2024-12

2016・4・22(金)ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団G.P

       ミューザ川崎シンフォニーホール  6時

 4月定期のプログラムは、シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」、ベルクの「ルル」組曲、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」。

 ただし今日は、事実上のゲネプロである。本番は明日のミューザ川崎と明後日のサントリーホールだが、両日とも他の予定が入っていて聴けず、といって聞き逃すのはいかにも惜しく、事務局に頼んで、今日のゲネプロを取材させてもらったというわけ。
 何しろ長大なプログラムである。実際の公演時間は、休憩を含めば2時間半くらいになるだろうか。

 協演は、東響コーラス、チェン・レイス(S)、クレシミル・ストラジャナッツ(Br、語り手)。コンサートマスターは水谷晃。
 G.Pだけを聴いて批評するのはルール違反なので、実際の演奏内容についての意見は省く。だが、関係者しかいないガランとした客席で聴くと、オーケストラも合唱も、たっぷりとよく響いて豊麗で、実に快い気持になる。特にブラームスは、ティンパニを極力抑えた演奏だったので、いっそう柔らかい祈りの歌に聞こえたのであった。

コメント

ど素人のたわごとですので、御目障りであれば、容赦なく削除願います。

4/23の川崎定期では、実に幸福な時間を過ごす事ができました。

前半2曲は共に聴いた事がなかったので、事前にWikpediaで
作曲経緯・背景等を調べ、ネット上の音源も聴きましたが、
正直な所、私にはこの2曲の素晴らしさがわかりませんでした。
当日の演奏でも、おそらく私は受け付けられないだろうと判断しました。

ドイツレクイエム:私は”ブラームス”と聞くだけで鳥肌が立つ、
大のブラームス嫌いです。そのの私が唯一、R・クーベリック指揮/
バイエルン放送交響楽団のCDだけは大好きであります。

ただ一方で、G・シノーポリ指揮/チェコフィルハーモニーの
演奏は、なぜかキンキンと響いて聞こえ、頭が痛くなってしまい、
開始10分程度で聴くのを諦めてしまいます。

こんな状態なので、4/23の川崎定期には、期待の3倍に相当する
不安を抱えて臨みました。

客席は、チケットは捌けているはずでしたが、以外にも空席が目立ちました。それでもかなりの観客が詰めかけました。

その状態でも、ステージから湧き上がってくるオーケストラと合唱の響きは、充分豊麗に響き渡り、どこまでもやさしく観客席を包み込んでくれました。

前半2曲が、多彩な音色の変化を楽しみながらも、時には清々しく感じられながら、これほどまでにやさしく自分を包んでくれるとは、事前には予想できませんでした。

ドイツレクイエムも、もう手放しで大満足です。
何を書くべきか、言葉が思い浮かびません。

事前に抱いていた不安は、良い意味で裏切られました。

ほんとに、”CD聞いているばかりじゃなく、実際に演奏会にいくべきである”と言う事を痛感しました。

ルル

搾取者と被搾取者の物語だと思っている。食物連鎖の頂点は切り裂きジャック、あるいはそれに象徴される何か。最下層はルル、誰かの快楽のために最後の一滴まで尊厳を絞り取られる女、あるいはそれに象徴される何か。

ルル組曲の間も舞台上に留め置かれた男声合唱の姿は、その中間層=ルルが言うところのdie Menschenに見えました。社会的には彼女より上位にありながら、求める見返りが得られないとなると大仰に傷つき、被害者面をしてみせる人々の群れ。

ルルというキャラクターのそういう人生に思いを馳せた後のブラームスのレクイエムは、あのような演奏で聴きたいと思っていたのでとても嬉しかった。とりわけ第5曲では、ルルと人々がトンネルの中で邂逅したかのように感じられました。すべての音が等価に聞こえてきたミューザよりも、慈しみの表情と陰影を深く湛えたサントリーの方が胸に響きました。

鎮魂歌

『ワルシャワの生き残り』の最後、「シェマ・イスラエル」の力強い男声合唱に驚き。それが『ルル組曲』のロンドにつながっていって、なんとも美しいこと。
不穏ささえも甘美に感じられる。『ルル』の中で、ゲシュヴィッツの「あなたのそばにいる、永遠に」をきくたびに、胸に迫るものを感じるのですが-これは祈りですね-、それが『ドイツ・レクイエム』に続いていく、という選択がすごいと思いました。(休憩なしで続けるのは無理ですね)ところで、このようなプログラム、欧米では受け入れられないと思う人もいるかもしれませんね。

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