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自宅療養という禁じ手

2021年08月25日
 

写真は先日、家族と一緒に宇津江四十八滝です。大雨からしばらくたって落ち着いてるかなぁと思ったら、まだまだ曝滝です。朝から出かけましたが、ほとんど人に会いませんでした。密を回避して、他の人たちの裏をかくというのは、ある意味すがすがしいものです。
滝は迫力があるし、涼しいし、水しぶきもすごいです。涼しい日が続いてますが、飛騨の夏は2週間というのは、今年は本当でしたね。我々の夏は終わりました。田んぼを見れば、稲がこうべをたれ始めています。
 今のところ、飛騨地域では自宅療養の若い患者さんは、(たぶん)いらっしゃらないと思いますが、美濃地方などでは、自宅療養が開始されています。東京では、すでに中等症以上でも、入院治療を受けられない方が報道されています。東京とその周囲は医療崩壊といってよいでしょう。
 飛騨地域で自宅待機となる方を想定すると、30歳未満、持病なし。自立生活可能、という線じゃないかと思います。30歳未満ならば、大丈夫か?ということですが、我々のこれまでのコロナ診療の調査では、30歳未満でも、血中の酸素飽和度が一時的でも低下したり、CTで肺炎を認めたりといった、中等症Iとなる方が半数近く認められます。発熱に伴い、一時的でも血中の酸素飽和度が低下する方がいるわけです。下の図は第4波までの当院の新型コロナ入院患者の年代と重症度・死亡数をグラフにしたものです。現在は、ワクチン接種を受けた65歳以上の患者はほとんど発生しなくなりましたので、70歳以上を無視してみてもらってもいいと思います。


第4波までは、40歳未満では、中等症II(酸素吸入を要する重症度)となる方は発生してませんでしたが、今回の第5波では30代でも中等症IIとなる方が発生しています(Data not shown)。第5波の中心はデルタ型変異株ですから、病原性が増したと推察します。ただし、2回接種後に感染した患者さんは高齢であっても、第5波では、重症患者は発生していません。
一方、自宅療養が予想される、比較的若い世代の感染者は基本的に新型コロナワクチンが未接種の方です。
 現在、新型コロナに罹患する人達は、子供を含めた家族まとめての感染が多く、両親が30代、40代であるうえに、喫煙者など健康志向に乏しいかたも多いです。喫煙などは、新型コロナ肺炎の増悪リスクでもあります。
 以上より、自宅療養中の感染者の中には、ワクチンも接種してもらえなかった上に、治療も放り出されていると感じる人が、いてもおかしくありません。こういう自宅療養の方たちが、本当に自己隔離を守れるか? 小生は、はなはだ疑問です。 現在、首都圏を中心とした感染者数はなかなか、減少してきません。これが意味するものは、隔離政策が破綻していることや、無症状患者のスプレッダーが補足できていない可能性を示唆しています。感染者数が膨大になれば、変異株発生のリスクも高いです。自宅待機ゼロが破綻している岐阜県も他人事ではないなと、そろそろ実感しています。
 ワクチン未接種の方は、まだまだ大勢おり、この方たちが新型コロナ感染リスクに、さらされています。未接種の接客業従業員の感染も目立ちます。ワクチンの接種を急ぎましょう。濃厚接触でないと判定されたが、のちに陽性となる方も、ちらほら見かけます。濃厚接触でないと判定されても、体調に不安があれば、早めにPCR検査を受けてください。ワクチン接種のチャンスが、まだない人は、フェイスガード装着(一応、エビデンスがあります)、会話に時間をかけない、アルコール消毒していない手で顔を触らないなど、今できる予防策が必要です。  
Posted by ChestSurgeon  at 21:35 │Comments(0) │新型コロナ