パリ、テキサス(ヴィム・ヴェンダース)

 タイトルの勝利なのかな…、ハッとするような画作りがあったり、長回しに堪える演技といった見どころはあるのだけど、物語に対してやっぱり長すぎるという印象でした。

 作品としては、登場人物に共感できるかどうかが映画の評価とイコールとはならない、そういう見方は浅薄である、という理屈もあるのだけど、とはいえ主人公にもその妻にも共感できなかったというのはやっぱり大きいのかな。子どもに対して無責任だよね。いみじくも弟夫婦がいうように、息子はこのまま実直な義理の父母に育てられたほうが現実的には幸せだったのではないかと思う。(この映画の続きはやはりそういう風になる、ということだったのかもしれないけれど。)いつかは実の母に会いたいという気持ちは尊重するにしても。と思いました。

☆☆☆