2024-12

2010・11・27(土)パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

   横浜みなとみらいホール  2時

 ベートーヴェンの「運命」をメインに、「大フーガ」、それにシューマンものから何か1曲――とでもいうことか、「序曲、スケルツォとフィナーレ」が冒頭に加えられた。

 このシューマンが、爽やかで明快でヴィヴィッドな演奏で、すこぶる良い。来週のツィクルスがいよいよ楽しみになって来た。
 ベートーヴェンの「大フーガ」が、弦楽合奏版でありながら指揮者無しの演奏になるとは知らなかったが、少なくとも出だしは気魄充分、やるなと思わせた。ただ、そのわりに少々竜頭蛇尾になったきらいも無くはなし――。

 後半は「交響曲第5番 運命」。このホールでのベートーヴェン・ツィクルス以来、4年ぶりに彼らの演奏に出会うことになる。
 基本的には以前のスタイルと同じだが、しかし第2楽章は、いっそう細部に趣向が凝らされるようになった。内声部の旋律や音型の思いがけないクローズアップやテンポの微細な動きなど、パーヴォ独特のワザがピリリと効いた演奏で、面白いことこの上ない。
 たとえば第185小節から10小節間にわたるこの楽章の頂点部分で、189~190小節のクラリネットのパートを行進曲調リズムとして捉え、一段と強調して吹かせるあたり、少しあざとい手法だが、新鮮な趣きがある。
 以前、この人の指揮する「田園」第1楽章でもフルートのクローズアップに目からウロコの思いをしたことがあるけれど、なかなか洒落たセンスの持主ではある。

 アンコールは、ブラームスの「ハンガリー舞曲」第5番と第6番。これまたおそろしく捻りの利いた、面白い演奏だ。

コメント

私は上の方で聴いていました。大フーガは弦楽四重奏のほうが私は好きです。交響曲第5番は、こんな音あったかなあという発見がいくつかあり、(私があまちゃん故ですが)家に帰ってCDを聴いて確かめたりしました。ヤルヴィ凄いですね。サイン会も長い行列でした。アンコールも楽しめました。それにしてもダブルヘッダーとは東条さんも凄いですね。

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