老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

明石元次郎に見る責任者の姿勢と安倍首相との違い

2020-04-14 10:38:18 | 安倍内閣
安倍首相がアップしたコラボ動画が話題になっている。

星野源が「うちで踊ろう」を歌う画面の左側で、ソファに座った安倍首相が黒い犬とじゃれ合ったり、マグカップで飲み物を飲んだりしている様子をアップしたものだ。
https://lite-ra.com/2020/04/post-5366.html

TVなどでは、賛否両論などと忖度した解説をしていたが、その大半はあきれかえって物も言えない、というのが正直なところだろう。どうも官邸の誰かが星野源の動画に目をつけて、振り付けをしたのらしい。

以前、江戸時代の武士道の「君、君足らずとも 臣、臣たれ!」と言う話を紹介したが、どうも現在の首相やその側近たちは、「君、君足らず 臣も臣足らず!」という最悪の状況になっているとしか思えない。今日(4/13)も菅官房長官が不景気な面で聞くに堪えない言い訳をしていたが、この危機に何を言っているのか。

日露戦争時活躍した軍人には、東郷平八郎など有名な軍人が多数いるが、あまり知られていないが、非常に重要な活躍をした軍人がいる。

明石元次郎陸軍大佐(当時)である。彼は、福岡県出身。藩校(修猷館:現在でも福岡の有名な進学校)を出て、陸軍士官学校を卒業。

日露戦争開戦前、参謀本部次長の児玉源太郎の指示を受け、欧州の反ロシア運動やロシアの革命運動家たちの支援を行い、ロシア国内の反戦、反政府運動の火に油を注ぎ、ロシアの対日戦争継続の意図を挫折させようとした。

・・・「日露戦争中全般にわたり、ロシア国内の政情不安を画策してロシアの継戦を困難にし、日本の勝利に貢献することを意図した明石の活動は、後に、明石自身が著した『落花流水』などを通じて巷にも日本陸軍最大の謀略戦と称えられるようになった。参謀次長長岡外史は、「明石の活躍は陸軍10個師団に相当する」と評し、ドイツ皇帝ビウヘルムも、「明石元二郎一人で、満州の日本軍20万人に匹敵する戦果を上げている。」と言って称えたと紹介する文献もある」・・
ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/明石元二郎

彼がこの諜報作戦のために使用した金額は莫大なものだった。当時の国家予算2億3000万。そのうち100万円(今の価値で言えば、約400億円以上)を彼一人の裁量で使用した。

当時の参謀総長山懸有朋、参謀次長長岡外史らの決断とされている。もちろん、その陰には彼の能力と人柄を評価した児玉源太郎の力もあった。

その明石元次郎にこういう逸話が伝わっている。

当時、彼の自宅は、屋根瓦も傷んでいて、かなり粗末。外見も非常に悪かったそうだ。彼の友人が見かねて、「あまり外聞も良くないので、直したらどうだ」と忠告した。

その時彼はこう答えたそうだ。
「これで良いんだ。俺は諜報活動の為に、莫大な金を使用している。その俺が家を直してみろ。それ見て見ろ。奴は諜報活動の金を私物化していると言われるに決まっている。みすぼらしいくらいの家で丁度良いんだ。」

事実、明石元次郎は日露戦争後、機密費なので本来国庫に返す必要のない金にも関わらず、『27万円』(約100億)を返却したというエピソードが伝えられている。

「花見を自粛しろ」と国民に呼びかけておいて、奥さんの花見は、それに当たらないと嘯く。
「緊急事態」を宣言しておいて、イタリアの記者にできなかった責任を問われ、「辞めれば良いというものではない」と自らの責任を拒否する。
国民に人との接触を8割絶てと自粛を求め、多くの国民が塗炭の苦しみに追いやられているというのに、自らが「犬と戯れる」動画をアップする。

わたしには、安倍首相のこの感性が、全く理解できない。彼には、明石元次郎の100分の一も「国家の運命」を担っているという自覚がないのだろう。

明石元次郎は、どれだけ国家の為にお金を使っても、自らの私腹を肥やすためには使わなかった。彼は人間としての【恥】を知っていた。【君、君足らずとも 臣は臣たれ】の典型のような軍人だったと言える。

安倍首相と側近の官僚たちの【無恥、無能力、無責任】と大違いである。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水

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