コロナワクチンの利用の点で、最近タイ国が面白いアイデアを発信している。一つは異なったワクチン種を併用するアイデア。もう一方は現在の筋肉内注射から皮下注射へ変えるアイデア。
前者のタイ国のアイデア:異なったワクチン種を併用。
現在タイはAstraZenecaワクチンを主に使用中。だが入手性に問題がありワクチン接種スケジュールに支障が出ている。それに対応するため入手しやすい中国製Sinovacを1200万回分輸入するという。
1回目に不活化ウイルス型ワクチンのSinovacを、2回目に現在のウイルスベクター型のAstraZenecaを使用するというワクチン併用のアイデア。入手性に問題あるAstraZenecaワクチンの使用量を半分にできる方策である。智恵を働かせた面白いアイデアである。
早速このアイデアと同じ趣旨の取り組みを行う国が出ている。1つはキューバ。キューバは現在自国製ワクチンを使っているが中国製のSinopharmの併用を考えているようだ。Sinopharmを2回接種に使い、ブースター用に自国産ワクチンを想定しているという。
もう1カ国はこの日曜に河野氏が打ち出した日本。AstraZenecaワクチンを併用するアイデアを打ち出している。現在PfizerとModernaに片寄っていて接種率拡大スピードを上げにくい状況(さらに今回Modernaの異物問題が重なった)にカンフル剤が必要だったことからの、河野氏のアイデアだったと思われる。
その後、加籐氏からこのアイデアを進める場合には安全性有効性等の確認を事前にしっかりやるべきという、尤もな考えも出されている。併用法(1回目にAstraZenecaを使い2回目にPfizerかModernaを使う考えのようだ)の善し悪しの判断に必要な作業を迅速に進めることを求めたい。
後者のタイ国のアイデア:接種の方法に関する。
現行の筋肉内接種法のワクチン量の20%から25%のワクチン量を皮下に接種することで、現行の筋肉内接種とほぼ同等の有効性が得られるとタイ国の研究者は発表している。
接種法を変えることでワクチン量を4分の1または5分の1に減らせられる可能性があるというこのアイデアに追随する動きは今の所見られない。残念な状況と思う。
少なくともWHOは呼応して欲しい。普段ことある毎に富裕国と途上国との接種率の格差問題(50-60%対10%以下が現在の実態でしょうか)を訴えているし、富裕国側のブースター接種の動きを阻止してその分を途上国側へ回してほしいとWHOは訴えている。
この問題には富裕国側にも充分理解できる理由がある。2回接種済みの人達のかなりの部分が接種から半年が経とうとしている。そのワクチンの有効性が半年くらいで減弱化することが知られている。よって富裕国側もブースター接種が必要になる時期を迎え始めている。
この問題には、一方に100%の理があり、他方には理が全くないとは言いにくい綱引きと思えます。根本問題はワクチン量が足りていないということでしょう。WHOとしては本来ワクチン量をどうやって増やすかを考えるのがポイントの一つです。勿論基金を募ってワクチン獲得競争に参戦しやすくする方策もあるでしょう。
しかしタイ国が折角打ち上げてくれたアドバルーン。皮下接種がタイ国研究陣の言うように有効性安全性等で問題がなければ、ワクチン量が一挙に4倍から5倍に跳ね上がるアイデアのアドバルーンではないですか。
WHOとして何故呼応する動きが出ないのか。例えば是非を見極める検討を早急に進めたい位のことが何故言えないのか不思議に思う所です。
ワクチンをビジネスチャンスとして又は覇権の材料にしたいという思いがあることは充分考えられますが、WHOはまた違った立場でしょう。
タイ国のアイデアが眉唾物であるかも知れません。がそれならそれで、そのことを早く知りたい所です。アドバルーンを膨らませる努力が見たいものです。その膨らませ役としてはWHOが最適な立場にいると思うのですが。
そしてその結果出る是非に関する判断がどう出るか早く見てみたいものです。今後の動向(タイ国とWHO等)を注視しています。
「護憲+BBS」「 メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
前者のタイ国のアイデア:異なったワクチン種を併用。
現在タイはAstraZenecaワクチンを主に使用中。だが入手性に問題がありワクチン接種スケジュールに支障が出ている。それに対応するため入手しやすい中国製Sinovacを1200万回分輸入するという。
1回目に不活化ウイルス型ワクチンのSinovacを、2回目に現在のウイルスベクター型のAstraZenecaを使用するというワクチン併用のアイデア。入手性に問題あるAstraZenecaワクチンの使用量を半分にできる方策である。智恵を働かせた面白いアイデアである。
早速このアイデアと同じ趣旨の取り組みを行う国が出ている。1つはキューバ。キューバは現在自国製ワクチンを使っているが中国製のSinopharmの併用を考えているようだ。Sinopharmを2回接種に使い、ブースター用に自国産ワクチンを想定しているという。
もう1カ国はこの日曜に河野氏が打ち出した日本。AstraZenecaワクチンを併用するアイデアを打ち出している。現在PfizerとModernaに片寄っていて接種率拡大スピードを上げにくい状況(さらに今回Modernaの異物問題が重なった)にカンフル剤が必要だったことからの、河野氏のアイデアだったと思われる。
その後、加籐氏からこのアイデアを進める場合には安全性有効性等の確認を事前にしっかりやるべきという、尤もな考えも出されている。併用法(1回目にAstraZenecaを使い2回目にPfizerかModernaを使う考えのようだ)の善し悪しの判断に必要な作業を迅速に進めることを求めたい。
後者のタイ国のアイデア:接種の方法に関する。
現行の筋肉内接種法のワクチン量の20%から25%のワクチン量を皮下に接種することで、現行の筋肉内接種とほぼ同等の有効性が得られるとタイ国の研究者は発表している。
接種法を変えることでワクチン量を4分の1または5分の1に減らせられる可能性があるというこのアイデアに追随する動きは今の所見られない。残念な状況と思う。
少なくともWHOは呼応して欲しい。普段ことある毎に富裕国と途上国との接種率の格差問題(50-60%対10%以下が現在の実態でしょうか)を訴えているし、富裕国側のブースター接種の動きを阻止してその分を途上国側へ回してほしいとWHOは訴えている。
この問題には富裕国側にも充分理解できる理由がある。2回接種済みの人達のかなりの部分が接種から半年が経とうとしている。そのワクチンの有効性が半年くらいで減弱化することが知られている。よって富裕国側もブースター接種が必要になる時期を迎え始めている。
この問題には、一方に100%の理があり、他方には理が全くないとは言いにくい綱引きと思えます。根本問題はワクチン量が足りていないということでしょう。WHOとしては本来ワクチン量をどうやって増やすかを考えるのがポイントの一つです。勿論基金を募ってワクチン獲得競争に参戦しやすくする方策もあるでしょう。
しかしタイ国が折角打ち上げてくれたアドバルーン。皮下接種がタイ国研究陣の言うように有効性安全性等で問題がなければ、ワクチン量が一挙に4倍から5倍に跳ね上がるアイデアのアドバルーンではないですか。
WHOとして何故呼応する動きが出ないのか。例えば是非を見極める検討を早急に進めたい位のことが何故言えないのか不思議に思う所です。
ワクチンをビジネスチャンスとして又は覇権の材料にしたいという思いがあることは充分考えられますが、WHOはまた違った立場でしょう。
タイ国のアイデアが眉唾物であるかも知れません。がそれならそれで、そのことを早く知りたい所です。アドバルーンを膨らませる努力が見たいものです。その膨らませ役としてはWHOが最適な立場にいると思うのですが。
そしてその結果出る是非に関する判断がどう出るか早く見てみたいものです。今後の動向(タイ国とWHO等)を注視しています。
「護憲+BBS」「 メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan