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再考:コロナ流行中での肺がん治療は、どうする?

2021年08月24日


 写真は改装した自宅の土蔵のキャットウォークとそこで遊んでる猫たちです。
わざわざ梁をキャットウォークにしたのに、遊んでくれなかったらどうしようとヤキモキしましたが、何とか気に入ってくれたみたいで何よりでした。
 さて、新型コロナ患者の新規感染者が出続けている毎日ですが、今のところ、当院の新型コロナ病床の稼働は約半数程度と第4波と比べると落ち着いています。5月の時点では、なかなか宿泊療養施設の開所が始まらなかったことや、隣の日赤病院のコロナ病床が工事中であったため、飛騨全体でも60~70床程度しか受け入れ容量がなかったことが影響していました。第5波では、早々と宿泊療養施設が開所しており、日赤のコロナ病棟も工事が終了していますので、飛騨全体では130床程度の患者さんの受け入れ余力がある(のかなぁ)のが、大きいですね。5月の時点だったら今頃すでに満床となってたはずですが、みんなで受け入れれば余裕があるというものです。
 しかし、この流行状況では、肺がんの手術については、現時点ではなるべく絞らざるを得ません。これは、肺癌手術の周術期に感染した患者さんの死亡率が高いと報告されているためです。術後に退院してうちに帰ったら、家族が感染していて濃厚接触者になってしまうようなことも、起こりえると思います。
 このため、ステージIの早期肺がんでは、できたら1か月程度は延期するようにしています。確定診断が、まだ得られていない患者さんでは、この限りではありませんが・・・。ステージII以上であれば、化学療法を行い、手術を延期していく方針としています。ただし、ケースバイケースですので、それぞれ患者さんの状況に応じて、手術を行っていくことも選択肢としています。すでに65歳以上の患者さんではワクチンの接種済みの方も多いのですが、まだ未接種の方の場合は、かなりリスクも高いため、入院時と手術直前にRT-PCR検査を行っています。
 まだ、コロナベッドに余裕のある状況が続いていますが、一日10人以上の患者さんの発生が続けば、10日ほどで、自宅待機が発生する恐れがあります。自宅待機患者の発生については、避けたいものです。皆さんも「ご用心、ご用心(by 一休宗純)」です。
  
Posted by ChestSurgeon  at 21:00 │Comments(0) │新型コロナ│肺癌治療