吹田市(すいたし)とは、大阪府北摂地域に位置する中核市である。
大阪メトロ御堂筋線(北大阪急行)や阪急千里線といった私鉄で大阪の中心部である梅田にアクセスできるため、近隣の豊中市や高槻市らと並び、大阪市のベッドタウンとして知られる。
一方、名神高速道路やJR東海道本線の沿線にアサヒビールをはじめとする大工場が立ち並んでいるほか、千里丘にある大阪大学吹田キャンパス(5学部)と関西大学(全学部)など大学も立地。大阪市にほど近い江坂は、大阪市の副都心の一つとしてエースコックやダスキン、SNKなど大阪を本拠に全国で展開する企業の本社が多く置かれている。
全国的には、高度経済成長の真っただ中の1970年に日本万国博覧会(大阪万博)が開かれ、そのシンボルタワーである太陽の塔が設置されていることで有名。サッカーJリーグ・ガンバ大阪のホームタウンとしても知られている。
「ふきたし」「ふいたし」「ふきだし」などと誤読されることもあるが、読みは「すいたし」である。「吹奏楽」の「吹」である。
現在の吹田市長は芸人・ジャルジャルの後藤淳平の父親である後藤圭二。
古くは千里丘陵に瓦などを焼く窯がおかれた。その後は江戸時代まで神崎川の湊として栄えた。
明治時代に鉄道が開通してからは神崎川水運は衰退するが、吹田駅近辺に現在のアサヒビール大阪工場が建設。その後も鉄道貨物の隆盛に伴い吹田操車場が設置されるなど、「ビールと鉄道の街」と呼ばれるようになった。一方で、この時期には北大阪電気鉄道→新京阪鉄道(現在の阪急京都線・千里線)が千里山の開発を進め、住宅街の開発の他、当時大阪・福島にあった関西大学を沿線に誘致するなどした。
戦後は千里山の住宅団地を下地として「千里ニュータウン」が開発。また、間も無くしてニュータウン北部が大阪万博の会場として選ばれたことで、1960年頃までは山野だった市北部は住宅地として急激に整備され、日本中が沸いた大阪万博の人を集めるために交通網の整備も進んだ。日本初の自動改札機が設置された阪急北千里駅も、この開発で延伸した駅である。
万博終了後の会場跡地は「万博記念公園」として残され、万博のシンボルタワー「太陽の塔」もそのままアイコンとして据え置かれている。広い敷地の公園は緑に囲まれた中に日本初の民族学資料館として建てられた「国立民族学博物館」などが立地しており、現在でも吹田や大阪周辺だけでなく、関西人の憩いの場として親しまれている。野外ライブなどのイベントもしばしば開催される。
また、万博会場の真ん前には名神高速道路と中国自動車道、近畿自動車道が交差する吹田ジャンクションが建設されたり、大阪市内にキャンパスが点在していた大阪大学も豊中市の柴原と並行して医学部などの理系学部が千里に移転したり、吹田駅近辺には「国立循環器病研究センター」などが開設されたりしたことから、吹田市は「高度経済成長のニュータウン都市」「ビールと鉄道の街」から「交通の要衝」「万博の街」「学問・医療の街」としても知られるようになった。
万博跡地には万博記念公園のほかに陸上競技場「万博記念競技場」と遊園地「エキスポランド」が残され、万博記念競技場はJリーグの初期10チーム(オリジナル10)であるガンバ大阪のホームグラウンドとして長らく使われた。一方「エキスポランド」は地元住民に広く愛されていたが、経営不振と死傷事故により2009年に閉鎖されている。
平成に入ってからは千里ニュータウン地域は高齢化が進んでいるとの指摘も多くなっていたが、近年は駅周辺を中心に順繰りに再開発を進めており、再び人口増加と活性化が促進されている。また、前述の「エキスポランド」の跡地を利用した大規模商業施設「EXPOCITY」やガンバ大阪の現メインスタジアム「市立吹田サッカースタジアム」を建設するなどして、人の訪れる町として発展を図っている。
この他、安威川を渡った先にある大阪市の阪急京都線相川駅や、市境が駅の西側を通っている豊中市の大阪モノレール彩都線阪大病院前駅においても吹田市民の利用が多い。
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最終更新:2024/12/23(月) 14:00
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