2024-12

2016・5・19(木)トッパンホール15周年室内楽フェスティバル4日目

      トッパンホール  7時

 前日は東京都響定期のペルトの作品その他を聴くつもりでいたのだが、午後3時頃、頼みもしないのにWindows10がPCに乱入して勝手にインストールを開始、しかも勝手に失敗しておいて横柄に修復を要求、挙句の果ては起動不能に陥らせてしまった。この対応に数時間を要したため、結局演奏会をフイにする羽目になる。
 専門家に訊くと、「断りの返事がない場合には水曜日午後3時にインストールを行うぞという告知が2、3日前に来ただろう」とのこと。そういえば何かそんなものが来たような気もするが、なにせノベツそういう告知が来てうるさいので、いちいち見なくなっていたのも事実である。
 そういう弱みに付け込み、勝手に侵入してPCを使用不能に陥らせるとは、ウィルスにも等しい。この方面に詳しい人ならどうということはないのだろうが、私のようなPCオンチのド素人には、災難もいいところだ。この種のことは、怒る方がバカなのか?

 というわけで、大切な演奏会を一つ棒に振った。そして今日は、トッパンホールの室内楽フェスの第4日。
 モーツァルトの「ピアノ四重奏曲ト短調K479」、ベルク~H・ミュラー編の「六重奏曲作品1」、シューベルトの「ピアノ三重奏曲第1番」という魅力あふれるプログラムだった。

 演奏は、モーツァルトが久保田巧〈Vn〉、鈴木学(Va)、マリー=エリーザベト・ヘッカー(Vc)、マルティン・ヘルムヒェン(pf)。
 ベルクがクリスティアン・テツラフ(vn)、日下紗矢子(vn)、鈴木学(va)、原麻理子(va)、マリー=エリーザベト・ヘッカー(vc)、ターニャ・テツラフ(vc)。
 そしてシューベルトがクリスティアン・テツラフ(vn)、マリー=エリーザベト・ヘッカー(vc)、マルティン・ヘルムヒェン(pf)。

 初日のラルス・フォークトが今日はヘルムヒェンに替わり、ピアノが俄然おとなしくなった。あまりに強靭な音響を轟かせるのも何だが、こうおとなしくて、生真面目で、煌きの少ないピアノというのも、物足りない。協演者もその分、安定路線にとどまってしまったようで、バランスは良いけれども、噴出する熱気は抑制され、スリルにも不足する、といった感になるだろう。

 むしろ聴きごたえがあったのは、6つの弦楽器が火花を散らしたベルク~ミュラー編の「六重奏曲」だった。この声部の交錯の面白さは、原曲のピアノ版に勝るとも劣らない。

※5月26日追記━━PCに詳しい人に来てもらって、やっと完璧に「回復」したが、インストール記録データを見てみると、それが開始された直後から早くも「エラー」が出ており、15分後には全部がエラーマークと化していた。とすれば、エラーを構わず延々と侵入を続けたわけか? 起動不能を招くのも当たり前だろう。マイクロソフトというのは、全く傲岸不遜なものである。

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Windows10

東条様
Windows10の更新の催促や自動アップロードに迷惑している人は大勢います。自動更新に設定していると(ほとんどの人がそうです)、勝手にアップロードが始まってしまうことがあるようです。MS側は無料だからいいだろうとばかりにWindows10にどんどん更新させて、旧バージョンのユーザーを撲滅しようと企んでいるのでは。何を使用しようがユーザーの自由ですから、怒って当然のことと思います。多くのユーザーの怒りによってMSの対応も変わってくると思います。

やはり、macに変えることをお勧めします。Microsoftと完全に縁を切るのは難しいですが、
疎遠になることは可能です。
あんな会社とは必要最低限の付き合いにしたいものですね。

東条先生、こんにちは。
都響=クリスチャン・ヤルヴィのペルトとライヒ、とっても面白く聴かせていただきました。こういう一般受けしないプログラムを組んでくれるオーケストラも凄いけど、それを聞きに行く聴衆も凄いと思いました。結構お客さん入っていたので。ノット=東響のリゲティの日よりは格段の入り?都響の集客力とかもあるんでしょうけれども。
演奏ですが、さすがにライヒの最終盤はオーケストラの皆さんも疲れてきてか、リズムの切れが鈍くなってはきました。あの音型を延々と弾き続けるのはかなりの苦行でしょうね。それでも聴きごたえ十分の演奏で、日本のオーケストラもやるもんだ、と改めて思った次第です。どこぞの世界的超有名オーケストラの、もう聞き飽きた名曲を聴くのもそれはそれで良いのですが、そして、在京オーケストラの有名曲路線もそれはそれでやむを得ない事情があるのも理解しますが、でも、こういう挑戦的な演奏会を企画してくれるオーケストラ、好きです。新日フィルがメッツマッハーを離してしまったのは、私としては非常に残念です。
M.T.トーマス=サンフランシスコ響の来日公演でこの曲を取り上げるのはリスクが大きいんでしょうね?でも、その組み合わせでもう一回聴いてみたいフォー・セクションズでした。

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