音源の強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/26 04:06 UTC 版)
音源チップを二つ搭載 従来機種は8253の矩形波出力を利用した単音のビープ音しか持たなかったが、MZ-1500ではSN76489を2個搭載し、6オクターブ・3重和音+1ノイズを左右に振り分けるステレオ音声出力が可能になった。 内蔵スピーカーからは2個のSN76489の出力がミックスされてモノラル出力される。外部出力端子はチップ毎に独立して用意されており、ステレオ出力が可能。ただし、事実上ほとんどのソフトウェアがモノラル6重和音+2ノイズとしてサウンド機能を使っているため、外部出力端子にスピーカーを接続する際には注意が必要である。また、基本波形のデューティ比が50:50で、両チップとも同じであるため、別チップに対し、同じ音程を出力させようとした場合位相が逆になり、打ち消されてしまうケースもある。なお、モノラル出力やパンが振られては困る場合に備え、両方のチップに対して同じ値を出力するI/Oポートも存在している。 音声出力への対応 同時期の他の機種に見られた音声合成がMZ-1500でもオプションボードとしてサポートされた。ボイスボード(MZ-1M08)には、音声合成用のチップと追加音声が収録されたROMが搭載されており、MZ-1500のBASICでは、増設側のROMに内蔵されている38種類の定型メッセージ、一音ごとの発音、若干数のメロディー波形を扱うことができた。BASICからの対応は無かったものの、音声合成チップ自体には時計を意識した英語の数字、定型文などの音声をデータとしては持っており、I/Oポート経由でシリアル制御を行い、発声速度、発音内容などを指定する形になっていた。指定した音を連続して再生するような形であるため、音のつながりや音程、ニュアンスなどの表現は出来ない。当時、このボイスボードを用いてバイナリデータを読み上げる機能を持つソフトがサードパーティから販売されており、雑誌に掲載されていた機械語ソフトのダンプリストの入力後チェックに重宝された。このボイスボードはMZ-2500並びに、その後継機であるMZ-2861でも利用可能である。 MZ-700互換サウンド出力 MZ-700と同様に、8253のチャネル0から矩形波の単音を出力することもできる。このためハードウェアの仕様としては実は7重和音である。また、音楽演奏用の割り込みタイマの必要性から、MZ-700互換音源部のサウンド出力をマスクし、チャネル0をタイマ割り込み源として使用できるようにハードウェアの変更がなされている。 後に個人で移植が試みられたドルアーガの塔では、SN76489で出しにくい低音部の出力に使用している。 オープニングで「喋る」ことが話題になったサンダーフォースの1bitPCMはこちらの互換サウンド出力を利用している。
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