【ハンティントン・インガルス・インダストリー】(はんてぃんとん・いんがるす・いんだすとりー)
Huntington Ingalls Industries (HII) .
2011年にノースロップ・グラマンの造船部門「ノースロップ・グラマン・シップ・システムズ」が分離独立することで誕生した、アメリカ最大の造船企業。
ノースロップ・グラマンは引き続き、同社の株主となっている。
アメリカ海軍と沿岸警備隊が使用する船舶を設計・建造・維持するとともに、世界各国の艦船にアフターサービスを提供してる。
そのシェアはアメリカ海軍の原子力潜水艦の二分の一、就役中の全艦艇の70%を占めている。
前身となった各造船所は一世紀以上に渡り、アメリカ海軍の各種艦艇の建造に携わった経験を活かし、民間向け船舶の製造も多く手がける。
同社の主要部門はニューポート・ニューズ造船所とインガルス造船所が担っている。
このことから、ニューポート・ニューズ造船所の創立者である「ハンティントン」と、インガルス造船所の創立者である「インガルス」の名前をとり現在の社名となっている。
公式サイト:http://www.huntingtoningalls.com/
主要事業所
H-II
名称:H-II
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ基地:種子島宇宙センター(TNSC)
運用開始年:1994年
運用終了年:1999年
H-IIロケットは、2t級の静止衛星を打ち上げることができる2段式ロケットです。2本の大型固体ロケットブースター(SRB)を備えています。1982年から開発がスタートし、1994年に最初の打ち上げがおこなわれました。
このロケットの第1段には、液体酸素と液体水素を推進薬とした、液体ロケットLE-7エンジンをのせています。第2段にはH-IIロケットの第2段エンジンLE-5を性能向上させたLE-5Aエンジンをのせています。
また、H-IIロケットは柔軟な打上げ能力を持っていて、2tの探査機の衛星を静止軌道に打ち上げられるほか、1tなら同時に2帰低高度軌道なら10t、火星や金星などへの惑星探査機なら2tの探査機を打ち上げられます。
誘導方式はリング・レーザー・ジャイロ(レーザー光を使ったジャイロ)と、慣性誘導計算機を使ったストラップダウン慣性誘導システムを採用しており、ロケットの飛行位置や速度を常に計算しています。これにより地上からの遠隔操作ではなく、ロケット自体が自動的に誤差を修正しながら、目的の軌道を飛行することができます。
H-IIは運用終了までに、7回打ち上げられました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
2段式。
全長50m〔第1段35m、第2段11m、衛星フェアリング12m〕。
外径4m。
全備重量260t(人工衛星の重さは含みません)。
推力は、第1段86t、固体ロケットブースター2本分316t、第2段12t。
約2tの静止衛星を打ち上げる能力があります。
フェアリングのタイプ
1.4S型フェアリング(H-II・2F使用型)
2.5/4D型フェアリング(H-II・3F使用型)
3.5S型フェアリング(H-II・4F使用型)
4.4/4D型フェアリング(H-II・6F使用型)
(1)のフェアリング部分はのせる衛星に合せて、右の図のようにいくつかのタイプが用意されていて、フレキシブルな運用が可能になっています。
2.打ち上げや飛行の順序は、どうなっているの?
まず第1段がリフトオフの6秒前に点火し、リフトオフと同時に固体ロケットブースター(SRB)を点火します。SRBは93秒間の燃焼ののち、99秒後に分離します。226秒後に衛星フェアリングを分離します。第1段ロケットは345秒後に燃焼が停止し、356秒後に分離します。362秒後に第2段ロケットの第1回点火、1484秒に第2段ロケットの第2回点火がおこなわれ、衛星を静止トランスファ軌道に投入します。
3.どんなものを打ち上げたの?
りゅうせい、みょうじょう、きく6号、宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)、ひまわり5号、みどり、ふじ3号、おりひめ・ひこぼし、TRMM、かけはし、MTSAT。
4.どのくらい成功しているの?
1999年11月までに7回の打上げがおこなわれ、うち5回成功しています。H-IIロケット5号機の打ち上げでは、第2段エンジンの不具合により、通信放送技術衛星「かけはし」を所定の軌道に投入することができませんでした。また、H-IIロケット8号機の打ち上げでは、ロケットがフライトを成功する見込みがないとの判断から、指令破壊がおこなわれました。
H-IIロケット
(H-II から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 03:17 UTC 版)
H-IIロケット(エイチツーロケット、エイチにロケット)は、宇宙開発事業団 (NASDA) と三菱重工が開発し、三菱重工が製造した人工衛星打上げ用ロケット。日本の人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケットとしては初めて主要技術の全てが国内開発された。
- ^ a b c d e 鈴木弘一著 『はじめての宇宙工学』 森北出版 2007年4月25日第1版第1刷発行 ISBN 978-4-627-69071-4
- ^ 宇宙開発事業団史編纂委員会 「宇宙開発事業団史」、宇宙開発事業団、2003年9月、257頁
- ^ 宇宙開発における計画管理は進捗によって「研究(研究→概念設計)」→「開発研究(予備設計)」→「開発(基本設計→詳細設計→維持設計)」→「運用」の4つの段階(フェーズ)に分かれている。要求に基づき仕様や計画を決めるのが「研究」、使用や計画を詳細に文書化し、新技術の試作をし実現性の目処を付け、開発体制を構築するのが「開発研究」、設計についての各種解析をし全体の試作品から実機を作るまでが「開発」である。「開発研究」までが企画立案フェーズ、「開発」以降が実施フェーズである。宇宙開発委員会は各フェーズアップに対する審査を行う。この一連の開発手法はNASAではPPP(Phased Project Planning)と呼び、NASDAが取り入れたものである。5.評価実施のための原則(文部科学省公式サイト)、設計品質確保の思想 航空宇宙エレクトロニクスに学ぶ「信頼性設計」(Tech Village 2006年3月28日)、図1 宇宙開発委員会における宇宙開発プロジェクトの評価システム(宇宙開発委員会公式サイト)を参照。
- ^ 宇宙開発事業団(NASDA)沿革 JAXA公式サイト
- ^ a b c H-IIロケット、宇宙航空研究開発機構。
- ^ わが国の宇宙輸送系の現状と今後の方向性 平成23年2月24日(首相官邸公式サイト 宇宙開発戦略本部)
- ^ 『運輸多目的衛星(MTSAT)/H-IIロケット8号機の打上げ計画書及びH-IIロケット8号機の開発状況報告』(プレスリリース)1999年6月9日。 オリジナルの2003年9月30日時点におけるアーカイブ 。2016年8月7日閲覧。
- ^ 松尾弘毅・監修 「ロケット工学」 コロナ社、2001年、191頁、ISBN 978-4-339-01222-4。
- ^ 大澤弘之・監修 「新版 日本ロケット物語」 誠文堂新光社、2003年、206頁、ISBN 978-4-416-20305-7。
- ^ “これからのロケット・人工衛星等の打上げ”. NASDA (1991年11月). 1999年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月31日閲覧。
- ^ “ファン!ファン!JAXA! 種子島宇宙センター 施設紹介”. JAXA (2017年). 2018年10月8日閲覧。
- ^ 重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)の登録制度と第1回の登録証授与式について 、国立科学博物館、2008.10.3
- ^ “JAXA's 023”. JAXA (2008年12月1日). 2018年11月8日閲覧。
- ^ a b 「H2ロケット復元へ 宇宙開発“実物”でアピール 」. 産経新聞. 2007年1月7日。
- ^ 森山和道、JAXA、H-IIロケットを一般公開、ロボットWatch、2007年4月24日。
- ^ “JAXA's 014”. JAXA (2007年6月1日). 2018年11月8日閲覧。
- ^ “JAXA's 018”. JAXA (2008年2月1日). 2018年11月8日閲覧。
- ^ 笹本祐一著「宇宙へのパスポート」朝日ソノラマ、2002年、46頁、ISBN 4-257-03649-4 宇宙へのパスポート - マンガ図書館Z(外部リンク)
- 1 H-IIロケットとは
- 2 H-IIロケットの概要
- 3 開発史
- 4 名称
「H-II」の例文・使い方・用例・文例
「H-II」に関係したコラム
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