素晴らしい映画で、俳優陣の演技の凄さや、構成、ストーリー、細かな演出、ゲイ社会に対する深い解像度については既に他の人が書いてくれてるから、私は特に言うことがない。
龍太(宮沢氷魚)に自己を投影し、自分の中の闇を見て絶望した。
私は、絶世の美女ではないが、そこそこ可愛くてモテるタイプで、どうやったら男が自分に惹かれるか分かってるから、ついつい面白がって知り合った男達を次々に恋に落としてしまう。寂しさ半分、楽しさ半分で。
龍太の、自分の魅力を分かってて、出会う男達を次々と恋に落としていくあの感じ、性別は違えど私そのものじゃないか。
金銭的な動機100%でもなければ、純粋な恋心100%でもない。それらがないまぜになって、どちらが優勢なのか自分自身でも分からないまま、見ないふりをして男を手玉に取っていく様子が、まるで自分のようで見ていて苦しかった。
そんなゲームを、いつまで続ける、続けられるんだろうか。