2024-12

2016・4・16(土)インキネン指揮日本フィル ヴェルディ「レクイエム」

      横浜みなとみらいホール  6時

 東京響の演奏を聴いたあと、オペラシティを4時15分に出れば、今日のように首都高に渋滞さえなければ、ゆっくり走ってもみなとみらいホールには5時に着く。ちょうどいい時間だ。
 本当は、午前11時からのトリフォニーホールにおける川瀬賢太郎指揮の新日本フィルを聴く予定も追加していたのだが、トリプルヘッダーでは━━各ホールが至近距離にあるロンドンやベルリンやザルツブルクでならともかく、首都高なり電車なりで延々移動してのトリプルでは、このトシじゃいくら何でも体力が持つまいと思い直し、午前の方は、今朝FAXで欠席連絡をした次第。

 さて、こちら横浜での日本フィルも、いい音を出していた。各オーケストラが、揃いも揃ってこのような水準の高い演奏を聴かせてくれると、日本のオーケストラ界も素晴らしくなったな、という嬉しい気持に満たされる。

 今日はヴェルディの大作「レクイエム」で、指揮は次期首席指揮者ピエタリ・インキネン。合唱が晋友会合唱団、声楽ソロは安藤赴美子、池田香織、錦織健、妻屋秀和。コンサートマスターは扇谷泰朋。

 今回は、「トゥーバ・ミルム」での金管群のバンダは上階客席ではなく、舞台両袖の陰で吹かれた。これは、特に最初の部分では、最後の審判のラッパが天の彼方から響いて来るかのような音量で、バランスとしては良かったと思われる。ただその分、全合奏の個所では、オケの本体にマスクされて、凄絶な雰囲気とは行かなかったけれど。
 なお、指揮者の指示かどうかは判らないが、「怒りの日」の最強奏の個所をはじめとして、常よりもピッコロが突出して聞こえ、著しく刺激的な音になっていた。一所懸命吹いていた奏者には悪いが、その耳を劈く音が延々と続くのには些か閉口、おかげで「怒りの日」が出て来る個所が近づくと、恐怖感さえ覚えた次第である。今回ほど、ピッコロのパートがすべて聞き取れた演奏はなかった。

 そんなこともあって、妙に落ち着かないままに全曲を聴き終えてしまったが、もちろん美しい瞬間も数多くある。だがどちらかといえば声楽部分の勝った作品だから、そちらの方が主たる興味の対象になるだろう。
 その声楽ソリストは概して頑張っていたし、特に池田香織と、大隅智佳子の代役で出演した安藤赴美子の健闘が印象づけられた。合唱団が暗譜で歌っていたのは立派なものだが、アンサンブルはもう一息、といったところだろう。

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