2017・3・30(木)山田和樹指揮日本フィルハーモニー交響楽団
東京芸術劇場 コンサートホール 7時
一昨夜、仙台でロシア音楽プロを指揮した山田和樹が、今日は東京で日本フィルとロシア・プロを演奏。
グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」(ソリストは福間洸太朗)、チャイコフスキーの「交響曲第4番」。
コンサートマスターは扇谷泰朋。
仙台フィルとの演奏の時と同様、ここでも山田和樹の指揮は躍動感に満ちる。金管をダイナミックに吹かせ、強いアクセントでそれらの音をはっきりと響かせる。それが実にメリハリがあって、痛快な演奏になる。
「ルスランとリュドミラ」は、オーケストラはあまり練習したとは思えないような演奏だったが、何しろ鳴りっぷりが小気味よい上に、リズムも明快なので、楽しい序曲になった。
ラフマニノフの協奏曲では、福間が恰幅の良い、力強い風格で冒頭のソロを弾き出し、その大きなスケール感に期待を持たせた。ただそれは、正面切った端整かつ生真面目なアプローチであり、例えばコンクールなどで各国のピアニストと聴き比べた場合、いかにも日本人だなという印象を強くさせるタイプの演奏、といえるだろう。この曲の場合は、もう少し良い意味での自由奔放な飛翔、といったものがあってもいいような気もする(その点、一昨夜チャイコフスキーを弾いた萩原麻未の演奏は大胆な感興に富んでいた)。
また、ここでは山田と日本フィルが、特に第3楽章ではシンフォニックなアンサンブルを轟々と響かせ、ピアノの音を包み込んでしまったので━━少なくとも2階前方下手寄りで聴くとそう聞こえた━━あたかも「ピアノのオブリガート付きのシンフォニー」のような趣になってしまった。
そのあと福間は、ソロ・アンコールでは、チャイコフスキーの「18の小品」から「トレパークへの誘いOp.72-18」という珍しい作品を弾いてくれた。これは面白かった。
最後のチャイコフスキーの「4番」は、肝心かなめの「運命の動機」でトランペットが音を何度も外して興を殺いだ━━力一杯吹いていたのはいいけれど、一度だけならともかく、同じようなことが二度三度となると、苦情の一つも言いたくなりますよ━━のを除けば、しなやかで厚みのある弦が美しく、トランペットを含めた金管の思い切りの良い強奏も適度に調和して、バランスの良い快演となった。ホールの響きが豊かなので、日本フィルもたっぷりした音色になる。
これは山田の指示か━━第3楽章のピッツィカート部分、他の弦がもともと一つだけ音を抜かしている不思議な個所(第3、4、11、12小節など)で、第2ヴァイオリンだけが弾く「C」の音を強く響かせ、それをこの流れの中のアクセントとしていたのが面白い。
また第4楽章の第3主題(第38小節から)を、その都度大きくテンポを落して大見得を切るようにしていたのも興味深いが、山田が大芝居のようなことをやったのはこれ一つだけなので、ちょっと異様に感じられたのは事実である。
アンコールは━━今日はアザラシヴィリの作品でなく、スヴェンセンの「2つのスウェーデンの調べ」の第2曲だった。
一昨夜、仙台でロシア音楽プロを指揮した山田和樹が、今日は東京で日本フィルとロシア・プロを演奏。
グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」(ソリストは福間洸太朗)、チャイコフスキーの「交響曲第4番」。
コンサートマスターは扇谷泰朋。
仙台フィルとの演奏の時と同様、ここでも山田和樹の指揮は躍動感に満ちる。金管をダイナミックに吹かせ、強いアクセントでそれらの音をはっきりと響かせる。それが実にメリハリがあって、痛快な演奏になる。
「ルスランとリュドミラ」は、オーケストラはあまり練習したとは思えないような演奏だったが、何しろ鳴りっぷりが小気味よい上に、リズムも明快なので、楽しい序曲になった。
ラフマニノフの協奏曲では、福間が恰幅の良い、力強い風格で冒頭のソロを弾き出し、その大きなスケール感に期待を持たせた。ただそれは、正面切った端整かつ生真面目なアプローチであり、例えばコンクールなどで各国のピアニストと聴き比べた場合、いかにも日本人だなという印象を強くさせるタイプの演奏、といえるだろう。この曲の場合は、もう少し良い意味での自由奔放な飛翔、といったものがあってもいいような気もする(その点、一昨夜チャイコフスキーを弾いた萩原麻未の演奏は大胆な感興に富んでいた)。
また、ここでは山田と日本フィルが、特に第3楽章ではシンフォニックなアンサンブルを轟々と響かせ、ピアノの音を包み込んでしまったので━━少なくとも2階前方下手寄りで聴くとそう聞こえた━━あたかも「ピアノのオブリガート付きのシンフォニー」のような趣になってしまった。
そのあと福間は、ソロ・アンコールでは、チャイコフスキーの「18の小品」から「トレパークへの誘いOp.72-18」という珍しい作品を弾いてくれた。これは面白かった。
最後のチャイコフスキーの「4番」は、肝心かなめの「運命の動機」でトランペットが音を何度も外して興を殺いだ━━力一杯吹いていたのはいいけれど、一度だけならともかく、同じようなことが二度三度となると、苦情の一つも言いたくなりますよ━━のを除けば、しなやかで厚みのある弦が美しく、トランペットを含めた金管の思い切りの良い強奏も適度に調和して、バランスの良い快演となった。ホールの響きが豊かなので、日本フィルもたっぷりした音色になる。
これは山田の指示か━━第3楽章のピッツィカート部分、他の弦がもともと一つだけ音を抜かしている不思議な個所(第3、4、11、12小節など)で、第2ヴァイオリンだけが弾く「C」の音を強く響かせ、それをこの流れの中のアクセントとしていたのが面白い。
また第4楽章の第3主題(第38小節から)を、その都度大きくテンポを落して大見得を切るようにしていたのも興味深いが、山田が大芝居のようなことをやったのはこれ一つだけなので、ちょっと異様に感じられたのは事実である。
アンコールは━━今日はアザラシヴィリの作品でなく、スヴェンセンの「2つのスウェーデンの調べ」の第2曲だった。
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