2024-12

2022・1・10(月)オーケストラコンサートin浮世絵劇場

           ~インターネット配信、アーカイヴ視聴~

 これは美しい。傑作だ。30分間、うっとりして見入ってしまった。

 角川文化振興財団が東京交響楽団およびドワンゴと協業し、角川武蔵野ミュージアムにおける「浮世絵劇場from Paris」を東京交響楽団とコラボさせた「オーケストラコンサートin浮世絵劇場」を1月6日(木)午後2時と6時に開催、そのうち6時からの公演を生中継でインターネット配信した。
 私も東響事務局から事前にリリースを受けてはいたのだが、うっかりして見逃した(あの雪の日である)。が、幸いにもマエストロ原田からアーカイヴ配信の知らせを受けたので、今日になって視聴した次第である。

 演奏は、原田慶太楼指揮東京交響楽団に、LEO(琴)と藤原道山(尺八)という顔ぶれ。
 音楽面は原田が取り仕切った由で、宮城道雄の「春の海」、ドビュッシーの「海」と「月の光」、サティの「ジムノペディ第1番」、吉松隆の「すばるの七ツ」や「アトムハーツクラブ」などの編曲や抜粋、琴や尺八の即興も織り込まれる。

 これは、単に浮世絵を展示した会場で演奏を行うだけといったような、平凡なプログラムではない。浮世絵をモティーフに制作した360度展開のプロジェクション・マッピングが演奏者たちを取り囲み、華麗で幻想的な映像がゆっくりと舞う、という形を採ったものなのである。

 映像は、パリを拠点とする集団「ダニー・ローズ・スタジオ」による制作の由(From Parisという所以だ)。技術的にも優れ、すこぶる美しい。映像素材には、葛飾北斎などの浮世絵を中心に、森、日本家屋の屋内の光景、扇、なども含まれていて、それらが音楽に合わせ、ゆっくりと舞い、移動する。ドビュッシーの「海」のさなかに北斎の「神奈川沖浪裏」が波打ちながら動いて行くというユーモアも微笑ましい。全編にわたり、「日本の美しさ」が存分に描き出されていた。

 ニコニコ生放送の画面には、興奮気味のコメントが入り乱れていたが、そのコメントの文章までデザイン化してしまうという凝りようがいい。原田自身が指揮の合間にパソコンだかタブレットだかを持って「映像観客」とチャットしたりするのも、いかにも若い世代の指揮者らしくて面白い。

 なお、角川武蔵野ミュージアムにおけるこの催事は、4月10日まで開催中とのこと。

コメント

アーカイヴで拝見拝聴しました!

東条先生、教えてくださって有難うございました!とても幻想的な芸術でした。コメントまで芸術にしてしまう、それにマエストロも参加するという面白さ!東響さんの、底力も感動的でした。「日本に生まれて良かった!」というコメントがたくさんありましたが、同感です。ニコ生さんのカメラワークにも感謝です!「みんな生きろ!いいことあっからさ!」胸打つコメントでした!

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