鈴木了二
商業施設|1987年
[論考]
私の指の上には彼の指がのっていた。 私の手はざらざらとした紙の上を動き回った。 それは生まれてこのかた味わったことのない気持ちだった。 ──R・カーヴァー「大聖堂(カテドラル)」(村上春樹訳) 斜めに回転した直交座標の原点の近傍に、絡まるように大小四つの円が見える[図1]。われわれがこれまで得たうちでかなり典型的な、...
『10+1』 No.01 (ノン・カテゴリーシティ──都市的なるもの、あるいはペリフェリーの変容) | pp.18-31
[都市の表象分析 16]
ヴェネツィアにほど近いパドヴァの街の中心に、転倒した船の船底のような屋根をもつパラッツォ・デッラ・ラジォーネは建つ。「サローネ(大広間)」と呼ばれる巨大なホール...こそ、「映画」としての「建築」があるという鈴木了二の認識と響き合うものであるかもしれない。ロ...
『10+1』 No.34 (街路) | pp.2-11
[素材─構造]
...ーミングであるといえる。 鈴木了二設計の《麻布エッジ》。ファサード一階コンクリート部分の一部が... ...要なモチーフとして現われてきたが、例えば《麻布エッジ》の階段は、その建物の重要な要素とはいえ...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.96-99
[ルポルタージュ]
藤森照信《高過庵》 多くの人たちと同じく、僕も《高過庵》をはじめて知ったのは建築雑誌によってであったが、こうした少し突飛な建物を実現する藤森照信という人に対して...れは、かつての鈴木了二の建物では、例えば《麻布エッジ》に見られるように、散逸的な構成をもちと...
『10+1』 No.41 (実験住宅) | pp.52-63
[対談]
マラパルテ邸 あるいはスタジオ・マラパルテの謀略? 小林── 今日のテーマは「海洋性」ということですが、この企画全体が建築と映画との接点を見出すという主旨になっていますので、映画と建築とのあいだに海をおいて、そこでいったいどんな接線が結ばれるのか、ということを二人で話してみたいと思っています。われわれはあらかじめ打ち合...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.211-219
[鼎談]
均質空間の崩壊 鈴木了二──「美術」と「建築」というテーマが設定されているようですが、建築には実は、どこからどこまでが建築っていうような枠組みはないんじゃないか。今度出した『建築零年』でもちょっと書いたけれど、建築は出来事であって、一種の専門的な職能分野とは違うと思ったほうがいい。なぜなら、職能化し分化した建築が建築に...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.54-72
[建築家的読書術]
建築のために読書しているということは特にない。だいたい目的をもって読書することが性に合わない。読書は読書、面白そうだと思ったところに手を出してきた。建築に関しても体系的に読んできたとは言い難く、むしろ建築とは直接関係のない書物のなかに建築の問題を見出し、あるいは反対に、建築に関する書物のなかに建築以外の問題を見出す、と...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.92-95
[鼎談]
なぜ「技法」なのか? 今村──今回の「建築の技法」という特集は、建築について語る時、建築家によるコンセプトにそのまま寄り掛かるのではなく、また建築の技術について...ルト《ラインバッハのガラスパヴィリオン》 ・鈴木了二《神宮前の住宅》 ・ヘルツォーク&ド・ムーロ...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.72-87
[日本]
...1965年生まれ。89─91年鈴木了二建築計画事務所、92─95年根岸一之建築設計事務所勤務。96年玉置アトリエ... ...、繊細な神経に裏打ちされている。古谷誠章、鈴木了二、根岸一之というかなりキャラクターは異なる...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.162-163
[都市表象分析 31]
...ンドによる《ユダヤ博物館》の「ヴォイド」や鈴木了二の「空隙モデル」は、文字通りに空虚な空間で... ...うとする倒錯的な営みにほかならない。 2──鈴木了二 《物質試行25 本駒込の住宅》(1988) から得られ...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.2-11
[現代建築思潮]
ヘルツォーク&ド・ムーロン『Natural History』を読む 佐々木一晋+田中陽輔 佐々木──今日は「素材のコンテクスト」と題して、ヘルツォーク&ド・ム...タンス)とでは言葉のニュアンスが違います。鈴木了二さんはすごくこだわって両者を使い分け、その...
『10+1』 No.37 (先行デザイン宣言──都市のかたち/生成の手法) | pp.49-56
[都市表象分析 32]
1 写真論と路上観察 前回述べたように、「非都市の存在論」として始められた連載は、ベンヤミンの言う「弁証法的形象」としての両義的寓意を都市に発掘する作業へと重心...いったきわめて例外的な映画が、ドゥルーズや鈴木了二の映画論との関係で言及されないわけではなか...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.2-10
[現代住宅研究 7-4]
...別の方向から追いかけると、《物質思考13》(鈴木了二、一九八九)[図9]のような住宅が生まれる。... ...2階平面図 1階平面図 縮尺1/400 パース9──鈴木了二《物質思考13》 2階平面図 1階平面図 縮尺1/400...
『10+1』 No.24 (フィールドワーク/歩行と視線) | pp.24-29
[論考]
01 この小論は、秋本治に関する論考を軸として構成される。 02 秋本治と聞いて何者かパッと浮かんでこない人のために少し説明をしなくてはならないだろう。秋本治...、アトリエ・ワンの《ミニ・ハウス》[図9]や鈴木了二の空隙の思考も参照可能だ。 また逆にアトリエ...
『10+1』 No.21 (トーキョー・リサイクル計画──作る都市から使う都市へ) | pp.154-160
[鼎談]
建築と身体、ジェンダー 五十嵐── 今回の特集は、もともとは身体、ジェンダーなどの問題からスタートしました。僕は一九九〇年頃から美術史におけるジェンダーの問題に...役を演じています。 土居── 小林康夫さんと鈴木了二さんのように特定の組み合わせはあるけれども、...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.62-81
[1990年代以降の建築・都市 3]
...けではない。意外に思われるかもしれないが、鈴木了二は、現在の若手建築家が話題にする非作家性の... ...ケル《コンツェルト・ハウス》 筆者撮影 7──鈴木了二《本駒込の住宅》1988 出典=『建築家の住宅論』...
『10+1』 No.27 (建築的/アート的) | pp.142-153
[非都市の存在論 3]
...した〈もの〉のあり方の根源的な姿を見取った鈴木了二のように。「バラックのファサードは、周辺を... ...標本建築としての「バラック」サンプルNo.2。(鈴木了二『非建 築的考察』より)3 地図としての東京─...
『10+1』 No.07 (アーバン・スタディーズ──都市論の臨界点) | pp.16-27
[現代住宅研究 13-1]
...ものである。 《物質思考13 杉並の住宅》(鈴木了二、一九八五)[図5]の場合、作者が「空隙」と... ...の「隙間のような」様相を呈している。作者の鈴木了二はこの建物とは別に「『空隙都市』東京」★一...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.13-18
[批評]
...りうる。例えば展覧会《空地・空洞・空隙》で鈴木了二が展示した一六枚の写真に撮された、都心の密... ...こるのだ。 6──鈴木了二「16の空隙都市」《空地・空洞・空隙》より7──鈴木了二「空隙モデル」(同...
『10+1』 No.07 (アーバン・スタディーズ──都市論の臨界点) | pp.46-60
[日本]
...うバラックを作業対象としたここでの仕事は、鈴木了二の《標本建築》と《絶対現場一九八七》を思い... ...れるように」した、その作業プロセスである。鈴木了二はこの作業について、床も壁も取り払ってみる...
『10+1』 No.22 (建築2001──40のナビゲーション) | pp.164-165
[映像/写真 1]
...的なセミナーが開催された。舞台となったのは鈴木了二設計による《佐木島コテージ》(一九九五)。... ...かがえない。建築側からは当事者(?)である鈴木了二が出席して小林康夫と「海洋性をめぐって」対...
『10+1』 No.14 (現代建築批評の方法──身体/ジェンダー/建築) | pp.30-31
[批評]
...大道の一九八二年の写真集『光と影』について鈴木了二は、森山の写真の独特なテクスチュア(アレ・... ...九五)、一八八頁、断片番号R2、3。 ★一〇──鈴木了二『非建築的考察』(筑摩書房、一九八八)、四...
『10+1』 No.12 (東京新論) | pp.133-143
[対談]
...、小林康夫、鈴木了二氏の対談中に以下の誤記がありました。 二一一頁下段の鈴木了二氏の発言「鷺島...
『10+1』 No.15 (交通空間としての都市──線/ストリート/フィルム・ノワール) | pp.74-91
[非都市の存在論 2]
...の写真集『光と影』を論じたエッセイのなかで鈴木了二は、二次平面を基礎とする表現手段のうちで写... ...、一四二頁の飯沢による引用から。 ★一七──鈴木了二『非建築的考察』(筑摩書房、一九八八年)、...
『10+1』 No.06 (サイバーアーキテクチャー) | pp.16-27