2024-12

2022・1・24(月)小泉和裕指揮名古屋フィルハーモニー交響楽団

       サントリーホール  7時

 珍しくソーシャル・ディスタンス方式(市松模様)の席割が採られていたが、これはいつ頃決めたのかしらん? オミクロン株新型コロナ感染者激増中という現在の時期を先読みしたかのような。

 それはともかく、今日の「東京特別公演」は、2016年4月より音楽監督を務めている小泉和裕の指揮で、モーツァルトの「交響曲第31番《パリ》」、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」(ソリストは小林海都)、チャイコフスキーの「交響曲第1番《冬の日の幻想》」というプログラムで行われた。コンサートマスターは日比啓一。

 ホール内、ホワイエも客席も、何となくガランとして冷え切っているような雰囲気が寂しかったが、「パリ交響曲」の第1楽章が、一気に熱気を呼び覚ますような勢いに満ちて始まったのには安堵した。このような大編成のオーケストラによる「シンフォニックなモーツァルト」は、50年に及ぶキャリアの小泉和裕のお家芸だ。

 一方、ラフマニノフの「狂詩曲」では、昨年9月のリーズ国際コンクールで2位に入賞した小林海都がソロを弾き、数年前に聴いた時とは段違いの生気あふれる演奏を聴かせた。ちょっと細身の音だが、この曲から繊細な表情を引き出すという特色はあったろう。

 「冬の日の幻想」は、大いに期待していたのだが、━━何か小泉には珍しい、入れ込み過ぎのようなものがあったのではなかろうか? 両端楽章のゆっくりした序奏部分では妙にそれが誇張され、音楽がなかなか前に進んで行かないような印象を生んでしまっていたのが不思議だった。
 とはいえ、その両端楽章のアレグロの部分では、チャイコフスキー特有のダイナミックな「押しの強さ」がよく再現されていたように思う。

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