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同じ19歳です。 個人的に好みの作品をご紹介できればと思います。 小川哲『君が手にするはずだった黄金について』 作者自身をモデルにした東大出身の小説家である主人公が、不思議な人物たちと遭遇する連作短編集。 実は私が読書にハマるきっかけにもなった作品です。 純文学ではあるのですが、相手の思考を論理的・理数的に読み解いていく過程というのは新しい感触を覚えること間違いありません。 特に表題作は10代に是非とも読んでほしい。SNSで他人の人生を冷笑している人も多いけれど、そういう人たちに釘を刺すような傑作です。 大田ステファニー歓人『みどりいせき』 高校生の男女が違法薬物の輸送という、いわゆる闇バイトにハマっていくという小説。 一見何だか闇深そうですが、その根幹は爽やかな青春小説でした。 また、文体もラップのようで面白く、川上未映子『乳と卵』が好きならきっとハマると思います。 個人的に、読んだ時の衝撃でこの作品を上回るものにまだ出会えていません。 デビュー作にして三島由紀夫賞を受賞した、新時代の到来を告げる一冊です。 小林早代子『アイドルだった君へ』 何かしらで推しがいる人は必読の一冊だと思います。 アイドルに関係する様々な人々の姿を描いた一冊で、彼らにとって「アイドル」という概念は何のために存在し、どうやって彼らを縛り付けているのか、多種多様な定義を楽しめます。 アイドルに全く興味の無かった私でも、サクサクと読むことができました。 女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞した著者による、胸を抉るような短編集です。 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』 とある施設で育てられる少年少女たちが、大人の陰謀に振り回されながらも懸命に生き、そして大人になっていく──。 SF色の強い作品ではありますが、その過程で描かれる人間模様は美しく、ラストシーンがあまりにも魅力的です。 個人的には読後、米津玄師さんの『LOST CORNER』という今作をベースに作られた楽曲を聴いてほしいです。きっと見え方が変わってくると思います。 2005年のベスト・ブックにも認定された、カズオ・イシグロの最高傑作です。 安堂ホセ『DTOPIA』 恋愛リアリティショー『DTOPIA』。それは、観客が自分好みに作品を編集できる画期的な番組だった──。 各国から集められた男性たちが「ミス・ユニバース」と呼ばれる女性を取り合う番組の中で、人種やジェンダー、オタク文化に美容整形など、様々な社会問題を取り上げていく、2024年を総括するような一冊です。 個人的には、これで芥川賞作品の虜になりました。 若干バイオレンスな描写もありますが、読み終えた後の何ともいえない爽快感は今でも忘れられません。 芥川賞に新たな地平を切り拓いた、革命的な作品です。 長々と大変失礼致しました。 何かの参考になれば幸いです。 これからも読書楽しみましょう!
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質問者からのお礼コメント
1番詳しく書いてくださったアンサーをBAにさせていただきます。他の皆さんの挙げてくれた本もとりあえず手に取ってみようと思います。ありがとうございました!
お礼日時:10/11 13:33
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