【写真】3月中旬の財務省の日の丸、2016年、筆者・宮崎信行撮影。
【参議院予算委員会 平成29年2017年3月15日(水)】
来週の3月21日(火)と3月22日(水)に委嘱審査をすることが決まりました。
21日が特別委員会、22日が常任委員会。23日以降採決ということになりました。2月28日から参議院での審議になっていますが、昨年同様に、2016年体制に変わっても、参議院自民党はしっかり時間をとる、といったところのようです。
平成29年度予算案の審議はきょうで、13日目、そのうち一般質疑はきょうで7日目となります。
きのう、働き方改革で質問を早めの打ち切った、と紹介した、矢田稚子(矢田わか子)さんですが、はじめからきょうのトップバッターだったようです。分配だけを審議している民進党には珍しく、矢田さんは第四次産業革命を取り上げて、成長にも言及。世耕経産相は「委員がお勤めになっている会社(パナソニック)もそうだと思うが、日本は垂直分業が多い。平行分業でのイノベーションが必要だ」とし、「AIを学習させるディープラーニングだが、自動車の走行だけでも我が国の持っているデータは莫大だ」と成長性を示唆しました。これとは別に、最後の方で、無所属の薬師寺道代さんは、「日本の医療ビッグデータが、中国や米国に出回っているのではないか」と指摘しました。
自由党の山本太郎さんは、水道法改正案(193閣法49号)を取り上げました。厚生労働省は、水道の運営を民間に開放した自治体でも、料金の上限と下限は条例で決めることになっている、と法案の条項を説明しました。どうやら、料金が安くなる、というメリットを利用者が得ることは無さそうです。
けさの一面トップでも、稲田朋美防衛大臣が虚偽答弁で窮地と報じられました。昨夜の報道ステーションの後藤さんの解説では、弁護士だから咄嗟に否定したうえで後から落としどころを考えている、という習性があるというような解説を、官邸・与党関係者はしている、とのことで、納得しました。民進党の杉尾秀哉さんから「稲田さんのお父さんの椿原さんは、関西保守運動の中心的人物だった」と指摘し、「籠池さんとは家族ぐるみの付き合いだったのではないか」と問いました。稲田さんは「私たち夫婦は、籠池さんのご主人とも奥さんとも知り合いだが、家族ぐるみの付き合いではない」と語りました。
【衆議院厚生労働委員会 平成29年2017年3月15日(水)】
「雇用保険法改正案」(193閣法3号)が採決され、共反対、自公民維賛成多数で、「可決すべし」と決まりました。法案は「4月1日施行」となっていますので、参でもスピード審査され、月内に成立すると思われます。討論では共産党が「束ね」と「日切れ」を批判しました。同感です。
審査はきょうで4日目(趣旨説明だけの日を含む)でした。井坂信彦さんは「新卒採用の内定時に、労働条件を明示した書面を交付している会社はどれだけあるか?」と問いましたが、政府側は、新卒に分けた統計はないとしました。共産党の高橋千鶴子さんは、「読売新聞の記事を添付したが、経団連と連合がきのう、労働基準法36条にもとづく協定による裁量労働者の月額上限を100時間とすることで決着した」と今後提出される法案の前さばきをしました。もう、共産党議員が連合に言及しても何の違和感も無いところですが、高橋さんは全労連女性部の資料も入れた質疑をしました。日本維新の会の河野正美さんは医師・看護師の確保について質疑。要するに、雇用保険法改正案に関する質疑は尽くされたという雰囲気で、採決になりました。とりあえず、波静かなスタートとなりました。
【衆議院外務委員会 平成29年2017年3月15日(水)】
重要広範議案となっている「日英ACSAの承認案」(192条約2号)「日豪ACSAの承認案」(193条約1号)「日英ACSAの承認案」(193条約2号)が審議入りしました。
これに先立つ、一般質疑では、小熊慎司さんが「南スーダンPKOの撤収は評価したい」としました。答弁には、外務省大臣官房儀典長、防衛省・自衛隊統合幕僚監部総括官など、新しい役職の人も参加しました。
【衆議院文部科学委員会 平成29年2017年3月15日(水)】
「義務教育職員標準法を改正して基礎定数を増やす法案」(193閣法14号)は前回質疑終局していました。採決の前に共産党が「賛成だが、職員の体制も見直すべきだ」とする修正案を提出。採決では、修正案は共のみ賛成で否決。政府原案は、共を含む全会一致で可決すべしと決まりました。この後、民進党の太田和美さんが附帯決議(案)を提出し、可決しました。
同じく「4月1日施行」と書き込まれている、給付型奨学金の法案が審議入りしました。やや慌ただしい印象です。
「独立行政法人日本学生支援機構法改正案」(193閣法2号)。松野博一文部科学大臣は「意欲と能力がある学生が経済的理由で進学をあきらめることがないよう、機構の目的や業務に、学資支援を追加する」ことが「法案の提案理由と概要の説明だ」と語りました。きょうは与党のみの質問で終わりました。もともと、大日本育英会という名前で始まっているようで、やはり、奨学金という光と、戦争という陰の気配はあるなあという感じもします。参考人質疑を17日(金)午前9時30分から開くことを決めました。
【衆議院財務金融委員会 平成29年2017年3月15日(水)】
こめじるし法案は、関税とIMF出資の2本残っていますが、きょうは一般質疑。国有地問題に関する、集中審議となりました。第193回国会でおなじみの顔となった、佐川理財局長は「一億総活躍社会の実現のために、地方公共団体を通じて、学校法人に国有地を売却した」と、官邸への忠誠心を示しながら、答弁。参議院予算委員会との関係で、午前9時45分から午後3時40分までの7時間55分にわたり、休憩となりました。手続きの複雑さに野党も手を焼いている印象もありました。次回は21日(火)午前9時から。今国会もこめじるし法案は3月からはみ出しそうな気配。与党ペースだった国会が、じわりと、野党ペースになってきました。
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(C)2017年、宮崎信行。
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