「ウィンナー」というのは「ウィーンの」とか「ウィーン風の」という形容詞です。その後に来る名詞がないと中途半端な言葉になってしまいます。
「ウィンナーコーヒー」と言えば「ウィンナーココア」「ウィンナーソーセージ」と言えば「ウィーン風のソーセージ」、「ウィンナーワルツ」と言えば「ウィンナー風のワルツ」という訳ですね。
「俺様が頼むのはコーヒーに決まってるじゃないか」と思うかも知れませんが、客によってはウィンナーソーセージを使った軽食を食べたいのかも知れませんし、名曲喫茶であればウィンナーワルツのレコードをかけて欲しいのかも知れません。
いずれも喫茶店には有り得るものですから、手抜きは禁物です。
あるいは、軽食メニューもレコードもなかったとしても、ウィンナーココアを置いている店だったかも知れません(一般の喫茶店であれば、この可能性が一番高い)。そうなると、冗談抜きでウィンナーの次の言葉がないと、判断できません。
もし、ウィンナーココアが出て来ても文句はなかったのでしょうか? やはり、ちゃんと言わないと通じないことってあると思いますよ。
もっとも、客が曖昧なことを言ったとしても、「はぁ?」という接客態度は失格ですけどね。
せめて「ウィンナーコーヒーでしょうか? ウィンナーココアでしょうか?」と聞くべきですね。