宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

それからの“第二の故郷” デモクラシーの川上で

2008年06月29日 22時00分00秒 | ルポ)最年少町長さんの誕生(2008年2月)

 今週は旅行の予定があるんで、インターネットでいろいろ調べごとをしています。

 そうすると、何となく前回2月の旅行先のことが頭に浮かびました。

 2月、和歌山県印南町(いなみちょう)に現役最年少町長さん(市区町村長を含めた最年少首長)が誕生してから、もうすぐ半年。読売新聞のデータベースを見ていたら、選挙の1週間後にこんな出来事があったと分かってビックリしました。

(引用はじめ)
2008. 03. 08
 「印南町選管委員4人が辞職」
 
 印南町選挙管理委員会の委員3人が、「一身上の都合」を理由に2日付で辞職願を提出し、6日夜の臨時委員会で認められた。これを受けて、滝口茂昭委員長(61)も辞職した。
 後任は6月の町議会で選任される見通しで、それまでは補充員3人が委員として同選管の業務に当たる。滝口委員長ら4人は、昨年12月に選任されたばかりだった。
(引用おわり)

 改革を訴えた前町議(34)が、前町長の後継者である前教育長(64)に116票差で当選し、町長に就いた2月24日のちょうど1週間後の3月2日付で、選管委員全員が辞表を提出したのです。在任わずか3ヶ月間。これには驚きました。

 地方自治法は、選管委員の任期は4年で、人格が高潔で政治及び選挙に関し公正な識見を有するもののうちから、自治体議会が選挙する、と定めています。

 1年半以内に衆院選、1年半後には町会選が予定されているのに、デモクラシーの正統性を保障する選管委員がこのようなことでは困ります。

 次に6月には次のような記事が出ました。紙面の扱いは「3段見出し、40~50行、写真付き」だったようです。「町」としては大きな扱いです。
 インターネット上には出ていないようですから、長文ですが全文引用させていただきます。

(引用はじめ)
 2008. 06. 03
 印南町、住民票を自宅にお届け 印鑑証明も 高齢、障害者世帯など=和歌山

 印南町は2日、高齢者世帯などを対象に、住民票や印鑑証明を宅配で交付するサービスを始めた。町役場まで出かけるのが困難な高齢者や障害者の家庭に、職員が届ける。県内で初めての試みという。
 印南町の高齢化率は29・3%(3月末現在)で、65歳以上だけの世帯が全体の4分の1以上を占める。役場まで車で40分以上かかる地域もあり、車の運転免許を持たない人も多い。「役場まで出かけるのがひと苦労だ」との声があり、宅配制度を導入することになった。
 対象は、65歳以上だけの世帯、要介護認定を受けた人、障害者、療育手帳を持っている人などで、電話やファクスで受け付ける。申し込みが午前中ならその日のうち、午後なら翌日の午前中に職員が自宅へ届ける。交付手数料(200円)は必要だが、配達料金はかからない。将来的には、戸籍謄本の宅配も検討する。
 町住民課は「宅配は年間約40件と見られ、職員の大きな負担にはならない。お年寄りらの家を訪ね、話が出来る方のメリットが大きい」としている。
 
 写真=住民票の交付などを受け付ける印南町役場の窓口。高齢者世帯や障害者を対象に宅配も始めた 

(引用おわり)

 そういえば、うっかり書き忘れていました。

 選挙から一週間か十日ほどした頃でしたでしょうか。印南町在住の「Kさん」と名乗る老紳士からお電話をいただきました。
 「名前だけ言っても、私のこと思い出せないでしょう?」というKさん。
 お顔を拝見すれば分かるんでしょうが(^^;) 選挙事務所は出入りが激しいので、分かりません<(_ _)>

 で、そのKさんは「あれからTVに取り上げられたり、印南もだいぶ変わってきましたよ」と選挙後しばらくの町の変化を教えてくださいました。

 Kさんは「どうですか?東京に戻って。印南より東京の方がずっといいでしょう?」と難しい質問をしてきました。
 「私の場合は東京は故郷ですから。誰だって故郷が一番良いでしょう」と答えると、Kさんは「それでは、印南町を第二の故郷だと思ってくださいね」とおっしゃってくれました。

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