宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

石川知裕さんが議員辞職 小沢一郎氏の日本改造計画出版20年の日に

2013年05月21日 16時22分51秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]石川知裕さん。筆者撮影=一太さんの「民主党政権への要望」に若手・石川知裕さんが即答 から

【2013年5月21日(火) 衆議院本会議】

 衆議院議員・石川知裕さん(39歳)の辞職が許可されました。 

 国会法107条は「各議院は議員の辞職を許可することができる」とあります。「許可」とは法律上禁止されていることを特別にできるようにすることです。

 衆議院先例86には「議員辞職の件は、議事日程に記載しないで、おおむね会議のはじめに諮るのを例とする」とあり、会議の冒頭に諮られました。辞職の理由は「一身上の都合」。

 石川さんは民主党公認で第44回衆院選(郵政選挙)で惜敗した後、荒井聰さんが北海道知事に立候補したことによる補欠として、2007年3月27日(火)の衆議院本会議で河野洋平議長から「この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。第五十番、北海道選挙区選出議員、石川知裕君。〔石川知裕君起立、拍手〕」と紹介されました。

 そして、2013年5月21日(火)の本会議で辞職と言うことで、一人で当選して、一人で去っていくという、何となく彼らしい格好となってしまいました。第44回~第46回衆院選で3連続で当選したので、戸別訪問を徹底した「戸別の王様」としての足腰の強さを見せました。最高裁で判決が確定すると、公民権停止3年になると考えられますが、個別恩赦という制度もあるし、なんとなるような気がします。

 在職6年は、すでに衆議院では240番目、中堅となっていました。本会議登壇の機会は残念ながら一度もありませんでした。

 誤解があるでしょうから解いておきたいのは、石川さんは民主党総支部長として初当選しており、合併前の自由党で公認を受けた過去はありません。そして、民主党は自発的に離党しており、師である小沢一郎氏らと違い、除籍になっていません。ここはポイントとしておさえておきたいところです。

 さて、きょうは小沢一郎氏の「日本改造計画」出版から20周年ということになります。本の奥付には「5月20日」とありますが、アマゾンの発行日には「1993年5月21日」とあります。発行日と発売日の違いとか、実際に店頭に並んだ日の違いがあるのかもしれませんが、ビッグデータの時代では、アマゾンの記述が標準になることは確実です。

 この本の冒頭には「米国アリゾナ州北部に有名なグランド・キャニオンがある」「ある日、私は現地へ行ってみた。そして、驚いた」「転落を防ぐ柵が見あたらないのである」とあります。さる土曜日に私が聞いた話だと、現地では、グランド・キャニオンで死んだ人の記録を淡々と集めた本が売られていて、お土産としてベストセラーだそうです。

 「痛勤に3万時間もかかる」として「膨大な時間の損失」「まさに「通勤地獄」の「通勤奴隷」というほかない」(188ページ)、「企業はますます栄え、そこに働く個人はますます自由になる」「本末転倒、住宅を餌にして企業に飼われている労働者になりさがってしまう」(206ページ)とあります。私は出版当時、学生として「宮澤解散選挙」に忙しい中も、日本改造計画を貪り読んでいました。しかし、日経新聞政治部記者時代の1997年12月28日に小沢一郎氏が新進党解党の暴挙を働いて以来、殺意を持つほど、恨み、憎んできました。仮に新進党が残っていたら、2000年には政権交代し、労働者の奴隷化は緩和されていたでしょう。

 石川さんの著書「悪党ー小沢一郎に仕えて」では、「高校生の頃から、ロック歌手より、アイドルより小沢一郎が気になっていた」(51ページ)としながらも、「翌年8月、非自民8会派による細川政権が発足する。「政権交代に感動して政治を目指した」と言えれば私も立派な政治家になっただろうが、あの夏はそれどころではなかった」(53ページ)としています。

 彼が長期間、三重県議選四日市選挙区で先輩の応援に行っていたことについて、「小沢の秘蔵っ子として若くして新進党を引っ張っていた岡田克也さんの地盤は固い」「「カネがないから、負けた」私の瞳から涙がこぼれ出た。私は子どもの頃からほとんど涙を流したことがない」(55ページ)とあります。ここで「岡田さん」と「カネがない」とのキーワードはすぐ近くに配されていますが、ていねいに読むと2つのキーワードに関係がないことが分かります。定数8に立候補者9人の選挙にそんなにお金がかかるものでしょうか。投票日前から祝勝会をしていたようにも聞いています。

 この辺の記述がいったい何を意味しているのかは私も十分に分かるところですが、何とも政治業界とは因果なものであるとしかいいようがありません。

 最近では、同世代で、過去にさかのぼって「自分は新生党だった」と主張する人が多い、人気の「元新生党」ですが、私は石川さんの「元新生党」が事実であると証明します。元新生党は改革の志をある時期必ず持っていた者です。なぜなら、自民党に残るという選択肢もあったわけですから。

 実は、私は彼の実家であり選挙区である、十勝地方には一度も足を運んだことがないのですが、いかんせん遠くて、新人のライバルはあまり現れないと考えられるので、非自民で自立して立候補する能力を持つ唯一の政治家として復活してほしいと願っています。

 一つだけ悔やまれるのは、私が紹介した2人の弁護士、一人はマスコミに強い元記者、もう一人は東京地検特捜部検察官OBを雇っていてくれれば、そもそも逮捕されなくて済んだのではないかという点です。

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