宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

福田首相、太田農相の事務所費問題を内閣改造時に把握していなかったもよう

2008年08月28日 13時37分15秒 | その他

 太田農相の事務所費問題です。

 福田首相が27日夜の記者団からのぶら下がりインタビューで、

 Q.太田農相の事務所費問題を事前に把握して任命したか?
 A.事務所費問題はいろいろな観点から問題がある。任命すると思いますか。

 と答えました。
 これに関しての報道は2つのとらえ方があるようです。

 ①事務所費問題を説明できなければ、太田農相を辞めさせる。
 ②内閣改造にあたっての太田誠一議員への“身体検査”が十分でなかった。

 まず、今週中の課題としては、①のとらえ方が重要です。

 しかし、9月12日からはじまる臨時国会では、②が重要です。これは福田首相の任命責任が問われるからです。首相の責任が「知りませんでした」では済みません。この場合は、内閣官房にある内閣情報調査室、内閣府に置かれた警察庁をはじめとする“警察ファミリー”が政権に対して非協力的な可能性があるからです

 中曽根首相が後藤田正晴さんを中曽根政権の最初と最後の内閣官房長官に採用したのは、後藤田さんが警察庁長官(官僚)出身だったからでしょう。後藤田さんは衆院議員になってからも警察ファミリーに大きな影響力を持ち続けました。宮沢首相は後藤田さんを副総理兼法相に据えました。法相は検察を監督します。東京地検特捜部長は法相の部下にあたります。

 先日の読売新聞世論調査では「民主党に政権担当能力があると思いますか」との問いに55%の人が「思わない」と答えています。

 しかし、世界の200か国の半数以上では、新政権の「政権担当能力」とは、警察と軍が大統領や首相に忠誠を誓った時点で、政権担当能力を持ったという意味になると私は考えています。

 この辺は我が国が米軍(マッカーサー)の占領統治時代を除けば、70年近く、政党による政権交代を経験していないから、このような答えになると思います。

 民主党の小沢代表は警察大臣にあたる「国家公安委員長」を中曽根内閣で経験していますし、自衛隊に関する政策にも強かった経験がありますから、「政権担当能力」は十分にあります。小沢さんが昨年11月に「民主党には政権担当能力がない」と発言したのは、「今のままでは衆議院選挙で過半数をとれない(=政権につけない)」という意味だと私は理解しています。

 2007年以降、農相の「政治とカネ」に関する問題は、松岡さん、赤城さん、遠藤(武)さん、太田さんと4人目です。しかも松岡さん、赤城さん、太田さんの3人が「主たる事務所」に関する問題です。

 これは教育・子育ての分野で言えば、「学習能力がない」という極めて深刻な問題です。

 農業も、教育も、くらしも政治の根源的な問題です。
 「君子は本を務む 本立ちて道生ず」(論語)といいます。福田首相の判断は政権に行き先を左右する重大な問題となってきました。

おかげさまでベスト10を維持しています。
政権交代=二大政党制」で「今日よりも良い日本へ!」と思う方は・・・
1日1クリック!  こっちもクリック
         
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ     

疑惑晴れねば進退も 首相、農相に説明要請(共同通信) - goo ニュース

 福田康夫首相は27日夜、太田誠一農相の事務所費問題を事前に把握していても任命したかと問われ「事務所費問題はいろいろな観点から問題がある。任命すると思いますか」と記者団に答えた。太田氏が架空計上などの疑惑を晴らせなければ、進退問題も含め厳正対処する考えをにじませた発言とみられる。ただ、「太田氏が説明すると言っている。結果を待ちたい」として事態を見極め最終判断する考えを示した。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「どこから手を付けるか大変... | トップ | イェ~イ、みんな見てる~(^_... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿