2024-12

2017・3・19(日)東京・春・音楽祭 シャーガー&バイチ

      東京文化会館小ホール  7時

 トリフォニーホールのある錦糸町から上野までは、秋葉原乗換のJRで、ほんのわずかの時間だ。この移動距離なら、ダブルヘッダーも容易い(数年前、川崎━横浜━上野とトリプルをやったことがあったが、あれはさすがに疲れた)。

 恒例の「東京・春・音楽祭」が、この16日から華やかに始まっている。
 これは、テノールのアンドレアス・シャーガーと、ヴァイオリンのリディア・バイチとのデュオ・コンサート。それにマティアス・フレッツベルガー指揮のトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア(旧称トウキョウ・モーツァルト・プレーヤーズ)が協演するという演奏会である。

 アンドレアス・シャーガーは、最近、人気沸騰中だ。日本でも同様。
 今回も「(プログラムは)何をやるんだか判らなかったけど、シャーガーが出るということでチケットを買った」と言う人もいたくらいで、━━それもあってか、彼の出番ではホールが沸き返る。

 ワーグナーの「ヴェーゼンドンク歌曲集」は、未だ陰翳に不足する彼の歌唱と、官能的な雰囲気を欠く指揮者とオーケストラの演奏のために、あまりサマにならぬ結果にとどまったけれども、「魔笛」や「ジプシー男爵」、「ジュディッタ」、「J・シュトラウス2世のテーマ」、アンコールでの「ヴァルキューレ」、「メリー・ウィドウ」などでは彼の闊達なフル・ヴォイス全開で、客席を沸き立たせた。
 聴き手の耳をビリビリいわせる馬力だったが、まあいいだろう。それに例の如く、聴衆にアピールする華やかな、明るいジェスチュアとステージマナーがいい。

 そのシャーガーに対し、いくら美女でもヴァイオリン一挺のリディア・バイチはちょっと分が悪く、拍手の音量もシャーガーに対するそれよりは少し小さめなのは気の毒だったが、しかし、特に第2部でのリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」やクライスラーの「ウィーン奇想曲」と「愛の悲しみ」、アンコールでのモンティの「チャールダシュ」、レハールの「ワルツ」などでの演奏は、美しく魅惑的だった。

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