2024-12

2018・10・30(火)IL DEVU リサイタル

     HAKUJU HALL  7時

 望月哲也(T)、大槻孝志(T)、青山貴(Br)、山下浩司(Bs)、河原忠之(pf)の5人からなる重量グループ、「IL DEVU」(イル・デーヴ)━━5人の総体重が500Kgだという(そんな風にも見えないけれど)ユーモアあふれる巨漢の集団で、このホールでももう何度かリサイタルをやっており、大変な人気である。私もここで2回ほど聴いた(2017年7月13日他)。

 今日は「哀愁のIL DEVU」という、例の如く捻ったタイトルが付けられているが、信時潔から山田耕筰からシューベルトから、あるいは新実徳英、高嶋みどり、上田真樹、大島ミチル、カッチーニ、木下牧子他といった多彩な歌曲が取り上げられ、それらが決して余興的な性格の歌唱ではなく、本格的な演奏として構成されていたのが素晴らしかった。河原のピアノも、作品に応じて表情を変えて行く巧みな演奏だし、男4人のダイナミックな歌も見事だった。

 ━━と、最初はそこまで書いて閉じるつもりでいたのだが、職業上、止むを得ず一言、疑問を出しておかねばと思う。
 特に最後のプログラム、「世界民族哀愁愛唱ソング」でなのだが、この客席数300のよく響くホールなのにもかかわらず、4人がまるで2000人の大ホールで歌うかのように最強音で咆哮を続け、ピアノも異様に怒号しまくるため、曲も編曲も(森田花央里の編曲は面白そうな感じだったのに)、旋律もハーモニーも、すべて音響的カオス状態になるという印象を呈してしまったのである。ロックのコンサートじゃあるまいし、大音響の快感に浸るだけでは能があるまい。御一考を請う。

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