宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

刑事訴訟法などの改正が必要と最高裁大法廷、「平成28年(あ)第442号」裁判で、令状なしの任意捜査での県警GPS取り付けは違法と判決

2017年03月15日 16時42分25秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」

[写真]最高裁判所=高架・左側、東京都千代田区隼町=、手前の民進党本部(同区永田町)前から、2015年、筆者・宮崎信行が撮影。

 最高裁判所大法廷は、平成29年2017年3月15日(水)午後3時、県警が捜査令状をとらずに、GPSを取り付けるのは違法だ、とする判決を出しました。

 昨年10月5日付の当ブログで、この動きを伝えましたが、最高裁は立法措置が必要だ、としました。

 この事件の事件番号は「平成28年(あ)第442号」。

 事件名は「窃盗、建造物侵入、傷害」です。

 判例は、いずれ、次のところで、検索して全文読めるようになると思います。最高裁判所判例データベース参照。

 窃盗で最高裁大法廷まで行くのは珍しいかもしれません。

 判例は、県警がGPSを捜査対象に取り付けるのは、裁判所が発行する捜査令状が必要だと、としたもの。さらに、立法措置が必要だとも、書き加えたようです。

 刑事訴訟法第197条は、捜査については、その目的を達するために必要な取り調べができるが、但し、強制の処分は、この法律に特別の定めがなければ、これ(捜査)をすることができない、としています。

 前が任意捜査、後ろが強制捜査になります。例えば、被疑者や関係者に任意で出頭を求めたり、鑑定を第三者に依頼することは任意捜査なので令状はいりません。通常逮捕したり、押収したり、勾留したりする場合は強制捜査ですので、令状が必要です。裁判の場でする証人尋問も強制捜査ですが、これは裁判所ですので令状は要りません。

 立法措置が必要だという意味ですが、刑事訴訟法には、電磁的記録の捜査に関するやり方が書き込まれていますので、解釈の仕方を整理するための項目が必要だ、という意味合いなのかと思います。

 最高裁判所発足以来、法曹内外から最も批判を浴びる長官となった、寺田逸郎長官ですが、来年1月9日に定年で、今年末に安倍首相が後任を選ぶことになります。民法再婚規定の見直しを促しすでに立法化した事件に続き、刑事訴訟法での改正も促したことで、寺田長官が批判をかわしながら後任の長官選びなど人事の主導権を維持し続ける考えも見え隠れするところです。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

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[お知らせおわり]

しました。総理官邸の人の出入りをチェックしながら、その現場で原稿を書いていたので、原稿の書き方は他社の記者さんから教わった、というエピソードを聞きました。

 山本さんは面白い人で、岡崎守恭政治部長との面談で「政局だけでなく、外務省をやって政治記者としての幅を広げたい」との趣旨のことを言ったら、本当に外務省クラブ配属になって、大あわてだったとか。そこから勉強を始めた数ヶ月後、頑張りが認められて、1997年夏の米国デンバーサミットに橋本龍太郎首相の同行記者として、日本経済新聞社を代表して、政府専用機に同乗しました。

 その後は、参議院クラブを1人で担当し、政局取材に戻りました。私が新党友愛などの衆院会派「民主友愛太陽国民連合(民友連)」を担当していたときは、参院側の動きを教えてもらいました。

 このとき、本来は私の担当ではない、参院公明党の大幹部に夜回りに行ってほしい、と頼まれ、ピンチヒッターを務めました。山本さんは平身低頭でしたが、私は参院公明党の幹部の自宅を訪れて、話を聞くチャンスが出来😐て良かったと思います。その1年後に自公連立政権ができたときは、「なるほどそういうことか」と思ったわけです。

 日経新聞政治部というと、何だかすごい組織のように思う方がいらっしゃるかもしれませんが、政治部長、デスク(次長)、論説委員兼編集委員、労組専従をのぞくと、21人という小所帯でした。

 総理官邸、国会、党本部、議員会館、議員宿舎、幹部議員の自宅、首相官邸スタッフの官舎・自宅のほか、政治部担当の役所(外務省、労働省、総理府、総務庁など)をハイヤーで飛び回っていました。毎月の所定外労働時間が200時間前後に上るという超絶な拘束時間の中で、僕はうつ病になり、長いトンネルに入りました。

 2007年7月まで自民党参院議員を務めた景山俊太郎さんがブログに書いてくださいました。

(引用はじめ)

景山俊太郎のはつらつブログ

日経新聞社敏腕記者 山本拓さんが永眠されました。 残念至極
http://kageyamashuntarou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-fb92.html


長い間お付き合いさせていただき、最も信頼しあっていた山本拓さんが亡くなりました。44歳という若さです。本当に残念です。私は彼に夢を抱いていました。いずれワシントン支局長になり日経の政治部の屋台骨をささえてほしいという願いでした。実現できず残念です。島根の遠くから彼に感謝し、深く哀悼の誠をささげます。子供さんのご成長を祈っています。

(引用おわり)

 景山さんは、竹下登・青木幹雄秘書グループの出身ですが、山本さんの葬儀には青木事務所出身者が複数名いらしたそうです。複数名いらしたというところに、山本さんの人望を感じます。

 なお、景山さんは「山本拓さん」と書いていますが、本名は「山本拓史」で、「山本拓」は愛称として定着していた、ということのようです。

 山本さんは、リハビリ中に、各社の記者仲間の会合に出て来て、なかなか自由にならない舌を一生懸命に回して、復帰の夢を語っておられたそうです。

 日経新聞社というのは、一度入社すると辞められないしかけが随所に施されており、同期入社では、私は記者として最初に脱出できました。私より先に広告局から脱出した同期は、祖父が総理経験者で、両親ともに国会議員です。私たちのように脱出が可能な境遇に生まれていなければ、私もこうして夏の暑さを感じ、蝉の鳴き声を聞いていられなかったかもしれません。

 かつて松下幸之助は社員にこう言いました。

 「『松下電器は何をつくっている会社ですか?』と聞かれたら、『人をつくっている会社です』と答えなさい」

 私は日経社員にこう言います。
 「『日本経済新聞社は何をつくっている会社ですか?』と聞かれたら、『人を壊している会社です』と答えなさい」

 民主党政権は国の出先機関の統廃合を進めていますが、労働基準監督署を都道府県に移管して欲しいと思います。すなわち、警視庁・道府県警察本部に統合してほしいと考えています。

 私は山本さんに、日経政治部の構造的な問題点を指摘したことがあり、そのとき、山本さんから「お願いだから俺を殴ってくれ」と言われたことがあります。もちろん、そのような振るまいはしていませんが、よく考えれば、山本先輩も自分と同じ労働者なのですから、文句を言う相手が違っていました。そして、山人生では、「二大政党デモクラシーの定着」という最大目標だけでなく、労働者を救い出す行動も、していかなければいけないと思います。

 喪主を務めたお父様は、「会社はあらゆる配慮をしてくれた」との趣旨のごあいさつをなさったとのことで、それを信じたいです。

 山本記者のご冥福と、お子様の健やかな成長を可能にする環境を、こころから恭(おかざき・もりやす) tags 石川一郎 日本経済新聞社常務 いしかわいちろう 日経もと政治部長  


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