黒田派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:58 UTC 版)
憲政党内の派閥の一つで、正式名称は『黒田道久道の会』。派閥領袖は黒田道久。九州諸藩の藩主・藩士にちなんだ姓に基いている場合もある。 黒田道久(くろだ みちひさ) 憲政党政調会長で仙露の父も所属していた黒田派のボス。道路・自動車関係に強い利権を持つ(後に公共施設のバリアフリーに関する利権も持っていることが判明する)。新米議員である仙露に何かと厄介ごとを押し付ける。仙露が指示通りに行動せずに怒りを見せた場合でも、マスコミの高い評価を知ると掌を返すことが多い。 また、仙露に「『はやぶさ』と言ったら「戦闘機の隼だろ」と、じっくりと隼の解説をするなど戦闘機に詳しく、80話では対立政党の広成が党本部に直談判に来た際に「国益のため」と提案を受けて対応する度量の広さを見せることもある。 ネットを介して広がった民衆党が主催した講演会に仙露が招かれた時の発言を重く見て、彼を呼び国替えを勧める。その際、意外にも素直に応じたため戸惑い、見返りを求めていると思ったが、逆に「選挙区に専念したいので役職を解いて欲しい」と言われて本気だと感じた。ところがいざ仙露を国替えさせようとするとトドロキ自動車から待ったがかかり、鉄道協会からの「新幹線パッケージ輸出支援の提言をまとめた仙露に地位を与えパイプ役に」という提案から仙露の国替えを中止した。 佐藤秀人を憲政党に取り込もうとするが失敗し、寿齢党党首の大橋をけしかけて共倒れさせることを我策するが、(仙露や真希たちの力で)頓挫する。 党税調で消費税の増税と生活出需品に対する軽減税率について、消費税をそのままに、ぜいたく品に重税をかけることを提案する(仙露の入知恵)。 山中正太郎(やまなか しょうたろう) 憲政党の国会議員。黒田派の副会長。選挙で民衆党の刺客・広成真希に小選挙区で敗れ、辛くも比例復活当選する。そのため広成真希とは「ローカル私鉄のJR駅への延長問題」・「駅前商店街の再開発」・「町を挙げての省エネ策」と度々揉め、そのたびに仙露の助力で丸く収まるため、仙露を高く評価している。 寺田博司(てらだ ひろし) 憲政党の国会議員。黒田派の幹部。仙露の隣の選挙区、富塚市を地盤とする。開かずの踏切問題や環境派の富塚市長とのケンカを仙露のアイデアで解決する。待機児童問題で対策を仙露に依頼する。 細川俊彦(ほそかわ としひこ) 憲政党の国会議員。仙露と同期で同じく二世議員だが、子供のころから総理大臣を目指していた野心家で、仙露に強いライバル心を持つ。生まれも育ちも東京という生粋の東京都民で自分の地盤のこともあまり良く知らず、地元民の陳情の際には、「こんな田舎も自分の地盤なのか」と驚愕した。常に自分の功績と注目度を気にしており、自らの知識や見識をひけらかす場面もあるが、実際には世間知らずで知識も浅く顰蹙を買う発言が多い。交通政策はあまり得意ではなく、付け焼刃程度の知識・提案しか持ち合わおらず仙露や由希の提案をカンニングすることが多い。仙露に成り代わって政務官に就任しようとして、父親が残した資料を元にした政策を党の幹部に提出しようとしたが、以前政権交代した際に民衆党が同様の政策を提案していた上に、憲政党に反発されて廃案になっていたことを広成真希に指摘され呆れられる。また、その際に仙露がまとめた政策を収めたUSBメモリを渡され、自分の手柄としたことがある。仙露の提言を参考に静岡県連の静川、浜田に提言したことがあるが、かえって二人の逆鱗に触れ、黒田に雷を落とされている。 広成由希をデートに誘ったりして交際をしていたが、彼女が仙露に注目したことに嫉妬し、秘書が偶然目にした民衆党が主催した講演会に彼が招かれた時の発言を知り、ネットを介して密かに拡散する。しかし、自身の思惑と違い仙露が黒田から勧められた国替えを承諾していたことに驚く。 真希以上に仙露の縄張りへの闖入をして功名を得ようとするが、仇になることが多く、仙露の友人・福田からも軽蔑されている。熊本編でツヨシの姪・華子に「あの肥後細川家の流れ」と言ったが、実際は熊本城の細川家とは関係ないことを間髪入れずに歴史家に指摘されたため、冗談と思われた。 毎朝新聞の松永と海外メディアからの取材に対し、ゴルフ練習場で練習をしながらインタビューを受けるという最低の対応をした上に、党に無断で自分の浅はかな参議院改革案(のぞみ曰く「とんでもない改革案」)を披露したことで、海外メディアから「無能なのに意欲だけはある政治家の典型」というレッテルを貼られた上に、記事を読んだ黒田を激怒させてしまう。 川根徹(かわね とおる) 憲政党の国会議員で仙露や細川と同期。衆議院3期目の元警察官僚で、公安警察時代はカンの鋭さから『公安のカミソリ』と言われていた。その実績を買われて政権与党に迎えられる、現在の役職は「内閣情報調査室担当内閣官房副長官」。自身の才覚でのし上がってきたため、世襲議員を嫌っており、政治家を評価する際の第一のポイントは世襲議員か否かで決めるため、まだ参議院議員候補に過ぎなかった初対面の千田葉子に対し、「世襲でない点だけは評価してやる」と発言している。また、コテコテの世襲議員である仙露に対しては、かなり見下しているが、仙露の天然(鉄道バカ)の行動に振り回されることになる。150話ではのぞみが仙露の妹であることを知ってしまう。 さらに李が仙露目当ての名目で岐阜へ来訪したのと、仙露がライの息子・サムの相手をしていることを知り、ますます(仙露がらみの行動が)理解不能となった。 鉄道知識に関しては疎いが、仙露の鉄道裏知識を無視しようとするため、ドジをしてしまう。 尾藤晴彦(びとう はるひこ) 第一巻・第三話にて登場した、青森選挙区の候補。憲政党から立候補することになり、黒田派からは(予想では)状況が不利だったため、幹部ではなく仙露を応援によこした。県会議員である父・勝利(かつとし)は養親で子供がいなかったため、親戚筋である晴彦(はるひこ)を養子縁組にして、後継者として育てた。 後に彼の実父が末期の病気に侵されていることを知り、仙露の助言で(人道上やむを得ない)特例を利用して青森駅に運転停車していたカシオペアに乗り込み、実父のいる函館へ最後の対面に訪問した。これが民衆党(特に対立候補であった丸野和恵)によって問題視されたが、彼と仙露は選挙活動中に事情を説明、勝利と内山のフォローもあって逆転勝利、黒田派に入会した。 千田葉子(ちだ ようこ) 参議院千葉選挙区の新人議員。候補者時代、外資系シンクタンクでは現・民衆党の広成議員と同僚だったため、彼女がライバル視する仙露の指導を受けたいと志願して、一時仙露の私設秘書となる。千葉県出身だが職場の大学も東京という「千葉都民」で千葉の選挙区をデータで知っている頭でっかち。「データだけでは実感としてわからない」と仙露に千葉県内のローカル私鉄路線の視察に付き合わされ、銚子電鉄視察では銚子電鉄を支援する沿線の高校生グループへの協力を、選挙年齢の18歳に引き下げに伴い増える240万の若者票を集める準備と考えるなど、仙露の行動を深読みしすぎて勘違いしているところがある。ベンチャー経営者である南郷に(ファンとして)憧れていて、仙露を通じて会えた時は感激していた。 仙露についたのはそもそも彼女が真希をライバル視して、その真希が仙露を意識したことから興味を持っていたのであり、「師事」というより「研究」目的で「指導を受ける」名目をとったことから、仙露のアナログ戦術(どぶ板戦術および庶民目線での直接視察)と(親から受け継いだ選挙区を捨てての)選挙区移転構想に呆れていたが、未成年選挙層(18・19歳)開拓などといった勘違いをしているせいなのと、仙露自ら移転しようとした静岡へ出向くと静川・浜田に一目置かれていることから、彼の戦術はあながち侮れないと少し考えるようになった(さすがに山万ユーカリが丘線の女子大駅へ一人で行くのが恥ずかしいと同伴させられた際には困惑していた)。 細川がのぞみ・真希・遠子を自宅(引っ越し先の高層マンション)へ招待した時に、同じく誘われた。だが、下心みえみえなのと宅配業者を考慮しない対応に失笑した。その高層マンションは美観一辺倒で宅配対応が整っていない都心型であったことから、宅配業者からは「鬼門」と忌み嫌われていた。また、細川に対しては仮想通貨投資におけるパスワード管理の杜撰さを真希とともに指摘している。 丸田(まるた) 黒田の秘書で、仙露のことを「先代(道男)の代わりでうだつの上がらない若手議員」としか見ていなかったが、織自成を紹介した。2巻以降は出番が少なくなった(漫画では9巻以降、若手某秘書の出番の方が多くなった)。 外川(とがわ) 細川の秘書で、細川のことを「先生」あるいは「若」と呼ぶ。細川の手足となって動いていて、仙露が静岡送りになった原因の情報をつかんだこともある。しかし内心では、駄々子同然に暴走する細川に困惑している。 川上清吉(かわかみ せいきち) 憲政党黒田派所属の衆議院議員。内閣改造に伴い、当選七期目で「高齢化社会対策担当」内閣府特命担当大臣として初入閣を果たした古老議員。内閣改造を機に失言のあった上島派所属の前任者を更迭したことで「老人優先席」と呼ばれていた担当大臣のポストが上島派から黒田派に移譲されたため、黒田の温情により入閣した。 利権と目立つ提言(横車)で動く古いタイプの政治家。横車を入れられて困惑する国土交通省は、仙露に助け船を求める。仙露と同じく川上に困惑する五木も、彼にくぎを刺すため仙露に協力する。 エスカレーター問題で「半開譲り追い越し」をやめさせたいと禁止措置や利権を求めようとするが、仙露と五木に一蹴される。 加藤佑吉(かとう ゆうきち) 故人。元国土交通大臣で鉄工会社を経営しながら市議会議員・県議会議員を経て衆議院議員になったたたき上げの政治家。晩年は跡取り息子の金と女へのだらしなさに頭を抱えていた。作中への登場は第214話での内山の回想シーンのみとなっている。 長男で末っ子・佑介は仙露の参列に「若手の政務官じゃなくて、大臣あたりが来ると思った」と落胆し、のぞみをナンパがらみでスカウトしようとした。佑介は父の花押遺言状を盾に「会社相続権」を主張し、就任早々工場をつぶすと宣言するが、仙露にその遺言状は無効であると忠告され、工場やその従業員は救われた。
※この「黒田派」の解説は、「テツぼん」の解説の一部です。
「黒田派」を含む「テツぼん」の記事については、「テツぼん」の概要を参照ください。
- 黒田派のページへのリンク