選挙中は毎日、地方紙や全国紙の地方版を見ています。きょう付の読売新聞・山形版のこの記事は全国どこにも言えることだと思います。
その前に小沢一郎さんのやり方について一つ。昨秋に民主党公認が出た新人・元職には「公認料」という名目の活動資金500万円が支払われました。そして、「調査委託費」として総支部長の個人名義の口座に振り込まれてきた月20万円、これは個人名義ですから生活費に充てることができますが、このお金の振り込みが打ち切られました。
そして、その後は「支部活動費」などの名目で、重点選挙区~テッパンないし厳しい選挙区によって、「300万円・200万円・100万円・0円」というランク付けがされた活動資金が五月雨式に総支部名義の口座に振り込まれました。入金に気付いて、ヤッター!と万歳する状況で、10ヶ月間もの解散先送りに耐えてきました。ただ、このお金は生活費に充てられない性質のものですので、多くの新人・元職は個人名義の借金を作りながらこの戦いにのぞんでいます。
ところが、解散当日にすべての現職・新人・元職ないしその1親等以内の親族が集められ、公認証とともに500万円の現金、これがまたしても「公認料」という名目のようですが、現金が渡されました。まして新人・元職は午後3時過ぎに渡された物ですから、銀行が閉まっています。小沢さんというのはまったく細かい配慮に欠けている。こういう風にすると候補者の小沢さんに対する求心力は高まるわけで、その手法自体はまあ参考になりわけですが、それはさておき私は意義を唱えたい。
山口2区の平岡秀夫さん(当選4回=うち1回は補欠選挙)はブログで
(引用はじめ)
その後、別室で、各人の公認料が渡されました。公認証授与式も、公認料の手渡しも、私にとっては初めてのことでしたが、「いざ、出陣」というムードは高まったように思います。
(引用割り)
と書いています。公認料手渡しについてはあまり触れていない候補予定者が多いのですが、平岡さんは「いざ出陣ムードは高まった」として、小沢代表代行の意図は理解しながらも、その手法にはいささかの疑念を持っていることがうかがえます。
昨年10月の解散が延びに延びて「7月21日解散~8月30日投票」に“追い込んだ”のは地べたをはいずり回った総支部長の健闘によるものです。世間は「麻生さんの優柔不断、判断ミス」だと思っているのですから、それを一々訂正する必要はありませんが、その頑張りの結果が借金になっているのが現状です。
で、そういう緊張が最高潮になった状態で500万円の現金を渡されたのです。金融機関出身者は平然とし、官僚出身者は笑いが止まらない、地方議会出身はその中間。女性は平然としてるが、付き添いの親族、代理の親族は不安げ。ずいぶん心理学の勉強にはなりましたが、私がそんな勉強をしている場合ではないのです。
16年前の総選挙では、私は候補者をクルマで党本部まで送り、その友人の候補者と2人を送って帰りました。後で、手提げ袋には、1人2000万円の現金が入っていたと知って、合計4000万円の現金を乗せてクルマを運転していたことに震えました。それに比べると、小沢さんの資金力もずいぶん落ちたものですが、それは不況だからしょうがないとして、今は銀行振り込みが当然です。個人名義のお金と法人名義のお金をキッチリ分ける性格の人が、第45回衆院選で国政に打って出ようと民主党を選んでくれていることを小沢さんは全く分かっていない。
雑誌「TIME」が、「自民党政治を終焉させようとする小沢自身がイチバン自民党的だ」と指摘し、「小沢のパラドックス(小沢の逆説)」と名付けています。民主党は小沢さんの下、政権交代を実現すると共に、“小沢的要素”からの卒業という逆説を求められていると思います。
2009年夏の衆院選は「政治を国民の手に取り戻す」チャンスです。ぜひ、候補予定者と国民が事情を一緒に分かち合う、共有する。政権交代のその先にあるのは、一人一人の“小沢卒業”です。
資金繰り陣営悲鳴 : 山形 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
投票まで最長の40日
8月30日に投開票を迎える衆院選は、7月21日の解散日からの期間が40日間と、現憲法下で最長となった。しかしその分、立候補予定者の出馬に向けた活動の経費もかさむ。多くの陣営では、昨年秋に衆院選が近いと見込んで事務所を一時開設した経緯があり、すでに出費が膨らんでいる。各陣営とも懐具合をにらみながらの活動が続いている。
県内のある候補予定者の陣営では、昨年秋に元パチンコ店を改装して事務所を開設したが、結局選挙日程は流れ、事務所は2か月ほどで閉鎖した。今月、元自動車修理店を改装して新しい事務所を開設。相場の半値ほどで借りることができたが、陣営関係者は「昨年の事務所は結果的に無駄になったので、余計な出費はできない。人件費を抑えるしかない」と話している。
昨秋から街宣活動を続ける陣営は、「1年間のガソリン代や、食費、飲料水費がすでに大きな負担になっている」と悲鳴をあげる。別の候補予定者の陣営では、「臨戦態勢が続いたことで、ポスターやちらしの発行回数が増え、余計な経費がかっている」と明かした。電気代節約のため「クーラーでなく扇風機を使ったり、窓を開けてうちわを使うようにしている」と涙ぐましい努力をする陣営も。
膨らむ活動経費について、立候補予定者の一人は「活動が長い分、資金集めが大変。2、3日は活動を中断して支援者に資金調達のお願いに伺わねば」とこぼす。一方で「期間が短いと回り切れない小さな集落などを回るチャンス」と前向きにとらえる声もあり、各陣営とも懐具合と相談しながらの活動が続く。
(2009年7月29日 読売新聞)
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