STS-105
名称:STS-105
オービター名称:ディスカバリー
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:2001年8月10日
着陸年月日:2001年8月22日
宇宙飛行士:スコット・ホロウィッツ/リック・スターコー/ダニエル・バリー/パトリック・フォレスター
(国際宇宙ステーション第3次滞在クルー)フランク・L・カルバートソン/ウラジミール・ジェジューロフ/ミハエル・チューリン
(同第2次滞在クルー/帰還者)ジェームズ・ヴォス/スーザン・ヘルムズ/ユーリ・ウサチェフ
飛行時間:285時間13分
STS-105のディスカバリーは、国際宇宙ステーション(ISS)を組み立てるために行われた、シャトルによる11回目の飛行です。このミッションでは、ステーション内に5カ月以上滞在していた第2次滞在クルーのウサチェフ、ヴォス、ヘルムズの3人が帰還し、第3次クルーのカルバートソン、ジェジューロフ、チューリンが代わりにISSに乗りました。また、イタリア宇宙庁が開発した多目的補給モジュール「レオナルド」によって、3トン以上の機材や実験装置、食料、補給品がステーション内に運び込まれました。2回行われた船外活動では、P6トラスに「初期アンモニア充填装置」が取り付けられたほか、予備のヒーター電力ケーブルや実験装置「MISSE」が取り付けられました。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの?
スペースシャトル・ディスカバリーは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(ディスカバリー)と、それを打ち上げるための固体燃料ブースターロケット2基と、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。
3.宇宙飛行の目的は?
2001年3月のSTS-102でISSに乗船した、第2次滞在クルー3人(ウサチェフ、ヴォス、ヘルムズ)と、第3次クルーのカルバートソン、ジェジューロフ、チューリンを交代させることが主な目的です。さらに多目的補給モジュール「レオナルド」によって実験装置や機材のほか、食料などを補給することなどが目的でした。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
飛行3日目にステーションにドッキングし、ISSの滞在クルーの交代を行った他、多目的補給モジュール「ラファエロ」によって約3トンの資材がISS内に運び込まれました。さらに2回の船外活動により、「初期アンモニア充填装置」や実験装置「MISSE」が取り付けられました。初期アンモニア充填装置は、太陽電池などを冷やすためのアンモニアを送る装置です。P6トラスが移設されるまでには取り外されます。またMISSEは、人工衛星などに使われる材料250種類をエアロックの外の宇宙空間に晒すことのできる実験装置で、1年間宇宙空間に曝露させた後回収されます。
STS-105
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/29 02:21 UTC 版)
STS-105 | |||||
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徽章 | |||||
ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | STS-105 | ||||
シャトル | ディスカバリー | ||||
乗員数 | 7 | ||||
発射台 | 39-A | ||||
打上げ日時 | 2001年8月10日 21:10:14UTC | ||||
着陸または着水日時 | 2001年8月22日 18:23UTC | ||||
ミッション期間 | 11日21時間13分52秒 | ||||
高度 | 226 km | ||||
軌道傾斜角 | 51.6 ° | ||||
乗員写真 | |||||
年表 | |||||
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STS-105は、スペースシャトルディスカバリーによる国際宇宙ステーションへの飛行である。2001年8月10日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打上げられた。2003年2月にコロンビア号空中分解事故が起こったため、ディスカバリーのこの次の飛行は2005年7月のSTS-114となった。この期間に行われた改修で、ディスカバリーのフライトデッキは、アトランティスのようなグラスコックピットとなった。
乗組員
- スコット・ホロウィッツ (4), 船長
- フレドリック・スターカウ (3), 操縦士
- ダニエル・バリー (3), ミッションスペシャリスト
- パトリック・フォレスター (1), ミッションスペシャリスト
第3次長期滞在乗組員
- フランク・カルバートソン (3), ISS船長
- ミハイル・チューリン (1), ISSフライトエンジニア(RKA)
- ウラジーミル・デジュロフ (2), ソユーズ船長(RKA)
第2次長期滞在乗組員
- ユーリー・ウサチェフ (3) ISS船長(RKA)
- ジェームズ・ヴォス (1), ISSフライトエンジニア
- スーザン・J・ヘルムズ (2), ISSサイエンスオフィサー
かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数。
ミッションパラメータ
- 質量
- 打上げ時:116,914 kg
- 帰還時:100,824 kg
- ペイロード:9,072 kg
- 近点:373 km
- 遠点:402 km
- 軌道傾斜角:51.6°
- 軌道周期:92.3分
宇宙遊泳
- 1回目
- 人物:バリーとフォレスター
- 開始:2001年8月16日13時58分(UTC)
- 終了:2001年8月16日20時14分(UTC)
- 時間:6時間16分
- 2回目
- 人物:バリーとフォレスター
- 開始:2001年8月18日13時42分(UTC)
- 終了:2001年8月18日19時11分(UTC)
- 時間:5時間29分
ミッションハイライト
STS-105の主目的は、ISSの乗組員の交代とイタリアの建造した多目的補給モジュール(レオナルド)の2度目の飛行による物資の補給だった。また2度の宇宙遊泳が行われ、科学実験が行われた。レオナルドはISSに留まり、追加の実験場所となった。長さ6.4m、幅4.6m、重さ4082kgであり、ラファエロという名前の同形のモジュールはSTS-100とSTS-108の2度用いられた。
レオナルドには6つの補給貯蔵ラック、4つの補給貯蔵プラットフォーム、デスティニーに置かれる予定の2つの新しい科学装置ラック(EXPRESSラック4と5)が積み込まれた。EXPRESSはExpedite the Processing of Experiments to the Space Stationの略であり、これによって今後の新たな科学実験が可能となる。EXPRESSラック4は533kg、EXPRESSラック5は554kgであり、空の状態のEXPRESSラックは356kgである。EXPRESSラック1と2Aは、2001年4月にSTS-100/6Aでラファエロにより運ばれた。EXPRESSラック3は2002年のSTS-111で運ばれた。
補給貯蔵ラックと補給貯蔵プラットフォームは、Cargo Transfer Bagsに入れて運ばれた。6つの補給貯蔵ラックには約1,451kgの荷物が入れられ、4つの補給貯蔵プラットフォームには約544kgの荷物が積まれた。レオナルドに乗せられたカーゴ、ラック、プラットフォームの合計の重量は、4,990kgを超えた。カーゴの合計の重量は、約3,073kgであった。
他に積まれたペイロードは、材料曝露実験装置である。このプロジェクトは、アメリカ航空宇宙局とラングレー研究所が共同で運用するもので、その目的は将来の宇宙船の開発のために、低コストで時間がかからず簡便な宇宙での暴露実験法を確立することである。ジョンソン宇宙センター、マーシャル宇宙飛行センター、グレン研究センター、空軍研究所の材料学研究室、ボーイング社のファントムワークスもこのプロジェクトに参画している。材料曝露実験装置は、初めてISSの外壁に取り付けられた実験装置で、1999年のシャトル・ミール計画の実施時にミールでの長期滞在用に開発され、STS-76で運ばれた4つのPassive Experiment Containersの中で行われる。前回は、STS-76でミールに運ばれ、18ヶ月間宇宙空間に曝露した後、STS-86で回収された。Passive Experiment Containersはスーツケースのような外見で、スペースシャトルから宇宙基地に試験体を運ぶために用いられる。宇宙基地に着いて開けられると、その後は宇宙空間に曝露するためのラックとして用いられる。
またその他のペイロードとしては、ゴダード宇宙飛行センターのワロップス飛行施設で行われるシャトル・スモール・ペイロード・プロジェクトの一部である、Hitchhiker payload Simplesat、The Cell Growth in Microgravity GAS Canister (G-708)、Microgravity Smoldering Combustion experiment (MSC)、Hitchiker Experiment Advancing Technology Space Experiment Module-10 payload等の機器がある。
- ケネディ宇宙センターからの打上げ
- 乗組員によって操作されるカナダアーム2
- NASAシャトル着陸施設に着陸するSTS-105
打上げ
回数 | 予定 | 結果 | ターンアラウンド | 理由 | 出典 |
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1 | 2001年8月9日17時37分46秒 | 延期 | - | 天気 | [1] |
2 | 2001年8月10日17時10分14秒 | 成功 | 23時間32分 | - | [2] |
起床コール
NASAの有人飛行では、ジェミニ計画以来、乗組員は宇宙での一日の始まりに特別な音楽を流すことになっている[3]。それぞれの音楽は家族等により特別に選ばれたもので、乗組員各自にとって特別な意味を持つか、日常の業務に適したものである[3][4]。
日 | 曲 | 歌手/作曲家 | リンク |
---|---|---|---|
Day 2 | Back in the Saddle Again | ジーン・オートリー | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 3 | The White Eagle | 伝統的なロシアの民族音楽 | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 4 | Overture from The Barber of Seville | ジョアキーノ・ロッシーニ | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 5 | Arthur's Theme (Best That You Can Do) | クリストファー・クロス | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 6 | Big Boy Toys | アーロン・ティッピン | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 7 | The Marvelous Toy | トム・パクストン | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 8 | Time Bomb | Patrick and Andrew | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 9 | ホテル・カリフォルニア | イーグルス | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 10 | Under the Boardwalk | ドリフターズ | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 11 | Brand New Day | スティング | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 12 | East Bound and Down | ジェリー・リード | WAV MP3 TRANSCRIPT |
Day 13 | Again | レニー・クラヴィッツ | WAV MP3 TRANSCRIPT |
メディア
- STS-105の打上げ(3分7秒)
- STS-105の着陸(2分57秒)
出典
- ^ “Shuttle Discovery refueled for second launch attempt”. CBS News 2009年8月30日閲覧。
- ^ “Shuttle Discovery thunders into orbit”. CBS News 2009年8月30日閲覧。
- ^ a b Fries, Colin (2007年6月25日). “Chronology of Wakeup Calls” (PDF). NASA 2007年8月13日閲覧。
- ^ NASA (2009年5月11日). “STS-102 Wakeup Calls”. NASA. 2009年7月31日閲覧。
外部リンク
- NASA mission summary - ウェイバックマシン(2000年12月16日アーカイブ分)
- STS-105 Video Highlights - ウェイバックマシン(2007年7月14日アーカイブ分)
- STS-105のページへのリンク