2025-09-05

anond:20250905112703

”「基調物価(Underlying Inflation)」は日本では比較的新しい概念であり、2015年にはじめて定義が整理されている。その頃は欧米FedRBAのMedian CPIやTrimmed mean CPI)と同様の発想で、CPI観測データ分布処理による基調の捕捉がメインの議論であった。インフレ高騰局面では価格下落品目が少なく、上方裾野が伸びる形の分布になりがちなので、トリムをかけると上方の外れ値(大幅上昇品目)の寄与を削る効果の方が強く出るため、結果として中央値・刈込平均は総合指数ほど上がらないことが知られている。「CPI(低変動品目)」も同様で、動くものを削って行けば動かなくなるに決まっている。”

  • ”需給ギャップのマイナス推移は現実のGDPが潜在GDPより低く、設備や労働力を十分に引き出せていないことを意味する。しかし人手不足によって制約された設備稼働率の低迷が恒常化す...

    • ”そもそも、潜在GDPにしろ、労働市場のトレンドにしろ、「経済指標に長期的なトレンドを引く」作業は困難というか、結局のところエイヤーであり、そんなものに頼って末期の天動説...

      • ”日本政府には「脱デフレ宣言」をあえて出さないモチベーションがある。インフレを放置した方が、設備投資が済んだ実業家・経営者がインフレでバブルを謳歌できるので何となく景...

        • ”逆に金融緩和の支持者もインフレの継続が自身の利益になるから支持しているのであって、「本当の物価」を追い求める旅に迷い込んでしまった日銀の思考には1ミリの共感も興味も...

          • ”次に「基調的物価」である。日銀執行部の講演や記者会見を聞いていると、何やら「今2%に下から近付こうとしてまだ届かない」物価指標というのがあるらしい。更に日銀はそれを...

            • ”「基調的物価(Underlying Inflation)」は日本では比較的新しい概念であり、2015年にはじめて定義が整理されている。その頃は欧米(Fed やRBAのMedian CPIやTrimmed mean CPI)と同様の発想で、CPI...

              • ”日本CPI特有の現象として、帰属家賃の上がりづらさが挙げられる。帰属家賃は家賃と合わせてコアCPIの20%前後を占める。ただでさえ借地借家法のおかげで家賃そのものの値上げが緩慢...

                • ”日銀は「今のインフレは財の輸入インフレが主であり、サービス物価はまだ2%に届いておらず弱い」と繰り返している。確かに財は毎年同じ率で上昇する理由があまりないので、サー...

                  • ”更に近年、CPIと関係ない色んな概念が加わってきて、今の「基調的物価上昇率」は様々な数字の混合体となっている。” (略) ”かようなる曖昧な概念を、現実の物価指標を代替する...

                    • ”本来、インフレ期待とは結果的に実績CPIと合わなくてもいい、それがインフレ期待というものではないか。” ”基調的物価に「期待インフレ」まで組み込む日銀のやり方は世界的に見...

                      • ”家計のインフレ期待の処理は更に傲慢さに満ちている。生活意識に関するアンケート調査で問われた家計のインフレ期待は概ね家計のインフレ体験と連動している。” ”家計にとって...

                        • ”記者会見において「総裁、基調的物価は上がってきましたか」「総裁、基調的物価は2%に近付きましたか」と、あたかも自分達には見えない「正解」を与えてもらう形で神託を伺うよ...

                          • ”普通は2022年の米国のように、物価目標を超えるインフレになったら金融政策も引締め方向に転換するため、「インフレでは名目値であるEPSが膨らむ」という論理で株を買ってインフレ...

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