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北川さんのmofの研究によってメタンガスや二酸化炭素などを貯蔵したり、分離したりすることが可能となったという記事を拝見したのですがこの技術はどういった場面で利用されるのですか? また、この技術の凄さを教えて下さい。

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回答(2件)

MOF(Metal–Organic Framework:金属有機構造体)は、今や世界中で注目されている最先端の多孔性材料です。 MOFとは? MOFは、「金属イオン(Metal)+有機分子(Organic ligand)」を組み合わせて作られた網目状の結晶構造を持つ物質です。 その内部にはナノレベルの細かい空間(細孔)が無数にあり、まるでスポンジやハニカム構造のようにガスを吸着・蓄えることができます。 どんな場面で利用されるのか? 1」ガスの貯蔵 水素(H₂)やメタン(CH₄)、二酸化炭素(CO₂)などを安全・効率的に貯蔵できます。 たとえば、水素燃料電池車に必要な水素タンクを高圧ではなくMOFで吸着する形で実現できる可能性があります。 2」ガスの分離・回収 MOFは分子の大きさや極性によって特定のガスだけを選択的に吸着できます。 これにより、二酸化炭素の分離回収(CCS技術)や、天然ガス中のメタンと二酸化炭素の分離が可能になります。 3」触媒・化学反応場として 細孔内に特定の反応物を取り込み、化学反応を制御したり、選択性の高い触媒として利用されたりします。 4」薬の放出制御やセンサー 医薬・バイオ分野でも、薬の徐放性カプセルやガスセンサーとして応用が期待されています。 この技術の「凄さ」 1」世界最高レベルの表面積 1グラムのMOFで、東京ドーム数個分の表面積に相当することもあります。 → つまり、非常に多くの分子を吸着できる。 2」構造を分子レベルで設計できる 金属イオンと有機分子の組み合わせを変えることで、 細孔のサイズ・形・化学的性質を自在に設計可能。 → 「どのガスをどれくらい吸着するか」をコントロールできる。 3」環境問題・エネルギー問題への貢献 CO₂の回収や温室効果ガスの削減、水素社会の実現など、 地球規模の課題解決に直結する技術。 まとめると 北川教授のMOF研究は、 「分子を入れる“箱”を自在に設計できる技術」 であり、 「ガスの貯蔵・分離・利用」に革命を起こした発明です。 エネルギー、環境、化学産業、医療まで幅広く応用が期待され、 ノーベル賞級とも評されるほど世界的に評価されています。

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メタンガスや二酸化炭素ということであれば温室効果ガスを封じ込める技術ということでしょうね。 地球温暖化防止への期待から選ばれたのでしょうかね。 これからは地球規模の課題解決につながる可能性のある技術について賞が選考されるのかもしれないですね。