シン・アスカとはTVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」にて主人公として登場したキャラクターである。
生年月日:C.E.57/09/01 年齢:16歳 性別:男性 身長:168cm 体重:55kg 人種:コーディネイター
所属:ミネルバ配属→最高評議会議長直属特務隊(FAITH)
搭乗機:ZGMF-X56S インパルスガンダム → ZGMF-X42S デスティニーガンダム
声優:鈴村健一
元々はオーブで家族と共に平和に暮らしていたが、前大戦(ガンダムSEED)で行われた地球軍のオーブ解放作戦に巻き込まれる。家族ともども避難船を目指して走っていたが、時間短縮のため山中を駆けていた所で戦闘が勃発。ビーム飛び交う戦場に閉じ込められてしまう。一方で既に避難船が目先に見えていたため突破を試みる。しかしそこで運悪くカラミティかフリーダムの流れ弾が家族に直撃。たまたま妹が落とした携帯を拾うため、その場を離れていたシンを残して全員死亡する。
シンは無力感に打ちひしがれ、上空で戦闘を繰り広げるフリーダムやレイダーなどを見据える。その時に「自分に力があれば」の思いと共にプラントへと渡った。
小説版によるとプラントへ渡る手段を用意し、その後の面倒を見てくれたのはオーブ軍のトダカであった。トダカはシンの家族が亡くなったところを目撃し、家族を失ったシンに励ましの言葉を掛けていた。プラントに渡った後もトダカとのやり取りは続いていたようだが次第に疎遠となり、連絡が途絶えたという。
その後、ザフトへ入隊(リスマター版ガンダムseedではオーブ戦が終わってすぐに入隊しており、パトリック・ザラの演説を聞いている)。厳しい訓練に耐え、士官学校卒業の際、成績が10位以内の者だけが袖を通せる赤服を着るエースパイロットになっていた。いつも持っているピンクの携帯は妹マユの形見である。
デュランダルはシンの能力の資質を遺伝子的に分析し、「キラ・ヤマトに対抗できる存在」として仕立て上げるべくインパルスガンダムの正式なパイロットに選出した経緯があるらしい。
話の流れとしては、幼少の戦乱から戦災孤児となってしまい、ザフトに入隊(ザフトの形態としては義勇軍であるため、義勇兵に相当)以降の幾多もの紛争や思想の違い、離別を経て、根底にあった「戦争を憎み、争いを無くす」という主体で動いていく。この根底部分の末日については、各メディアで形を変えて取り上げている。
ガンダムシリーズという主人公像として(前作を含めて)見れば、アニメ第1クールでは見せ場が多く確実に主人公であり、物語の主役であった。(しかしこの頃からアスラン視点で進行し出番の無い回もあった。)
しかし、それ以降は前作の主人公であるキラ・ヤマトが台頭し初め、第3クールのOPでタイトルバックを飾るのはタイトルから引用されているデスティニーではなくストライクフリーダムとなった。これと同時に本編でも次第に主人公としての活躍の場は失われていくこととなる。
特に、シンの機体がインパルスからデスティニーに乗り継いでからは、デスティニー自体の血涙のような隈取り、赤い翼等のヒールデザインを始め、アニメ本編での作画、BGM等での演出、描写は主人公のそれとは言い難いモノで、キラとの差は後継機の初陣からして一目瞭然であり、『デスティニープランを否定する演出上の問題から』と言った発言もあるが、最終的にシン達ザフト側が敗北を喫する結末を迎えた。
また、EDのスタッフロール・クレジットでも49話よりシンよりも上にキラが記載されている(※主人公は基本的に出演者・キャラクターの一番最初に記載される)。番組終盤における雑誌等での監督等のコメントでは「最初からキラ・アスラン・シンの3人が主人公のつもりだった」「一つの物語に三軸の主人公を据えて、三つの視点から描くことに挑戦してみたかった」と述べられている。
現在となっては、キラとは対照的な怒りからくる鬼神の様なシンのキャラクター性や、搭乗機のデザインからダークヒーロー的な立ち位置を確立し人気を得たり、下記にもある通り、漫画、小説、ゲームと言ったシンの魅力や可能性を示してくれている作品群のおかげもあり、キャラクターとして一定の人気を誇っている。
…がしかし、放送当時と言えば、アニメ雑誌からはシンに対する酷評を書かれ、「シンは間違っている」「キラやアスランと敵対するから」「デュランダルの味方だから」といったような理由から抗議の手紙を担当声優である鈴村健一に送る者までおり、シンに好意を持ってくれているファンは辛い日々を送った。
主に監督、脚本担当等制作側にどの様な事情があったかは知る余地もないが、もう少し主人公としたシンを顧みたシナリオ、演出を作ることはできなかったのだろうか(と小一時間問い詰めたい)。
この一連の出来事は当時から現在に至るまで、シン・アスカひいては作品その物を語るにあたり大きな話題となっており、良くも悪くもシン・アスカというキャラクターを世に広めさせた一因となっている。
余談だが戦闘中に激昂するシーンが多い。その中でも一部のシーンの表情が顔芸凄い形相だと一部でネタにされている。普段はそうでもなく、むしろ笑顔が良い感じの好青年なのでそのギャップが拍車をかけている。もっとも、自分の家族が目の前で吹き飛んで死ぬのを目の当たりにしている上に、それでも尚戦争を続ける世の中を見ながら戦場に身を置いているシンからすれば、これほどの激しい怒りは当然と言えるだろう。
感情的なセリフが数多くあり、人として未熟ではあるものの、必要と判断すればそれを行動に移す真っ直ぐな突き抜けた姿勢や、声優の熱演も相まって印象に残っている視聴者も少なくないのではないだろうか。
SEED DESTINYは様々なコミカライズや小説化が成されているが、それらの作品は大まかな流れこそほとんど同じものの、各キャラクター、特にシンの心理描写を重視した内容になっており非常に評価が高い。
ボンボンに掲載されていた高山瑞穂による漫画版は、読者が興味を持ちアニメ本編を視聴して絶望。漫画版を指して『
角川書店から発売された久織ちまき作「機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE」ではアニメ本編では分からなかったシンの内面、苦悩や葛藤、精神的疲弊が垣間見ることができ作者によるアニメ本編の解釈が秀逸に描かれている。
作品の議論をするには欠かせない作品群なので是非とも一通り目を通しておきたい。
シン「レイ!レイ!聞こえたら返事しろ!」
ルナ「シン……もう……」
シン「レイ!おれだ!返事を!」
レイシン…………まえ……か?」
シン「レイ!まだ間に合う!脱出しろ!」
レイ「できない……」
シン「ケガでもしたのかっ!?なら、おれが行く!だから――」
ルナ「シン!」
レイ「俺は……ギルを、撃った……」
シン「でもっ…… 生きろ!レイ! 言ったじゃないか、まえに!どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろうってっ!」
レイ「シン…… ……お前たち……きろ。生きて……俺の……明日を……」
シン「レイ!」
シン「レイ――っ」
小説オリジナルのシーンで、キャラクター同士の関係性をより補完する内容となっている。
本作では散々な扱いを受けたシンであったが、2008年の秋に発売したスパロボZでは準主人公と言っても過言ではない活躍、搭乗機のグラフィック待遇の良さやカミーユ等の他作品キャラクターとのクロスオーバーによって主人公としての名誉を回復したとも言える。そして、シンが憎しみや怒りをより一層募らせてしまう引き金となったステラの死もルート選択次第では回避が可能。
ガンダム無双2のミッションモードのシン・アスカ編ではスパロボZと同じくカミーユ、そしてロランとのクロスオーバーによって成長しキラとアスランに自分の思いをはっきりと言い返し、スーパーエースの名誉を過去の一部とした。
続編の「ガンダム無双3」では高山版漫画本編での台詞が採用。
アニメとはうって変わってかなりの待遇の良さである。クロスオーバーの影響もあるが、それ以上にシナリオ自体のクオリティの高さも理由の一つだろう。アニメ本編でのシンの扱いに泣いた人はさぞや歓喜したことだろう。
『主人公(キャラ)を生かすも殺すもシナリオ次第』というのはまさにこのことである。
更に2010年発売のスパロボLでは、ステラの死をキラの助力により回避。キラ(アークエンジェル)と友好的な関係を築き、デスティニー・プランと真っ向から対立するという「自分の意思」を見せる。
そして2013年発売のスパロボUXでは、直接的な関連性は無い作品である『蒼穹のファフナー』とのクロスオーバーが多数あり、ファフナーパイロット達の兄貴分としての立ち位置を確立している。その様はキャラクターデザインが同じ平井久司なのも相まって、マークデスティニーのパイロット、飛鳥真とまで評される。
ソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦X-Ω」においては数あるガンダムパイロットに先立ち、兜甲児と並んで声付きパイロットの第一陣を飾る。発表時点では作品自体が参戦していなかったため、フライングで参戦が明かされたことになる。
実際の参戦は2016年7月のイベント「運命の騎兵隊」となり、同イベントの報酬SSRユニットとして登場。意外にも、SEEDシリーズ自体に影響を及ぼした『機甲戦記ドラグナー』とのクロスオーバーは初。新型強奪事件当時からデスティニーに搭乗しており、同じく強奪事件当時からデストロイに乗っているステラと幾たびも戦う。その中で、当初は険悪だったドラグナー隊とは段階を経てその関係を仲間へと昇華している。
人気ガンダム対戦ゲームであるVSシリーズのガンダムVS.ガンダムNEXTでは、インパルスとデスティニーで参戦している。PSP移植版のミッションモード(「NEXT-PLUSモード」)の中のソロトライアルでは、他の作品からの参戦キャラは原作を再現したステージでのミッションが多い中、SEED DESTINYステージのみ原作再現ではなくシンがキラ(最後に登場するストフリ)を倒すという構図になっている。
次回作のEXVSでは台詞に高山瑞穂執筆のボンボン版のものが多数(最終話のものは大半)採用されており、漫画版のファンにはたまらない再現っぷりとなっている。覚醒技がアロンダイトとフラッシュエッジを絡めた滅多切りで、「あんたが正しいっていうのなら!俺に勝ってみせろっ!!」という台詞と共に計8段の連撃を仕掛ける。
第1クールOPテーマ『Ignited -イグナイテッド-』の歌詞はシンを意識して書いたものだという。
挿入歌として使われた『vestige -ヴェスティージ-』も(ストライクフリーダム登場時の挿入歌だが)どこかシンをイメージできる歌詞になっている。
テイルズオブレジェンディアの主人公「セネル・クーリッジ」と演じている声優が同じであり、さらに両作中で
シン・アスカ 「ステラァァァァーーーーーーーーーーーー!!!」
セネル・クーリッジ 「ステラァァァァーーーーーーーーーーーー!!!」
と叫ぶ。
種運命においてステラが戦死したのが2005年5月28日の放送(32話)、テイルズオブレジェンディア発売が2005年8月25日。とはいえ、収録時期的に考えると全くの偶然なのだが。
監督の福田己津央は自身のTwitterで、手塚治虫原作のアニメ『海のトリトン』より主人公のトリトンがシンのモデルとなったキャラクターであるとのツイートをしている。「故郷を追われても頑張って正しい事を求めていた姿勢」 「素直でない所」 「最後にお前のやった事は正義じゃないと言われた所」等がモデルとされた部分であるとのこと。
前作となる「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター」において38話41話で本作以前のシンと思えるキャラクターの追加シーンが確認されている。
そしてバンダイチャンネルにて最終回放送後、シンの描かれた一枚絵と共にDESTINYのHDリマスタープロジェクト始動との告知がされた。やったねシンちゃん!
2013年3月29日より公式サイトにてネット配信、BS11等にて順次TV放送が開始された。
2014年10月より放送が開始しているアニメ、「ガンダムビルドファイターズ」の続編である「ガンダムビルドファイターズトライ」にて、デスティニーガンダムのガンプラを使用して闘うイズナ・シモンというキャラクターが登場している。
作中の中では珍しく、改造を施していない素組みの状態のまま使用しており、第7話にて元のアニメ本編と同じ姿で活躍するデスティニーを見ることができる。詳細はイズナ・シモンを参照。
どこか制作側の粋な計らいを感じるが、シン同様デスティニーが好きな方はぜひ一度視聴してみることをオススメする。
掲示板
6369 ななしのよっしん
2024/10/29(火) 20:49:20 ID: HFf8S5xxXq
もしもまたSEEDに続編があるなら今度はまたシンが主人公してほしいな
大活躍とはいえ結局前作主人公の忠犬とか持ち上げ役させられてハッキリ上下関係あるのが残念
対等な戦友であってほしかった
魔人ブウ編で悟空が主人公に戻った時の悟飯ファンの心境ってこんな感じだったのかな
6370 ななしのよっしん
2024/11/01(金) 12:44:31 ID: W2cc7DIlHR
でも公式側の主人公って無印、自由のキラ、運命のアスラン、シンみたいなポジションで物語を動かしてるっぽいから、運命のキラとか自由のアスランみたいなポジションの方が活躍させやすいんじゃないかな?
6371 ななしのよっしん
2024/11/28(木) 08:37:37 ID: 40I/1abbkD
ゼウスシルエットの説明書見るに、劇場版の分身って機体の機能でなく、シン自身の能力だったみたいね。つまりあの同時撃破は演出でなくガチと・・・どんな能力なんだよ!?同一空間に複数存在を並立させる能力って(滝汗)
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
最終更新:2024/12/23(月) 14:00
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