2024-12

2014・12・18(木)シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団

    サントリーホール  7時

 デュトワが客演した12月定期の、これはB定期。
 ドビュッシーの「サラバンド」と「舞曲」(いずれもラヴェル編曲)、ファリャの「スペインの庭の夜」、ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲という、なかなか面白い流れを持った選曲だ。

 A定期の「ペレアスとメリザンド」が素晴らしい演奏だったので、今日も大いに期待したのだが、━━たしかに「デュトワ&N響」らしい美音は随所に聞かれたけれど、演奏そのものは、いわゆる陶酔感に誘われるような情感には乏しいという、N響によくあるタイプの演奏にとどまったように思われる。今日は2日目で、テレビもFMも入っていなかったので、ルーティン的演奏になったか? 

 ピアノのソロは2曲ともユジャ・ワン。独り若々しいアニマートなソロで気を吐いたが、それでも常よりは「それほど燃えない」抑制した演奏になっていたかもしれない。
 ファリャと、休憩を挟んで演奏したラヴェルの協奏曲とで、彼女は衣装を替えて登場した。ラヴェルでは右の裾が全部割れるという例のドレス姿で、━━角度によっては水着同然に見えなくもない彼女の衣装に、デュトワをはじめ、日ごろ謹厳なN響の弦のオジサンたちの顔が今日は妙に和んでいる様子が、何とも面白かった。

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