2024-12

2021・11・5(金)角田鋼亮指揮日本フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 J・シュトラウスの「ウィーンの森の物語」、コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」、フランツ・シュミットの「交響曲第4番」という意欲的なプログラム。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 セントラル愛知響常任指揮者を務める角田鋼亮の指揮はこれまでにもたくさん聴いて来たけれども、彼の最強のレパートリーが那辺にあるか、今日はそれがある程度はっきりと呑みこめたような気がする。
 例えば、このシュミットの交響曲での彼の指揮は実に好い。特に第3楽章に相当する部分での、整然とした構築を崩さずにテンポを速めて追い上げて行くあたりの呼吸の良さ、オーケストラ制御の巧みさなどは、この曲の演奏の中でも(と言ってもこの曲の場合、あまり例は多くないのだが)出色のものだったのではなかろうか。

 コルンゴルトの協奏曲でも、作曲者自身のいろいろな映画音楽からの引用モティーフを明確に響かせた指揮が、なかなか好かった。もっともこの曲では、ソリストの郷古廉の鮮やかな演奏が全てを決していた、といえようか。彼がソロ・アンコールで弾いたハイドン~クライスラー編の「皇帝讃歌」も面白い。

 最初の「ウィーンの森の物語」━━これはしかし、どうやってもウィーンの演奏家以外には分が悪い曲である。それに今日は、演奏が少し物々しく、力任せだったような。ただし今日は河野直人のツィター・ソロが加わっていて、何となく演歌のような雰囲気の演奏ではあったものの、好い趣旨ではある。
 アンコールに「第三の男」でも弾いてくれればいいのにと思ったのだが、‥‥ワルツが終ると、ただちに楽器をかかえて引っ込んで行ってしまった。拍手が足りなかったか?

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中