ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 

2025.09.05 2025.09.05 11:28 企業

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像1

●この記事のポイント
・発売から20年を迎えるメンズシャンプーのトップブランド「スカルプD」が、安定的な売上を誇りながらも、ブランドコミュニケーションを刷新。
・刷新の背景には、競合の増加やAGAクリニックの台頭に加え、消費者が「薄毛・抜け毛対策」だけでなく「なりたい自分」を追求する意識の変化がある。
・ブランドの持つ多岐にわたる機能を「髪と地肌をメンテナンスする」というメッセージで伝え直し、幅広い世代の理想の自己表現をサポートすることを目指している。

 発売から20年が経ち、いまだメンズシャンプーのトップブランドとして走り続ける「スカルプD」。
 今回、ブランドコミュニケーションの刷新を行い、ボトルデザインの変更とともに、プロダクトが発信するメッセージも消費者の悩みにアプローチした「育毛・発毛」から、「なりたい自分」に目を向けるものへと大きく刷新しています。 

 安定的な売り上げや盤石なブランド認知があるにもかかわらずなぜ? 

 社内からも、疑問の声が上がったという今回のブランドコミュニケーションの刷新。アンファー株式会社の狙いとはどのようなものなのでしょうか?
 アンファー株式会社 スカルプDブランドマネージャー 吉川 竜司氏に、「スカルプDが安定を超えていく理由」をお聞きしました。 

●目次

市場を切り拓いたパイオニアの現在地

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像2

——まずはじめに、改めてスカルプDについて教えてください。 

 私たちアンファーは、”予防医学”の啓発と普及を目的に大学病院や各分野の専門医とともに共同研究を行っており、医療×プロダクトの商品開発を強みとしています。実はスカルプDも、頭皮、頭髪の医師と共に頭皮環境を整えるシャンプーとしてクリニック専売品として販売したのがブランドのはじまりなんです。 

 2005年、一般市場への販売を開始。幾度かリニューアルを重ねつつも、“頭皮を洗う”というキーワードの軸はぶらさず、今年ブランド誕生20年目を迎えました。お陰様で多くのお客様にご愛顧いただき、今年でメンズシャンプー売上16年連続NO.1※を獲得しています。 
※富士経済「化粧品マーケティング要覧2025 No.3」 メンズシャンプー・リンス メーカーシェア(2024年実績) 

——今回、大きくブランドとしてのコミュニケーションを刷新したスカルプDですが、まずは現状の顧客層や市場でのポジションを教えてください。 

 大きな割合を占めている顧客層は、30代後半から40代の方々です。スカルプDがすでに20年続いているブランドで、長く継続している方も多いため、少し高い年齢層の方にも使っていただいていますね。 
 市場においても「薄毛や抜け毛という悩みにアプローチできる商品」と、年代問わずに認知していただいていると理解しています。 

——スカルプDが高い認知度を獲得し、発売から20年経っても安定した売り上げを保っている要因は、どこにあると考えていますか? 

 要因はおもに2つあると考えています。 

 まずは、当時まだ競合他社がほとんどいなかったことです。 
 我々がスカルプDを発売した2005年当時、メンズシャンプーは存在していたものの、頭皮環境に着目したスカルプシャンプーはまだジャンルとして確立されていませんでした。アンファーがスカルプDを発売することで、市場のパイオニアとしてジャンルを切り開くことができたことが、現在の認知度や売り上げの安定化に大きく寄与していると感じます。 

 そして、当時黎明期だったECとプロダクトの相性がよかったことです。 
 スカルプD発売時、ECモールは主流ではなく、シャンプー市場はドラッグストアやバラエティショップなどのリアル店舗が主戦場でした。 
 そんな中、アンファーはいち早く自社ECサイトへの誘導を行っています。その動きが当時の「髪の毛や頭皮の悩みを人に話しづらい」「なるべく人目に触れずに購入したい」というニーズに合致しました。 
 当時の価値観が、スカルプDの持つプロダクトの性質とうまくハマったのだと思います。 
 これが、自社ECサイトでの売り上げを大きく躍進させ、現在も自社定期継続率が7割と、強いファンづくりの基盤となっています。 

——一方で、現在のスカルプDの売り上げは一時期の伸び率よりもやや緩やかになっているようにも見えます。 

 その要因のひとつとして、他社の参入が増加し、消費者の選択肢が増えたことがあります。メンズシャンプー市場の拡張のみならず、近年はユニセックスシャンプー市場も急成長しています。それにともなって、市場に中価格帯のシャンプーも増えましたね。 

 また、AGAクリニックの台頭で、薄毛や抜け毛に対して「治療する」という考えが一般的になってきていることも、スカルプDの売り上げや市場の変化に大きく影響してます。 

 こうした消費者の価値観や意識の変化がある今、薄毛や抜け毛にアプローチするイメージがあるスカルプDが市場において、どうポジショニングしていくかを考えていくべき転換点にきていると考えています。 

「薄毛・抜け毛対策」だけでは立ち行かない!?消費者の意識変化とは

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像3

——実際に、消費者の髪の毛や頭皮に対する意識変化は感じますか? 

 感じますね。やはり、これまで髪の毛の悩みには「触れられないこと」という感覚があり、会話に上がりづらい話題でした。 
 しかし、SNSでもケア方法の情報が増えていたり、企業側でも抜け毛や薄毛に関する情報を発信したりと、以前よりもオープンになっている印象です。 

 また、若年層の意識の変化が、スカルプDを購入するような年齢層の意識変化にも影響しているのではと考えています。 
 若年層の方々を見ていて感じるのは、自己表現に対する意識が非常に高い、ということ。自分がなりたい姿になる、つまり自分のマイナスポイントやコンプレックスをカバーするだけでなく、よりプラスアルファになる要素を求めて、プロダクトを選ぶ傾向があります。
 そういった若年層の持つ価値観を、上の世代の方々も日々感じることで、抜け毛や薄毛といった悩みの解決だけでなく、身だしなみや清潔感など、いかに自分自身が理想とする要素を積み上げていくかという部分への意識の高まりを感じます。 

——消費者の意識の改革とそれにともなう市場の変化が、すでに磐石にも思えるスカルプDブランドコミュニケーションの刷新のきっかけになっているのですね。 

 抜け毛や薄毛に対する認知度やアプローチという点において、スカルプDは非常に強いプロダクトであると感じる一方、これまでのように悩みに対する対策というだけでは市場でのシェアは維持できないと考えています。 

 先ほどお話したように、若年層の自己表現や美に対する意識の高さに、引っ張られる形で、上の世代の意識も自分自身に対するプラス要素を求める形に変化しています。 

 時代の変化に合わせてコンセプトを見直し、プロダクトに反映していかなければ時流についていくことはできません。 

 多くの世代に拡大しつつある新たな価値観に対し、スカルプDではむしろ「スカルプシャンプー」の原点に立ち返り、頭皮の油分と水分のバランスを整え、頭皮環境を整えることで薄毛抜け毛だけでなく、様々なミドル男性特有の髪悩みにマルチにアプローチできることをコミュニケーションしていくチャレンジを決めました。 

 実際、継続してスカルプDを利用している顧客の方々は、ただ薄毛や抜け毛対策としてスカルプDを使っているのではなく、頭皮のケアやフケ、ニオイ対策など、デイリーケアとして使っている方が多くいます。こういった「これまでもあったはずの価値」を、新たな価値観やトレンドに合わせて提案するというイメージです。
 もちろんこういったコミュニケーションのあり方の変更は、今回だけでなく、今後も続けていくべき挑戦であると考えています。 

多角的アプローチでプロダクトの価値を再定義

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像4

——実際に、今回刷新を行ったポイントを教えてください。 

 シャンプーは毎日の習慣だからこそ、できるだけストレスなく使っていただきたいですよね。そこで、詰め替えではなく外側のボトルから中身の容器を“付け替え”するだけのパッケージにしたり、使うたびに中の容器が収縮していくエアレスポンプを採用することで最後まで無駄なく使いきれたりと、パッケージの変更を行っています。 

 実はこのパッケージ変更は2022年に行ったものなのですが、今回のブランドコミュニケーションの刷新に合わせて、ボトルをよりスリムにし、スマートな印象に変えています。 

 しかし、やはり大きく変更したのは消費者に対するメッセージですね。 
 多くの方がデイリーケアに使っていることにも表れているように、スカルプDの機能は多岐に渡っています。 
 これまでは発毛・育毛という領域の機能を強くメッセージとしていたのですが、今回キャッチコピーを「髪と地肌をメンテナンスする。」と変更しました。髪や地肌の悩みや状態に広くアプローチし、理想の自己表現を可能にするプロダクトであることを消費者に伝えるコミュニケーションを目指しています。

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像5

 ブランドコミュニケーションの刷新にともない、ホームページで発信するメッセージやデザインも変更しました。 
 これまではやはり、薄毛や抜け毛といった悩みへの訴求を前面に打ち出していましたが、消費者へのメッセージを「頭皮の健やかさ」や「薄毛や抜け毛以外のミドル男性の髪悩み」に訴求するものに変えています。
 ページデザインも、これまではフォントや黒っぽいカラーで男性らしさを強調したものでしたが、今回からは洗練されスタイリッシュさを意識したカラーやトーンになっています。 

——しかし、すでに「発毛や育毛に強い」というイメージが定着しているスカルプDにおいて、新たなメッセージや提供価値の浸透は難易度が高いことのように感じます。 

 そうですね。実は今回のリニューアルは、「顧客とギャップが生まれるのではないか」「消費者へのメッセージを変えることで売り上げに影響するのではないか」など、社内からもややマイナスな反応が多かったのです。 
 我々も前提として、提供する価値を広げていくことやそれにともなうメッセージの刷新などは時間がかかることだと理解しています。 

 スカルプDに対する固定イメージを変えていくためには、プロダクト単体ではなくシリーズ全体での消費者へのコミュニケーションが必要です。実は、今年3月に若年層をターゲットとしたシャンプーシリーズ「スカルプD ネクストプラス」が登場しています。「スカルプD ネクストプラス」は、「自分をデザインする」をコンセプトとし、シャンプーでスタイリングしやすい髪を作るヘアスタイリングシャンプーです。 

 ターゲットに合わせてアプローチを変え、幅広い層にスカルプDの持つ機能性や価値を提供することで、新規の消費者層にも、既存の消費者層にも「スカルプDとはどういうブランドなのか?」を再認識してもらう。 
 結果としてシリーズやプロダクト全体の価値を再定義し、さまざまな商品や接点を通じて再注目してもらうという戦略を考えています。 

 実際、スカルプD ネクストプラスの登場によって、20代の顧客も増えていますし、トレンドに沿った価値提供ができていると感じます。
 そういった現状を目の当たりにして、最初はリニューアルに否定的な意見が多かった社内の雰囲気も、前向きなものに変化しています。 

アンファーの挑戦が市場の価値観を変えていく

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像6

——今回の提供価値の拡大やメッセージの刷新は、今後のアンファーや市場にどのような影響を与えるものだと考えていますか? 

 世の中のトレンドとして、問題や課題だけに目を向けるというものから、自分をどう表現していくのか? という方向に熱量が向いていくという流れは、今後も確実に広がっていくものだと感じています。 
 今回のスカルプDのリニューアルは、悩みや理想と向き合うことをプラスに捉え、それを自己表現として昇華していくきっかけを多くの方に与えられるものだと思っています。 
 実は我々は、育毛や発毛という領域に強みを持っているからこそ、人を真に魅力的に見せる要素は「髪の毛の量や状態」ではなく、「どれだけ自分に向き合い、ケアしているか」だと感じているんです。リニューアルがこういった新たな気づきを提供し、皆が頭皮の健康やケアに対してオープンに発信したり情報を得たりできる世の中になるための一翼になればと考えています。
 企業としても、常にトレンドの先を見ながら柔軟に価値提供を行い、消費者の方々を牽引していく存在になりたいですね。 

* 

 アンファーが今回のリニューアルで示すのは、新たな価値観を支えるブランドとして、挑戦を続ける姿勢。 

 既存のイメージや安定に留まらず、変化していく時代に合わせて自分たちの価値を柔軟に変化させるアンファーは、これからも人々が持つさまざまな可能性を引き出し、自己表現を後押しする存在であり続けるのではないでしょうか。 

 スカルプD、そしてアンファーの挑戦は、単なるヘアケアを超え、人々が自分らしく生きる未来を形づくっていきます。 

※本稿はPR記事です。

購入はこちらから
https://item.rakuten.co.jp/angfa/cp_set5/

BusinessJournal編集部

Business Journal

ポジティブ視点の考察で企業活動を応援 企業とともに歩む「共創型メディア」

X: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」