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レッドクリフ Part1

今更ながらレッドクリフ Part1を観てきました。

三国志ですが、吉川栄治の三国志を読み、横山光輝の三国志(実質吉川栄治原作)を読んだものにとっては別解釈になりますので、そこはあえて期待もせず観ました。

三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)
三国志〈1〉 (吉川英治歴史時代文庫)

まあ、期待してみるとダメなのはわかってましたから・・・

にしても・・・です。

三国志の名を借りるのなら許せないところが何点かありました。
(と言っても相対的には面白かったですよ・・・)

・張飛が武器無しで素手で戦うのは・・・
・演義をモデルにするのなら諸葛亮の知略を強調しないと・・・
・トニーレオンの周兪はミスキャスト・・・
・オープニングの説明は・・・いらない(吹替版を観に来たかと勘違いした)

まあ、上の 4 つはいただけないこと間違いないところです。

他にも劉備がボンクラに見えたり、小喬が強調されすぎていたり、予告編からそうでしたが曹操が小喬を狙っているようなストーリーであったりと言い出せばきりがないですが、それらは演出ですから・・・

変わってアクションは三国無双の映画化のような感じで、ジョン・ウーらしくてよかったと思います。

まあ、娯楽作品ですからこんなもんでしょう。そもそも三国志演義が娯楽作品ですから、正史に合わせると劉備は単なる田舎のヤクザ集団の親分だったという話もありますからね。最後に苦言を・・・レッドクリフと銘打つなら、赤壁の戦いは外せないのに直前で Part1 が終了するのはどうなんでしょうか。せめて、開戦しておくべきではないかと思いました。

最後に一言。日本でも「赤壁」というタイトルで公開すべきだったと思います。まあ、レッドクリフとすることで多様な客層が取りこめたんだと思いますけどね。

硫黄島からの手紙

硫黄島からの手紙
硫黄島からの手紙

なぜにここまで評価が二分するのか・・・父親たちの星条旗との比較の話ですが、2部作であるがゆえんでしょうか。こちらはアカデミー賞ノミネートで、もう一方は完全無視に近い評判です。

日本では、やはりアカデミー賞のこともあり、硫黄島からの手紙が多く取り上げられ、映画を見るまでもなく、内容がわかってしまうような状況でした。そんな状況で見たわけですから、期待以上とまではいきませんでした。

渡辺謙演じる栗林中将についても、渡辺謙の味が出すぎていて、イマイチと感じました。逆に父親たちの星条旗では、そういった俳優の個性も薄くドキュメンタリー映画っぽく見ることができ、その点では父親たちの星条旗に分があるのかなぁとも思います。

2部作ですが、傾向は大きく違います。

こちらは、かなり精神論を追及した内容になっています。一見合理的な栗林が最後は玉砕、自決するということが全てなように思いますが、主要な登場人物の心境を察しながら展開していき、最初から最後まで、死ぬとわかっている状況の人間の心情を描いています。これは非常にディープなことです。生きる望みが一切ないのです。残酷です。(アカデミー賞ノミネートも、この辺りの評価なのかもしれません。)

かたや、映画を見るまでに知っていた硫黄島での悲惨さは、ほとんど描かれていません。それが非常に残念です。精神的な苦痛もあったでしょうが、実際は、洞窟の中での悲惨な生活が、硫黄島という戦場のもっとも悲惨な部分だったのではないかと思います。

父親たちの星条旗

父親たちの星条旗
父親たちの星条旗

今更ながら鑑賞です。硫黄島からの手紙との2部作ですが、どちらも見ましたが、なぜ硫黄島なのか・・・それについては理解できませんでした。なぜ、題材が硫黄島だったんでしょうか。

それは置いておいて、絵作りはクリント・イーストウッドとスティーブン・スピルバーグらしく、地味なつくりです。(スピルバーグはこういった映画の場合、地味すぎるぐらい演出しないと思います。細かい部分では違うんだと思いますが、それはあまり表に現れません。)

そして、内容ですが、悪く言えば「戦争の残酷さを淡々と描いただけ」と言えるかもしれません。実際、あくびが出そうな展開で、エンターテイメント性はほとんどありません。あまり面白くないといえるかもしれません。

しかし、内容は濃いです。硫黄島からの手紙と比べてしまいますが、それが精神的に訴える内容だとすると、こちらは、戦争に対する残酷さを淡々と刻銘に描いていると思いました。アメリカの戦争に対する姿勢を踏まえると問題作とも言える内容になっています。

硫黄島での残酷さというよりも、戦争を取り巻く環境、それは政府や軍人そのものやその家族、一般市民とそれぞれの立場で、戦争について考えさせられます。それが、ほぼノンフィクション(と思われる内容)ですから、尚更です。

もう少し、エンターテイメント性があれば良かったのに・・・そんな感じです。

ハンニバル・ライジング

羊たちの沈黙ハンニバルレッド・ドラゴンハンニバル・ライジングとシリーズ化されていますが、羊たちの沈黙以外は番外編です。まあ、羊たちの沈黙が凄すぎで、他が霞んでしまうということなんですけどね。

このハンニバル・ライジングもその類で、シリーズ最大の焦点ハンニバル・レクターという人物を掘り下げた番外編です。本来ならシリーズ中(特にハンニバル)でハンニバル・レクターについてもっと語られるべきところのなのですが、そうされてこなかったからこそ、この作品の意味があると思います。

ここまでシリーズを観てきた人は、ハンニバル・レクターという人物に興味がある人がほとんどでしょうから、この作品も見ておくべきでしょうね。ただ、これでこのシリーズもネタ切れでしょう。

シリーズ的には魅力があるので、掘り下げようと思えば何作品でも作れるとは思いますけど。

ハンニバル・ライジング スタンダード・エディション
ハンニバル・ライジング スタンダード・エディション

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