民主党(DPJ)は4日、温室効果ガスの国内排出量取引制度を2010年度に設けることなどを定めた「地球温暖化対策基本法案」を参院に提出しました。
排出量取引市場の創設を盛り込んだ法案は日本で初めてです。
民主党地球温暖化対策本部長の岡田克也さんがまとめ、民主党が第一党を担う参院に提出しました。
発議者は参院議員の福山哲郎、直嶋正行、広中和歌子、大石正光各氏ら8人。
早ければ秋の臨時国会で参院で可決する可能性があります。
この法案の目玉はなんといっても第14条です。
① 国は国内排出量(排出権)取引制度を創設し、平成22年度(2010年度)から実施する。
② 温室効果ガスの排出枠の割り当て対象者、割り当て方法、割り当て対象者の排出状況の公表などを定めた法律を施行する
としています。
基本法はまず、
国には「地球温暖化対策を総合的かつ計画的に策定し、実施する責務」、自治体には「区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、実施する責務」があると明確に定めています。
中長期目標として
国内での温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、六フッ化硫黄など6物質)の排出量を
①2020年までに、1990年比25%削減する
②2050年までのできるだけ早い時期に1990年比60%超の削減をめざす
という“キャップ”(排出量の上限)をかぶせることにしています。
排出量取引とは「キャップ・アンド・トレード(cap and trade)」。キャップがなければ取り引きが成り立ちません。
中長期目標
基本計画
都道府県計画
市町村計画
と各層の計画をきっちり定めた上で、目標を達成した企業(省エネ企業)はその“排出枠”を未達成企業に売って、おカネを得ることができます。
おカネがインセンティブ(動機付け)になる。
この瞬間に、企業の地球温暖化対策が理念から利益に変わるわけです。
排出量取引はEUで始まっているほか、米国(連邦と一部の州)、カナダ(同)、オーストラリア、ニュージーランドでは準備が進んでおり、日本の対応は先進国で最も遅れています。
参考)世界の動きに関しては、三菱総合研究所研究員の橋本賢さんがNIKKEI NET に書いている次の記事が参考になります。
「排出権取引所」創設へのうねり(08/06/03)
http://eco.nikkei.co.jp/column/emission/article.aspx?id=MMECcb000002062008
福田首相が排出量取引市場創設について自民党にハッパをかけているようですが、商工族議員の反発で、自民党としての統一方針をまとめるにいたっていません。
民主党が先手を打って法案を提出したことで、参院で年内に可決し、ねじれ解消後に成立する可能性が出てきました。
岡田さんは昨年のバリ島でのCOP13に非政府代表として参加。野党ですから会議で発言はできませんが人脈を作り、世界の動向を学びました。
(写真はブログ「岡田かつやTALK-ABOUT)
5月の連休には、環境先進国として日本を追い越したドイツを視察しています。「次の総選挙の最大の争点は地球温暖化だ」とブログに綴るほど、気候変動(climate change)に打ち込んでいます。
なお法案には地球温暖化対策税(環境税、炭素税などと呼ばれる)の新設も入っています。
温暖化対策はリーダーシップが必要です。話し合いではどうにもならない。
私個人は、「地球温暖化は岡田克也に賭けてみよう」と考えています。
法案は下のページからダウンロードできます
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=13418
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ありがとうございました。
タグ 民主党の地球温暖化対策 温暖化ガス 炭素税 排出権 排出権取引市場 環境税 ガソリン税 地球温暖化対策税 DPJ climate change policy of DPJ(Democratic party of Japan)
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