姿にときめく男性ファンも意外と多い。
その他、様々なジャンルのミュージカルを同じ劇場でほぼ毎日公演しており当日券も(場合によっては)ある、という理由から老若男女問わず芝居好きが通うという面もある。
また「オクラホマ!」「ウエストサイド物語」「ミー・アンド・マイガール」「エリザベート」「ファントム」「スカーレット・ピンパーネル」「ロミオとジュリエット」など、ブロードウェイを席巻した海外ミュージカル作品を日本で初めて上演した劇団でもある。ウエストサイドは宝塚が日本初演というのが意外だが、ヅカでの初演は米国初演から僅か9年後の1968年。その6年後となる1974年に劇団四季が初演を行っている。
宝塚歌劇団の公演形式は宝塚大劇場・東京宝塚劇場で行われる本公演と、宝塚バウホールで行われるスタッフも含めた若手のための公演が主で、他の劇場(梅田芸術劇場など)での公演や全国ツアーも行っている。その中身は芝居(主にミュージカル)とショーの2つに大別され、これらを組み合わせた2本立てで公演することが多い。
年末にはタカラヅカスペシャルという特別公演が行われる。そこでは東京宝塚劇場での公演がない4つの組が勢揃いし、各組個性あるショーを披露する。普段は同じ舞台に上がることのない別の組の生徒たちが一堂に会し、トップスターたちが言葉を交わすというファンにはたまらないイベントである。もちろんチケットは大変取り辛い。
100周年の節目である2014年は記念して東京宝塚劇場から月組が中継で参加し全組勢揃いとなった。中継のラグなどで割と微妙な感じではあったが
その年に行った公演をネタにしたコントをやったり、流行のギャグに全乗っかりして「そういえば宝塚って関西の劇団だったなあ…」というのを思い出すぐらいに全力でふざける。昔はトップ同士の交換や男役の娘役挑戦というかなり思い切ったこともやっていた。
基本的にオリジナルの新作を毎年公演しているが、海外で上演されたミュージカル(例:「ミー・アンド・マイガール」、「アーネスト・イン・ラブ」、「エリザベート」など)をやったり、漫画・ドラマなど原作付きの作品をやったりもする。人気があれば再演されることもあり、特に「ベルサイユのばら」は宝塚歌劇団の名を日本中に知らしめた不朽の名作であり、今も再演される事が多い。
また、「逆転裁判」や「戦国BASARA」などゲームを原作とした作品も作られ、「逆転裁判」に至っては3作上演されたほどの人気作に。
最近は漫画やドラマなどの舞台化にも積極的であり、2012年に「銀河英雄伝説」が宙組で、2015年には「ルパン三世」が雪組公演で舞台化され(しかもどちらもトップコンビの宝塚大劇場お披露目公演という大事な演目という扱いである)、翌年には同じ雪組で「るろうに剣心」が舞台化された。過去にはドラマ「相棒」やハリウッド映画「オーシャンズ11」を宝塚で舞台化という予想を超えた方向へと進んだことも。更にインド映画の舞台化だと「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」「RRR」と、その舞台への意欲は世界各国に向いている。
2018年は作者が舞台化を長年断り続けてきたのを有無を言わせないビジュアルと脚本家の情熱で実現した花組の「ポーの一族」を皮切りに、宙組の「天は赤い河のほとり」と星組の「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」が上演され、宝塚歌劇団のファンのみならず原作ファンも惹きつけるラインナップとなった。
オリジナル作品では「ノバ・ボサ・ノバ」や「琥珀色の雨にぬれて」、「愛するには短すぎる」などの作品が人気である。
というのがある。
例えば上記の「逆転裁判」では成歩堂龍一の過去の恋人が(原作に元ネタが居るとはいえ)オリジナルキャラクターのヒロインとして登場し恋愛模様を繰り広げ、「銀河英雄伝説」では作品そのものに恋愛描写があまり無くヒロインらしい立場で描かれたのはアンネローゼであったが、トップスターが演じたのが主役であるラインハルトであったためトップ娘役は彼の将来の妻であるヒルダを演じることとなった。
また宝塚の定番作品であるウィーン発のミュージカル「エリザベート」は元々エリザベート=女性キャラが主人公のミュージカルだが、宝塚で上演するに際してトップスターを主役にするためにトート=男性キャラが主人公に変えられている。
とはいえ例外が無いわけではなく、トップ娘役が主役になったり、2番手にあたる男役が複数人いる場合はそれに合わせてライバルキャラが増えたり、トップスターの相手役が男役演じる女性キャラだったり、男装した女性を演じるトップスターの相手役が二番手になったり、専科生がゲスト主演したためトップスターがライバルキャラを演じることもある。
日本舞踊をアレンジした日本物と、シャンソンやスパニッシュを用いた洋物(レビュー)がある。ほとんどがレビューで、公演毎にきらびやかな衣装に身を包んだタカラジェンヌにより演出家のコンセプトやイメージが具現化された作品となっている。2本立ての場合、ショーは休憩後にやるが、日本物の場合は先に上演される。ミュージカルと同じく毎年新作を上演しているが、「ダンディズム!」や「シトラスの風」など人気のあるレビューは何度も再演されている。
レビューの場合それまでのミュージカルとは一切関係ない設定で進行するため、休憩前後で感情の乱気流に襲われることも多い。例えば戦争ものの悲恋の後にラテンの香りたっぷりの底抜けに明るいレビューが始まる、なんてこともよくある。
芝居同様トップスターとトップ娘役が恋に落ち成就する過程を歌とダンスで表現する。基本的に台詞はない。
順番は様々だが群舞、トップスターと娘役たちのダンス、逆にトップ娘役と男役たちのダンス、中詰と呼ばれる中間ぐらいの時間帯に全員が登場して一旦締めに入る群舞、トップスターと男役たちが燕尾服を身に纏い大階段上で踊る通称:黒燕尾、トップスターとトップ娘役だけがステージ上でダンスからのフィナーレという流れが定番。
大勢が一列に並びラインダンスをするロケットと呼ばれる演目はこの中で行われる。
ちなみにレビューではオリジナル曲以外を使うことが意外と多い。最近ではT.M.RevolutionのHOT LIMITやポルノグラフィティのジョバイロ、平井堅のPOP STAR、DA PUMPのU.S.Aなどが使用されていた。なお権利の関係上版権曲は円盤や放送で差し替えとなる率も高い。
普通はレビューのフィナーレで、日本物の後半にやる芝居で行われることもあるが、どちらの場合でも最後に大階段を降りてくるパレード(シャンシャンと呼ばれる長いリボンの付いたステッキ状の小道具を持ちスターが羽根を背負っているアレ)をやって、観客たちへ挨拶をする。ショーの無い1本立てや会場の都合で大階段がない場合は最後に少しだけショーを行い挨拶で締める。
基本的に生徒たちが観客に対して声を掛けることはないが、舞台初日や千秋楽には、トップスターが挨拶を行う。もし退団者がいる場合は千秋楽後に、組長から紹介され大階段を下りて同期や友人から花を手渡されて挨拶をする。
本項ではタカラジェンヌからトップスター(トップ娘役も含む)になるまでの流れを説明する。なお、ここで挙げた流れはあくまで一例であり、必ずしもすべてのスターに当てはまるわけではない。
タカラジェンヌとなるには、宝塚大劇場にほど近い宝塚音楽学校で2年間日本舞踊やダンスなどの勉強をしなければならないが、入学試験は15歳~18歳までの4年間しか受けられないうえ、平均倍率は20倍前後という狭き門をくぐり抜ける必要がある。ここで男役になるか娘役になるかを決め、特別な事情がない限り同じ性別の役を退団まで演じる。芸名は2年生(本科生)のときに決める。つける芸名にはいろいろルールがあり、家族と考えたり、恩師や先輩から付けてもらったりするのが一般的。
音楽学校受験には、近年バラエティ番組での特集で有名になったOGたちが経営する専門スクールに通って対策するのが一般的。幼い頃から専門スクールに通い詰め4回目でやっと合格、というパターンもあれば知り合いに勧められて宝塚を知らずダンスもさほど習わないまま一発合格、というパターンもある。
無事に入学出来れば朝から晩までダンスや芝居、歌のレッスンがみっちり詰まった生活の始まりである。更に空き時間に自主稽古をするのが暗黙の了解とされており、そうした授業外の努力が先輩や講師に認められ後々の出世に繋がると言われている。実際多くのトップスターたちが寝る間も惜しんで練習を重ねていた話をしている。
カリキュラムには自衛隊伊丹駐屯地における基本動作の訓練もあるなど、まさに軍隊のような規律がが求められていた。1年生(予科生)のうちは毎朝校舎の至る所をありとあらゆる手で掃除している姿が過去の映像に残っており、人に会ったら必ず挨拶する姿も印象に残っている。
また未来の阪急電鉄社員であるため阪急電鉄に乗車する時は必ず最後尾で着席も禁止、特に宝塚本線と今津線は下車時や車両を見かけた際は上級生や更に先輩である歌劇団の生徒が乗っている可能性もあるので、最敬礼で見送らなければならない。これは歌劇団入団後も続けて守られるルールであった。
・・・というのが大変有名ではあったが、パワハラめいており時代にそぐわないという理由で2021年現在はほぼ無くなっているそうである。ともあれ、若い少女たちに礼儀作法を教え込むという、大正・昭和の頃は良家の子女の花嫁学校という面も持っていた宝塚らしい文化は今でも少しは残っているらしい。
ちなみに「学校」という名前ではあるが法律上は予備校や自動車教習所と同じ扱いのため、高校中退で入学した場合経歴上は中卒になる。最近は希望すれば高卒認定カリキュラムも受けられるようになった。
宝塚音楽学校での成績・卒業年度は宝塚歌劇団に入団してからも影響し、これにより序列される。が、トップスターは決して成績がいい人ばかりなるわけではない。例えば元月組・星組トップ娘役の檀れいは最下位の成績で入団している。
宝塚音楽学校を無事卒業し宝塚歌劇団に入団すると、肩書は本科生から研究科1年生、略して研1となる。それと同時に阪急電鉄との雇用契約を交わす。研6までは阪急電鉄の社員として扱われ、それ以降はタレント契約になる。
入団と同時に生徒の年齢は非公表となり、卒業まで明かされることはない(七海ひろきのように一部卒業後芸能活動を継続しても公表しない人もいる)。また本名も非公開となるが、音楽学校の資料を漁ると本名が載っていたり、公式の愛称の由来は大半は本名を捩っていたり、年齢もインタビューで「中学卒業後一発で合格」「最後のチャンスで掴んだ」と語られることも多く、年齢と本名は類推することができるが、大っぴらに言うことはマナー違反である。
その後稽古を積み、研1生全員で宝塚大劇場での初舞台へ出演。ここで代表して数名が口上を述べ、ショーの中で一糸乱れぬラインダンスを披露する。
年によっては班ごとに各組の公演を回ることもあり、それから正式に各組へ配属される。配属後、一定期間を経てから「組替え」といって会社の人事異動よろしく組を移動することもある。
将来性ある人の場合、俗に「路線」と言って新人公演(本公演の間に1日だけ、研7以内のメンバーだけですべての役をこなす公演を行う)や宝塚バウホールでの公演で主演ないしヒロインを務める。本公演でも徐々に主人公のライバルなどといった良い役・ソロで歌うなど美味しい場面を与えられ、テレビ出演やイベントのゲストなど舞台以外の露出も増えていく。また宝塚の代名詞でもある大階段を降りる際、コーラスをしながら両脇から降りるのではなく中央を降りるようになれることも出世している生徒の証拠である。これらがトップスターになる必須条件といってもいい。
男役はプライベートにおいても女性性を消した生活を暗黙のルールとして求められており、退団後女性への戻り方が分からなかったとインタビューで語る生徒も多い。「男役10年」という言葉が生徒たちの間でも語り継がれているように、女性が男性を演じきるにはそれだけの時間公私共になりきり続けなければ成立しないということでもある。
一方娘役も娘役らしい清楚で可憐な姿を望まれるため、同様に振る舞いに気を遣いながら暮らすことを求められる。
一つの組で徐々に実績を積み上げてトップスターになるパターンもあれば、組替えにより昇格し、最終的にトップになる場合もあるなど決してトップスターへの道はパターン化されているわけではない。しかし、男役の場合概ね10年以上(場合によっては20年近く)、娘役でも3年程度は経験を積まないとトップにはなれない。
ドラマ等でお馴染みの女優・天海祐希は研7にして涼風真世の跡を継ぎ月組のトップスターになったが、これは今も破られない最速記録である。どのぐらい早かったと言うと天海の次の月組トップスターであった久世星佳が彼女の4期先輩だったほど。そのせいで天海は在団中他の生徒たちから様々な仕打ちを受けたらしく、現在は滅多に公の場で宝塚の話をしなくなっている。
娘役では女優・黒木瞳が研2で月組のトップ娘役になったのが最速である。
男役と娘役には明確な差があり、例えばメディア対応などで主役になるのは男役のトップスターの方で、トップ娘役は相槌を打つだけだったり「〇〇さん(トップスター)にしっかりと付いてきます」などと古き良き妻のような受け答えが多い。組の公式グッズでもトップスターがデザインしたグッズはあるがトップ娘役がデザインしたものはほぼ存在せず、またブロマイドや写真を使ったグッズも男役スターの方が格段に多い。
前者については基本的にトップスターがトップ娘役より先輩であることが多く年功序列の厳しい宝塚ゆえの理由であり、後者については戦後の宝塚のファンは女性中心となったため客層に合わせて自然と男役グッズが増えたと推測されている。
トップスターになるとフィナーレで大きな羽を背負うのだが、男役は20kgもある羽を背負い、最後にゆっくりと大階段を降りてくる。ちなみにこれは本物のダチョウの羽を使って作られたもの。宝塚代表のような形でテレビへの出演もするし、記者会見などにも出席したりするので大忙しである。
そんなトップスターの任期はだいたい3年前後で、長くても5年程度である。短い時は1年もしないうちに、つまりたった1回の公演で退団するはめになったケースもある。
そしてトップスターが交代するとき、それまでのスターは専科への異動がなければ宝塚歌劇団を卒業、すなわち退団することになる。トップスターになる前に結婚・定年(60歳の誕生日まで)などの理由で退団する人もいる。その時は各種セレモニー・千秋楽での退団スピーチが行われ、トップスターともなれば退団会見をマスコミがこぞって取り上げ、公演にはファンが大挙して押し寄せる。退団後は宝塚歌劇団に何らかの形で関わったり、女優やタレントとして芸能界で活躍したり、引退して主婦になったりと様々である。
皆音楽学校入学時にはトップスターを目指して日々稽古を重ねているのだろうが、入団後様々な経験を経た結果トップスター以外の目標が出来てそれを達成したために退団する生徒もいる。たとえば千琴ひめかことはいだしょうこは、エトワールと呼ばれるレビュー最後の大階段で一番最初に歌う、その組で最も歌が上手い生徒が任される役どころを数度担当したことで夢が叶い退団を決めている。
花・月・雪・星・宙(そら)の5組からなる。それぞれ主演男役(トップスター)、主演娘役(トップ娘役)がおり、舞台はほぼ全て彼らを中心に作られるスターシステムを採用している。また各組には組長と副組長がおり、組のメンバー(組子と呼ばれる)の面倒を見る、いわば管理職である。そのため最上級生が就任することが多い。
各組の特徴としては「キザな男役とダンスの花組」「芝居巧者の月組」「日本物の雪組」「コスチュームの星組」「高身長揃いで迫力のある宙組」というのがよく言われている。
これらの組とは別に専科という枠があり、5組に配属された後に舞踊や演技など特出する才能がある生徒が移籍することがある。
基本的には他組のように専科だけで公演をするのではなく、専科生たちは各組の舞台に必要に応じて出演していく。一部例外はあるが高齢の役を演じるメンバーが多く、きらびやかな宝塚の舞台を陰でしっかりと引き立てる存在である。また、回数は少ないが専科生だけの公演もある。
宝塚歌劇団のトップコンビと正副組長は入れ替わりが比較的多いので、公式ホームページのスタープロフィールを参考にして欲しい。
宝塚は決してガチガチのヅカヲタにしか楽しめない舞台ではない。そして誘われて生で観劇したら雰囲気に圧倒されドハマリしてしまったという初心者の例はネット上にも散見されている。
しかし少々初心者には敷居の高さがある世界。ということで想定問答を以下に記載しておく。
宝塚初心者最大の誤解。無論、ベルばらのような豪奢な衣装で時代ものでラブロマンスという演目を宝塚が大変得意としているし、ファンからもそうした演目が人気なのも事実ですが、現代日本のサラリーマンが主人公の話や近未来バトルSF、更には落語が原案のコメディまで上演する実はバラエティ豊かな劇団でもあります。メイクも時代の変化に合わせており、初演ベルばらのようなメイクを今でもしているわけではありません。男役が娘役と全然イチャつきもしないような演目だってあります。男役と男役がイチャつくような演目さえもあるレベル。
ヅカヲタが初心者を観劇に誘う場合は、初心者が受け入れやすい演目を選んでいることがほとんどです。誘われた演目のポスターやあらすじを確認しても不安な場合は友人に率直に尋ねるほうがいいでしょう。
そして、ベルばらなどの昔からある演目が古臭いというわけではないことも頭の片隅にでも置いておきましょう。再上演されるたびに演出のブラッシュアップが図られていることもまた事実です。
なお、ベッドシーンやそれを示唆するようなセリフなどなかなかに際どい場面が存在する演目もあります。洋画のベッドシーンのような雰囲気が苦手な人も事前に友人に訊いておくといいでしょう。
一番分かりやすいのはテレビでの舞台放送を見ることでしょう。「絶対に宝塚を見続ける!ファンになる!」と固く誓っているのならスカイステージを契約するのが手っ取り早いですが、そこまでじゃない人向けには以下の番組があります。
また、現在上演中の舞台の紹介を見て予習したい場合は以下の番組があります。
彼女や妻に連れられて、といった雰囲気の男性が多いことは事実ですが客席の男性率は東京なら大体10%、大劇場なら30%ほどであり、男性だからといって特異な目で見られるということは(特に大劇場では)ありません。オペラグラスを装備しパンフレットとル・サンクと宝塚おとめを携え休憩時間に下級生の名前把握をしているようなガチ勢の男性客、というのも年々増えつつあったりします。
ただし前後左右を女性に囲まれて3時間過ごす、と聞いて落ち着かないようなら生観劇は少しハードルが高いかもしれません。自宅で配信観劇から始めてみましょう。
また記事上部にもあるように、宝塚というと男役のことを想像しがちですが舞台に上がるスターの半分は娘役たちです。アニメキャラ並のほっそりした体型に可愛らしい衣装で柔らかな笑顔を投げかけたり、男役との恋に思い悩む可憐な姿、そして背中がぱっくり空いたセクシーなドレス姿で歌い踊る、といった様々な姿を見せる麗しい娘役は初心者の男性でも分かりやすく楽しめるポイントかと思われます。
ちなみに男役のいい男っぷりに敗北感を覚えるパターンもあるようですが、彼女たちはタカラジェンヌという人間とは別の種族だと思うと心が休まったりします。女性も娘役に対して似たような感情を覚えているので大丈夫です(?)
Tシャツ短パンレベルの超絶ラフな格好だと少々浮くかもしれませんが、マナー違反でつまみ出されるというわけではありません。ガチガチのフォーマルが用意できるから、と着てくるのも構いませんが流石にそこまで気合の入った客はほぼいません。つまり、どんな服を着ても問題ありませんが基本的に普段着で大丈夫です。
目安としては男性ならカジュアルなジャケット姿、女性なら友達とオシャレなランチに行くような格好であれば雰囲気に馴染むでしょう。
それでも不安な場合は宝塚大劇場で観劇しましょう。宝塚観劇は東京だと着飾って行くハレの日のものですが、関西では気軽なレジャーという扱いです。コンビニ袋片手の普通のおっちゃんが当たり前のように劇場に入っていくため、ハードルが下がりやすいです。
宝塚市が遠いのなら全国ツアーを観劇するのも手です。地元の文化会館で、付き合いでチケットを貰ったような宝塚なんて初めてなお客さんたちと一緒に、大劇場よりも近くに来てくれるスターを見るのはより気軽な初観劇となるでしょう。
映画や他演劇と同じく、帽子は後ろのお客さんに迷惑になるので脱ぎましょう。
もし贔屓の組や生徒が出来ている状態でしたら組カラーを服装に取り入れるのもありです。
間に合いません。そもそも宝塚大劇場の劇場は入口から大変遠く、それより規模が小さい東京宝塚劇場も劇場入り口は3階にあるため、着いてすぐ劇場に入れるわけではありません。
開演時間の5分前頃には幕が上がり、作品によっては出演者が舞台上に現れていることもあります。そして開演時間になると即座に舞台が始まり、大体数十分は劇場内に入ることが出来なくなります。勿論演出の切れ目でスタッフが座席まで案内してはくれますが、どうしても外せない用事があるという理由があるのでない限りは、最悪でも10分前には劇場内に居ることが望ましいです。
同様に、上演終了後に即帰宅したい・次の用事があるという場合もすぐに劇場から出られるわけではありません。遠征している場合は帰りの新幹線や飛行機の時間に余裕を持つほうがいいでしょう。
掛け声はありません。初日や千秋楽の挨拶部分で大向う的に声を掛ける人もいますがあまり好まれていないようです。
その代わり宝塚では決まった場面で拍手をするという文化があります。トップスターが舞台に登場してスポットライトが照らした瞬間、歌を歌い終わった瞬間、銀橋を渡りだした瞬間、などと様々にあるため初心者が覚えきるのは不可能です。周囲のお客さんが拍手をしたら真似をする、というところから始めていきましょう。なお、拍手をしなくとも白い目で見られるというわけではありません。出来る範囲でやってみましょう。
また、宝塚は関西の劇団ですのでアドリブでギャグを入れることが大変多いです。面白かったら抑えること無く笑い声を上げるとスターに喜ばれます。
劇場に併設されたキャトルレーヴという専門ショップが主に取り扱っています。公演のブロマイド、モチーフグッズ、トップスター監修グッズ、宝塚モチーフのグッズ、そして過去作品のブルーレイやパンフレット等があります。
ただし劇場併設店は開場時間から上演終了後10分程度の間しか営業していません。たとえば「最後の大階段で輝いていたあのスターの写真が欲しい!」という場合は急いで買い物をするか、劇場外のキャトルレーヴに行くことをオススメします。劇場外店でも品揃えが大幅に変わるということはありません。
また、宝塚大劇場では公演モチーフのパッケージになっているお菓子のみを販売する専門ショップや、ハンカチやバッグなどを売る店も併設されています。お菓子の中身は通常パッケージのままだったりするので、職場のお土産などに便利です。
なお、公演パンフレットやお菓子はロビーでも販売されるため、休憩時間にささっと買うことも可能です。
2024年1月現在では一番良いSS席で12,500円、S席で8,800円、A席で5,500円、後方で一番安価なB席が3,500円と比較的リーズナブルといってよい部類です。
なお、新人公演はもっと安価ですが言うまでもなくレベルは未熟で、下級生を青田買いしたいと考える宝塚の沼に深くハマったようなファンや、特定の生徒の晴れ姿を見たい親類縁者以外のような人はお薦めはできません。
また、飛行機や旅館のようなダイナミックプライシング制度も有りませんので、宝塚の歴史に残るような人気の大トップスターの退団公演の千秋楽でも同じ値段です。
ちなみに宝塚のグッズはランダム販売がありませんし、どんなモブ役でも最下級生でも必ず全員のブロマイドが発売されます。
フルカラーでスターの写真満載のパンフレットが1000円程度、全国の書店で販売される機関誌の「歌劇」「宝塚GRAPH」が月750円で、両方買っても1500円前後で買える、とてもファンに対する福利厚生が手厚い劇団です。
これらの物価の安さは100年を超える歴史で培った、数多くの有形無形の支援をする人や、何度もリピートして劇場に通い、ご贔屓に多くお金を落とすファンに支えられているとはいえ、ランダムグッズが多数あり、ライブの公演も1万円を超えていることも珍しくなく、一番後方の座席でも特に割引もないことも多い、アニメやゲームのライブ系コンテンツに触れてきた人は驚くのではないでしょうか。
パンフレットに各場ごとの出演者と役名が記載されています。そこから写真と見比べて探しましょう。もしセリフのある役だった場合は、ル・サンクという演目の脚本が全て掲載されているムック本を買うと幸せになれるはず。
どうしても分からない時はTwitterで投げると優しいヅカヲタが回答してくれるかもしれません。また、台詞のある役の場合スカイステージで後々放送された際にテロップで名前表記がされることもあります。
宝塚歌劇団は一度卒業したら二度と劇団の舞台には立てない特殊な劇団です。現在のOGの姿を見るには宝塚以外の舞台を観に行くしかありません。
どんなに人気のスターも基本的に男役なら15年、娘役なら8年ほど経ったら卒業のタイムリミットが始まってしまいます。特に男役は退団したら皆徐々に女性に戻ってしまうため、男役姿を見守れるのは在団時のみ。推しは早めに推せ、がタカラジェンヌを好きになった時に大切な言葉です。
「キラキラした少女漫画みたいな世界を見てみたい」
「好きな漫画・ゲーム・アニメが宝塚になるらしいので見に行きたい」
「一度見たら沼に落ちると言われるほどの世界を体験してみたい」
そうは思っても日常的に観劇経験のある人じゃないとどうしたら見られるのか分からないかもしれない。映画のように当日劇場に行ってチケット売り場に行けばいいのか、と思っても生徒の顔が肉眼で何とか確認できるような席は前売りで終わっていることがほとんどなのが現状である。
ネット環境があれば24時間いつでもできる方法。無料で誰でも利用できるが、後述の年会費が必要な宝塚友の会の会員であれば先行予約抽選への参加も可能。
使い方は大抵のプレイガイドと似ているので難易度は低め。ただし人気公演の場合は友の会向けで完売だったり、前売り販売開始時間には鯖落ちしたりクリック戦争状態になるのも大抵のチケット入手と似たようなもんである。
チケットぴあやイープラスなどで購入する方法。「似たことを公式Webサービスでやってるなら枠取られて無理では?」と思うかもしれないが、公式とは買える席が別枠のためその点は問題ない。
ちなみにJR西日本のみどりの窓口でも買えたりする。
またイープラスは貸切公演も行っている。
こちらも上記と同じようなメリット・デメリットがあり、更に大抵10時から前売り購入開始のため一般のライブや舞台等と被り更に鯖落ちの可能性が高くなっている。
見に行く劇場が近い人向け。Webチケットサービス・プレイガイドより前売りの発売が数日遅れるため、そっちで規定数が終わっている場合は購入不能。
当日券の有無は公式サイトに2、3日後の公演分までが表示されるので、それを頼りに並ぶことになる。人気公演の場合始発組や近隣ホテルに宿泊し始発時間に並ぶようなガチ勢も出るため、本気で見たい場合はちょっと覚悟が必要。
また、この段階では2階席最後尾や立ち見席など生徒の顔が目視できない席ぐらいしか無いことがほとんどである。双眼鏡を準備しよう。その代わり値段は手頃になるのでどちらを取るかは人それぞれ。
値段は高いがほぼ確実に良席で観劇できる方法。現地までの交通手段(新幹線等)、レストランでのランチやディナー、劇場近隣ホテルの宿泊などと観劇チケットがセットになったパックツアー。
当然だがチケット単体を買うよりもかなり割高になり、人気公演の場合は抽選漏れすることもある。何万円払っても良いから何が何でも見たい公演の場合にオススメである。
1番目の方法の上位版ではあるが、入会費年会費等が必要なため今後も宝塚の公演を見続けるつもりなら候補に上がる方法。
チケットの先行予約抽選、一般販売も非会員とは別枠の席が用意され、会員向けイベントや各種値引きなど宝塚ファンにはありがたいサービスだが、肝心のチケットは年会費の割に合うぐらい取りやすい…という訳でもない。
難易度が高めの方法。
ここで言う『会』とは上記の友の会のことではなく、生徒個人に対して存在する非公式のファンクラブのことである。会は常日頃から生徒のサポートを行っておりその一環でチケットの購入もしているため、場合によっては会の人から余剰分を回してもらえる、もしくは事前にお願いした日の公演チケットを買わせてくれる可能性がある。
注意点としては、見たい公演の組の生徒の会の人と知り合わなければならないこと、相手はその生徒を公私共に支えているファンであることを大前提として失礼のないように接すること、人気公演の場合そもそも会にも回ってくる数も少なくなるためたとえ買えなくとも文句は言わないこと、会から購入したことをあまり口外しないこと、などがある。
また映画や舞台鑑賞をする人がよくやる「この席で見たよ!」と座席位置が分かるような写真をSNS上に投稿するのは会チケットの場合タブー[1]なので初心者は特に要注意。
勿論、公演を見てこの生徒さんを応援したい!と思ったのなら会に入会するのも継続的に宝塚を見る一つの手である。入会したくなったらその生徒さんへのファンレターにそれとなく書いてみたり、公演前後に現地にいる人だかりを探してみよう。
ただし複数の生徒の会に入会することはマナー違反なので、もし気に入った生徒が複数いる場合は誰か一人を選ぶか潔く入会は諦めよう。
天に運を任せる方法。商品を買うと劇場貸切公演のチケットが貰えたり、新聞や雑誌等のプレゼントに応募するやつである。
本当に神頼みなので上記全てが駄目だった時やダメ元で使おう。
定価以下で取引される譲渡チケットのこと。宝塚公認のサービスはチケトレだが、他にも規約を守っているチケット取引サイトは複数あるので探してみよう。ただしWebチケットサービスやプレイガイド並に即完売率が高い。
ヤフオクやメルカリ等でも出品されているが大半が値段が異常に高額に釣り上げられた、いわゆる特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律に違反している違法チケットである。転売ヤーからの購入はダメ絶対!どれだけ入手困難な公演でも本人確認が抜き打ちで行われるから金を無駄にするだけだよ!
最早現地は無理だ…という時の最終手段。5000円弱で劇場最前列よりもはっきり生徒の顔が見えるので気軽に臨場感を味わえる観劇方法。日本全国の映画館で行われているので遠くて劇場になかなか行けない人でも安心である。
基本的に千秋楽のみ行われているため、特別演出や台詞変更を見たい人たちが詰めかけ都市部ではライビュすらチケットが取りにくいのが現状である。またカメラの都合上舞台全体を見たい人には物足りないことも。通信の関係で台詞や映像が途切れることもある。当初は退団者挨拶も上映されないこともあったが、現在は挨拶やカーテンコールが最後まで上映されるようになっている。そのため人気スターの退団がある場合は劇場並みに取れないチケットと化している。
ちなみに最も取りにくい映画館と言われているのが東京宝塚劇場に一番近い東京ミッドタウン日比谷にあるTOHOシネマズ日比谷。上映終了後急げば生で退団者の姿を見られることもあり、特に現地を諦めた卒業生ファンにとっては何が何でも席を確保したいと言われている。
また最近は博多座公演や日本青年館公演と、大劇場以外の公演でもライブビューイングが開催されるなどチケットが取れなかった人や遠方で行けない人でも中継で楽しめる環境が整いつつある。
2020年のコロナ禍によって宝塚も変化し、ディナーショーや別箱公演、そして千秋楽のライブ中継配信が行われるようになった。自宅に居ながら、ライビュよりも安価な3500円で宝塚を見ることができる。
自宅のインターネット回線が鈍足の場合画質に問題が起きたり停止してしまうことがあるので、事前に自分の環境で視聴可能かしっかり確認してからチケットを購入しよう。なおアーカイブはない。
諦めて円盤買うかスカステに入って放送されるのを待とう。
1万円でスターだけ映すカメラアングルと稽古風景も付くブルーレイもいいし月額2700円で新旧大量の宝塚作品を浴びられるスカステもいいぞ。いきなりスカステはハードルが高いなら月額2300円のWOWOWで映画と共に月2作品ほどを楽しんでみたり、月額1650円のタカラヅカオンデマンドに加入してPCやスマホで宝塚作品を浴びてみたり、2・3ヶ月に一度ぐらいあるNHKの放送で慣れていくのもいいぞ。
ちなみに円盤とスカステとWOWOWとNHKは全て違う公演日の映像なのでヅカヲタを極めてくるとどの道全部見ることになるよ。
掲示板
335 ななしのよっしん
2024/05/29(水) 02:48:46 ID: zsLuXdie/D
336 ななしのよっしん
2024/10/15(火) 06:09:18 ID: QKo6VsNGF/
337 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 13:41:25 ID: Ph04TJMpOq
最近の例えば大手VTuberとか見てると、今は演者同士でも協調性が重要で、互いに密に連携し情報交換しあってその上で各々のペースで切磋琢磨するのがファンも広く固く掴める運営戦略だと思う。
演者同士でギスギスに競わせて個別に蹴落としあいさせてトップを目指させるやり方は時代遅れに過ぎる。
例えば"厳しい師弟関係"なんてのはその他に情報伝達手段が無かった時代にそれしか方法が無かったからそうせざるを得なかっただけで、今はその手法よりも効果的な方法があるのを「守るべき伝統があるから」という言葉で退けているような組織は衰退するだろう。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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