第23回参院選(7月21日投開票)から、インターネット選挙解禁となりますが、クラウド上のビッグデータ選挙元年ということになるでしょう。
このブログは、筆者のパソコン上にあるのではなく、NTTレゾナント社の「goo」の中にあります。このようにパソコンではなく、サーバー上にある情報を、「クラウド(雲)」と言います。
有権者同士の投票依頼の電子メール送信が見送られてしまいました。残念です。ちなみに電子メールはパソコンですが、GメールやYahooメールなどのウェブメールはクラウドになります。ですから、電子メールでは、Gメールのやりとりによる情報はグーグル社が所有するビッグデータという財産ということになります。
このようなクラウド上の情報をビッグデータと言い、このビッグデータの解析技術が急拡大しています。
ビッグデータという言葉はまだ聞き慣れないかもしれません。
例えば、アマゾンの画面上で、オススメの本が紹介されるのもビッグデータの解析です。グーグルが無料なのは、広告収入よりもビッグデータの売却益を意識しているのです。フェイスブックも同様です。さらに、YouTubeとなると、動画なので、データ量が膨大になります。動画というビッグデータの解析は、テキスト(文章)に比べれば未開拓ですが、技術の進歩によっては、YouTubeの莫大なビッグデータが高付加価値で売買されるようになるでしょう。一方、アップルはビッグデータへの進出が遅れています。
こうなってくると、民主党お得意の、大手広告代理店のテレビCM、新聞広告丸投げはあまり意味がありません。
むしろ、民主党本部が主導して、高価で大量なビッグデータを購入し分析する業者と契約して、選挙区ごとに分けて、総支部長に有権者データを提供することが求められます。
民主党を構成する2つの柱。一つは生活者の党。もう一つは改革者の党。
前者においては、9割以上を占める公明党公認候補者がいない選挙区において公明党に好感する層への働きかけが有効でしょう。後者においては、みんなの党の公認候補者がいない選挙区で、同党支持者に働きかけることが有効になります。前者と後者で「口説き文句」は変わってきます。そこにもビッグデータ解析結果が反映されます。
第23回参院選はビッグデータ選挙元年になります。
非拘束名簿式全国比例では、選対は、特定の利益の関心がある人に全国どこでも働きかけることができます。
例えば、基幹労連の組織内現職がJAMの応援を受けて再選をめざしますが、基幹労連もJAMも必ずしも組織化が進んでいる産別ではありません。そこで、日本のものづくり全般に関心がある人に働きかけることが有効です。例えばグーグル検索で「ものづくり」「ハイテクニッポン」に関心を持っている人。しかし、選挙まで2ヶ月しかないし、ビッグデータは高額だし、分析し、選挙にいかすようなシステムを開発するのは間に合いません。だったら、フェイスブック、ツイッター、ヤフー掲示板などで、ものづくりについて書き込んでいる人にメールを送るという方法もあるでしょう。
一方、自民党のJA組織内候補は、TPPをめぐる党公約との齟齬もあり、葉たばこ農家や販売業者へのしめつけを強めています。今回は間に合いませんが、今後、この陣営を切り崩したければ、葉たばこの全量買い取り制度の廃止を求めているJTに目を付けます。JT製品(たばこ)を通信販売で買いだめしているJA組合員をビッグデータで割り出して切り崩すことも可能です。
つまり「名簿からビッグデータへ」という流れが第23回参院選から始まります。
そもそも、インターネットというのは書き込まずにただ読んでいるだけでも、どの県から接続しているか分かります。私が使っている無料のアクセス解析のクラウドサービスでも、例えば、「高市早苗さんの夫の山本拓さんが細野豪志さんをモナリザはいくらですか?とヤジったこと」に関心がある人は、参院選1人区に多いことが分かります。自民党本部は、未入閣の山本拓さんを、1人区に派遣すれば「高市政調会長のだんなが演説に来る」との口コミで意外と人が集まるかもしれません。
第47回衆院選小選挙区では、党本部や県連がビッグデータ解析業者と契約することになるでしょう。党本部から総支部へのしめつけがきつくなるかもしれませんが、80億円ものお金をテレビCM広告代理店に出費するようなばかげた兵糧の使い方よりもずっとマシです。もちろん、日時を絞ってCMを打ち、それを見て欲しいというメール作戦もできるようになるでしょう。永田町周辺で生き残れるのは、ビッグデータを購入できる超大手広告代理店なしいはシンクタンクと、スマートな個人営業の選挙コンサルタントに2極分化するでしょう。
インターネット選挙解禁とビッグデータ解析は、私たち有権者にとって有利になります。
グーグル検索を活用しましょう。私たちは自分の考えに近い陣営から働きかけを受けられます。すなわち、オーダーメイド型の選挙戦が参院で行われるようになります。インターネット選挙解禁で表現の自由が広がるのは、立候補者ではなく私たち有権者です。
グーグル検索もいいですが、今夏を見すえては、フェイスブックの特定のページに意見を書き込むのが、永田町から自分への橋をかけることになります。「絶対に自民党を支持します」と書き込んだら、選挙区で1人しか擁立していない場合は、陣営からの働きかけは逆にこなくなるでしょう。そのスタンダードの掲示板がどこになるか。とりあえずは、安倍晋三さんのフェイスブックに、ネガティブなコメントを書いている人に働きかけるのが、民主党陣営にとっては手っ取り早いような気がします。
「発信」としてはツイッターが気軽でしょう。ツイッターは、選挙後の日常でも破壊力があります。私はツイッターを使って政治倫理に問題がある中村哲治元議員を落選に追い込んだと自負しております。
一方、アイフォーンで、GPSを活用しながら応援演説会場のリポートをしても、アップルは「クラウドよりもダウンロード」がビジネスということになりますから、あまり効果がないのかもしれません。
このように、ビッグデータ元年の第23回参院選は、私たち有権者の時代の幕を開けるものです。個人情報の特定をおそれることなく、積極的に政治発言をすべきです。
ワイドショー政治から、オーダーメイドの選挙戦へ。
インターネット選挙解禁で得するのは、政治家でも、広告代理店でもなく、私たち有権者です。
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