すい‐りょく【推力】
【推力】(すいりょく)
thrust (power)
揚力、抗力、重力と並ぶ航空機にかかる4つの力の一つ。
エンジンにより発生する前方方向への力ベクトル。
抗力に打ち勝つことにより、航空機は加速する。
推力設定の分類
推力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/11 07:46 UTC 版)
推力(すいりょく、スラスト、英: thrust)とは、
本項では3について記述する。
概説
さまざまな説明のしかたがある。ひとつには「抗力と慣性力の和に相当する」とされる[1]。
自動車や粘着式鉄道などの車両の場合は、タイヤと路面、あるいは車輪と軌条の間の摩擦力を利用して得る[1]。
それ以外の航空機・宇宙機では、推進装置によって流体を後方へ加速することで、その反作用を利用し発生する(一般に、後方へ向けて、前進速度以上に加速する)[1]。力の発生機構と伝達という点に着目すると、プロペラ機の場合は、原動機で発生させた力を軸経由でプロペラへ伝えることで推力を発生させており、ジェットエンジンやロケットエンジンの場合はそれ自体が直接的に推力を発生させている[1]。
航空機
固定翼機は、プロペラを回転させて空気を動かすか、ジェットエンジン(やロケットエンジン)からの排気ガスを飛行方向とは逆向きに噴射することで、前方推力を生み出す。この前方推力は、「空気の質量」に「気流の平均速度」を乗じたものに比例する。可変ピッチプロペラのブレードを逆ピッチにしたり、ジェットエンジンを逆噴射させたりすることで逆推力を起こし、着陸後のブレーキの効きをよくすることができる。回転翼機や推力偏向のV/STOL機では、エンジンの推力で機体の重量を支え、その推力の一部を前後に向けて前進速度を制御する。
ロケットの質量は、燃焼室からロケットエンジンのノズルを通って加速された排気質量の運動量が変化する時間率と大きさが等しく逆向きの推進力で前方に進む。これは、ロケットに対する排気速度 × 質量が放出された時の時間率 であり、数学的に表すと:
様々な艦船で多様な推進装置が用いられているが、代表的なものにスクリュープロペラ(プロペラ)を用いるプロペラ船がある。これは、プロペラを回転させ、水を後方に加速して(蹴って)推力を得る方式である。 原動機で発生させた力をシャフトでプロペラに伝え、プロペラが水を後方に押しその反作用を推力とする。原動機の発生させた力が全て推力になるわけではなく、プロペラが生じさせる水流はらせん状の渦でねじれが生じており、推力になるのは原動機の発生させた力の一部である。
帆船
帆船の場合はいささか複雑である。帆船などでは風の力を推力の源とする。ただし風の力と言っても、真の風に、船の進行によって逆向きに生じる進行風が合成され《みかけの風》が発生する。その《みかけの風》をセイルが受け、その結果セイルは迎え角に応じて斜め方向の力を発生させ、その力を帆柱などに伝え船体が受ける。その力は進行方向からずれた斜め方向になっているが、その力のうち船体の横方向の成分は船体側面やキール(竜骨)が水から受ける抗力によって差し引き減少させ、船体の縦方向の成分を推力として前方へ進む。
出典
関連項目
外部リンク
推力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 00:55 UTC 版)
推力は、2つの質量の間の相互作用か生じる力である。2つの質量はそれらの速度のために互いに等しいが逆方向の力を及ぼす。力Fは、ニュートン(N、SI単位)あるいは重量ポンド(lbf、ヤードポンド法)の単位で測ることができる。
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「推力」の例文・使い方・用例・文例
- ジェットエンジンの逆推力装置
- そのロケットは, 16,000 キログラムの推力を出すことができる.
- 4本の脚それぞれが、2つの管の中で伸縮自在に操作される推力軸受を持つ簡単なねじジャッキで構成されている
- アーチまたは橋の推力または圧力を直接に受け、接触する石造の支え
- 追加的な推力で熱排気に燃料を吹き付ける装置は
- 回転軸に平行に推力が加わるように設計された軸受
- ジェットエンジンの推力
- アーチ推力
- ロケットに推力を与える薬剤
- 回転によって揚力や推力を得るように作られた翼
- 流体の噴射の反作用で推力を得るエンジン
推力と同じ種類の言葉
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